投資を行う際に必要となる情報収集ですが、他の人がどのように情報収集しているかについて気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は投資家に聞く初心者にもおすすめの情報収集のポイントについてご紹介いたします。
目次
膨大な情報は有益なのか
少し古い話になってしまいますが、PCやスマートフォン、インターネットが普及する前には、リアルタイムで株価や為替の値段がわからないというのは当然のことでした。
過去には株式売買は証券取引所で野球のサインのようなもので合図をする時代もありました。
それが近年のインターネット普及、データ処理速度向上、インフラ環境整備に従い、情報はものすごい量で増えてきています。
総務省によると1996年から2006年の10年間で、人々が接することの出来る情報量は530倍に増加しているようです。
直近のデータではないのですが、その後さらに増加していることは間違いないでしょう。
情報量とともにデータ量自体も急速に増えており、日本だけではなく世界全体で見てもデータ量は毎年40%、そして2020年までには50倍にまで増加すると予想されており、この傾向はますます加速していくことでしょう。
参考: 総務省 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト
ただし、残念ながら人間が処理できる情報量は上記の増加と比べるとほとんど変わっておりません。
さらに情報が増えれば増えるほど情報を探すことも困難になり、ポータルサイトやキュレーションサイトのようなまとめサイトが出てきたことに繋がります。
つまり、情報量が増えるほど比例して有益という訳ではなく、有益な情報にたどり着くのが難しくなりますので、大量の情報をしっかりと自分で考えて処理するということが重要になるのではないでしょうか。
投資家の代表的な情報収集方法から見るオススメについて
では具体的に投資家はどのような情報収集を行っているのか気になるでしょう。
いきなり高度な情報をたくさん収集することは、あまりオススメできませんので日々無理の無い範囲でできそうな方法と、定期的に行う代表的な方法についてご紹介させていただきます。
モーニングサテライト
月曜日から金曜日の朝5時45分よりテレビ東京で放送されている経済番組です。
前日のアメリカのマーケット情報を中心に解説を行うことが多く、その日の相場に影響を与える可能性があるニュースについても紹介しております。
朝が早いために見るのが難しい、という方向けにも以下サイトにダイジェスト内容が掲載されております。
参考:モーニングサテライト
ワールドビジネスサテライト
モーニングサテライトの夜版です。
こちらは朝と違って日本のマーケット状況を中心に解説しております。
1日のおさらいとして見ておくことをオススメいたします。
日本経済新聞
言わずと知れた経済を中心とした新聞です。
新聞に掲載された時点で既に株価には織込済の情報が多いですが、マクロ環境を勉強していくという意味でもオススメとなります。
ニュースで取り上げられる日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した日本を代表する東証1部上場企業の株価を平均して作成されているものですので、読んでおいて損は無いでしょう。
参考:日本経済新聞
インターネットサイト
速報性ではインターネットの情報が圧倒的に早く、自分が知りたい情報を検索して入手するには最適です。
主なサイトとしては、証券会社のサイトやYahoo!ファイナンス、ニュースで見て気になる情報があれば公式に発表されているものなのかどうかEDINETで確認することもオススメです。
また、株式情報のSNSサイトであるみんなの株式も個人投資家の書き込みが多く参考になりそうな情報も多いです。
参考:Yahoo!ファイナンス
参考:みんなの株式
参考:EDINET
ダイヤモンド ZAi
ビジネス誌や経済誌は多種多様なものがありますが、株式情報を収集するのに初心者の方にオススメの雑誌はダイヤモンド社が発行しているZAiです。
特徴としては個人投資家向けに株主優待がお得な銘柄や配当が高い銘柄を優しく教えてくれるなど見ているだけでも楽しい内容であり、用語の解説なども丁寧ですので初心者向けの雑誌としても人気があります。
会社四季報
東洋経済新報社が3ヶ月に1回発行している投資家のための企業情報誌です。
全上場企業を網羅して、業績予想などの企業データを掲載しております。
創刊は1936年と歴史があり、どんな会社があるのかを見てみるのも良いでしょう。
上場企業の辞典としても利用できるかもしれません。
参考:会社四季報オンライン
アナリストの予想確認
株価が動く要因の一つとしてアナリストの予想が挙げられます。
例えば現在の株価が割安だと判断されれば買いが集まりやすくなりますし、逆に割高だと判断されれば売りが集まりやすくなります。
アナリストは専門家として各業界の企業を研究して予想しているために信憑性が高いことも多いですが、外れることも多いですので、元となる根拠や背景になる理論まで目を通すことをオススメいたします。
情報の取捨選択と情報処理のコツ
代表的な情報収集の方法をいくつかご紹介させていただきましたが、さらに大事なことは情報を集めることと同じくらい、情報をどのように考えて活用するかということになります。
全ての情報を活用するのは難しいですので、逆に必要のない部分を捨てるということも重要です。
投資家が重要視している点は以下の3点が挙げられるのではないでしょうか。
1次情報を正確に把握すること
メディアや専門家の意見を聞くことも重要で参考になることも多いですが、出来るだけその元となっている1次情報を正確に把握することが重要です。
例えばGDPの成長率の発表があればどれくらいの成長率かを正しく把握し、名目か実質なのか、速報値か実質値なのかを調べて間違わないようにしましょう。
情報を鵜呑みにしないで理論的にも納得できるか確認すること
1次情報を得ることが難しい場合には、その情報が自分で理論的に納得できるか確認してみましょう。
理論はその時には正しいとされていても、実は後から違ったということも良くありますよね。
特に新しい市場やサービスなどについては情報が不足していることも多いですので注意しましょう。
他の人の情報を安易に鵜呑みにせずに、一度自分の中で納得できるかどうか考えてみること自体が良いトレーニングにもなるはずです。
本質は何かを自分の頭で良く考えること
最後にオススメするのが得た情報の中から本質は何かを自分の頭でしっかりと良く考えることです。
例えば、ある企業の株価が下がっている場合に株価全体が下がっているのか、その業界全体が下がっているのか、個別企業のみが下がっているのか。
個別企業のみの場合には業績が良くないのか、不祥事があったのか、株価上昇の一服感が出ているのかなど、なぜ下がっているのかについても着目してみましょう。
業績が良くない場合には経営陣が良くないのか、為替に問題があるのか、商品に魅力がないのかといった具合に掘り下げていくことで本質に近づくことができるのではないでしょうか。
日頃から情報を見た祭に、上記のような事柄について考えておくことで情報収集能力と情報処理能力が向上し、目先の動きに惑わされることなく中長期的な投資にも役立つことが考えられます。
日頃から様々な情報を取得して自分の頭で考えよう
多額の金額を高速で売買する機関投資家のような場合には、情報収集のためのメディアやソースも重要であり、ブルームバーグやQUICKなどの比較的高額なサービスを利用している場合もありますが、初心者の方にはそのような情報を集めるよりも、まずは自分の無理のない範囲で初めて続けていくことが重要です。
その上で例えば今後株価は上昇するのか下降するのかを仮説を立て、しばらくしてから検証してみて精度を上げていくことで自信を持つことができるでしょう。
集めた情報から自分なりに考えを持って、投資に活用してみてはいかがでしょうか。
コメントを残す