日本でもキュレーションメディアをはじめ、動画を中心としたメディアなどネット系メディアが多くありますが、ネット系のメディアはアメリカの方が盛んだと言えます。
日本ではさほど話題にはなっていないもの、実は2019年1月にアメリカのネット系メディアが一斉に人員削減を発表しました。
今回は 米系 / アメリカ の ネット系新興メディア に 人員削減 の 異変 についてご紹介させていただきます。
目次
米系 / アメリカ の ネット系新興メディアの人員削減
まずは2019年に入ってからどこの企業がどの程度人員削減を発表したのか見ていきましょう。
ベライゾンメディア社
画像引用 : HUFFPOST
ベライゾンメディア社はハフポストや米ヤフー、AOLなどのメディアを持つ親会社です。
ベライゾンメディア社では全体の7%ほどにあたる約750人を削減と発表がありました。
バズフィード社
画像引用 : BuzzFeed
米バズフィードは15%にあたる約200人の人員削減を実施すると発表がありました。
ジョナ・ペレッティ最高経営責任者(CEO)は、選択と集中を行い適正な費用構造を達成するためにスリム化すると説明を行なっています。
なお、日本語版であるバズフィードジャパンは日本のYahoo!JAPANとのジョイントベンチャーで、DeNAのキュレーションサイト問題での対応が早かったことなどが有名です。
ヴァイス
画像引用 : VICE
日本ではあまり馴染みのないVICE(ヴァイス)というメディアでも250人の削減が発表されております。
ヴァイス・メディアとは1994年にフリーペーパーを発行したことが始まりで、世界35カ国にオフィスを展開しており、比較的尖ったコンテンツが多いことからも特に若年層に人気のあるメディアです。
新興メディア以外でも新聞の最大手「USAトゥデー」を傘下に持つガネット社で人員削減の発表が伝えられております。
人員削減の情報が一斉にに報道されたのが1月23、24日に固まっていましたが、日本企業とは違って米国企業は12月決算が多いことが特徴です。
この時期は2018年12月の決算業績が固まる時期にあたり、決算発表を行う前に対応策を行なっていることを株主に示す必要がある時期でもあります。
日本ではゴールデンウィーク明け頃から業績発表を行う企業が増えてくることが多いのと似た状況と認識しておけば良いかも知れません。
ネット系メディア の 人員削減 の 理由
ネット系メディアは上場していない企業が多く、詳細な数値を分析することは難しいことが多いのですが、メディアの収益源の要である広告収入が原因であると見て間違えないでしょう。
上述のバズフィード最高経営責任者(CEO)のジョナ・ペレッティ氏は、「2ケタ増収を達成したものの、コストカットは避けられない」と、想定を下回っている様子が伝えられています。
増収は確保できている中での人員削減のため、ネット系メディアに曲がり角がきていると考えるのはまだ早いかもしれませんが、シグナルが出ている可能性は考えられます。
もちろんネット広告のマーケットは成長を続けており、今後も成長が見込まれておりますが、人員削減の理由として大きいのがGoogleとFacebookによってネット広告市場の大半を抑えられているということです。
また、Facebookが18年に表示アルゴリズムを変更したことを受けて、メディア各社のニュースを優先的に表示するのを止めたことも影響しているようです。
これは同社がフェイクニュースを流していたとの批判を受けたことも少なからず影響があると予測されます。
Facebooにメディアの記事がシェアされ、リンクから訪問者を獲得することを重要視してきた新興メディアは影響が大きかったと見られます。
個人的には最近のFacebookのアルゴリズム変化を受けた影響からか、いいねボタンを押した人の投稿がエンゲージメントが高いと評価されて優先的にフィードに投稿されるようになり、その人の投稿ばかりになるのはやめてほしいと思っていたりもするのですが。。
日本の新興系ネットメディアの状況
ご参考までに上場企業2社だけになってしまいますが、日本の新興系ネットメディアの状況はどのようになっているのか見ていきましょう。
Gunosy
日本でキュレーションメディアの有名どころとしては、Gunosyやスマートニュースあたりがあげられます。
スマートニュースは上場していないのでGunosy社の決算状況は以下のようになっています。
画像引用 : Yahoo!ファイナンス Gunosy
Gunosyは上場したこともあり、積極的なプロモーションが功を奏しているのか決算状況を見る限り売上、業績ともに順調に推移しているように見えます。
ユーザベース
ビジネス系ではユーザベース社が提供しているNewsPicksが有名です。
ユーザベース社はNewsPicks以外のBtoB向けSPEEDA事業と合算しての売上となるため、NewsPicks単独で見るためにはセグメント別の内訳を見る必要があります。
画像引用 : NewsPicks <ユーザベース>SPEEDA・NewsPicksともに成長加速。
画像引用 : ユーザベース 平成30年12月期 決算短信
また、アメリカのメディア事業Quartzを買収したことによって、NewsPicks事業の中にQuartzも含まれているのですが、有料会員自体は順調に推移しているようです。
マネー勝負と独自コンテンツがカギに
ネット広告はマーケットが伸びている中、メディアの規模にもよるものの今後も競争が激しくなることが予想されるでしょう。
アメリカでもニューヨーク・タイムズが購読者を増やし、売上も期待を上回って推移しているという発表があったように、カギとしてはマネー勝負と独自コンテンツであると感じてます。
huluやNetFlicsなどの有料動画サービスとと同様に、独自コンテンツを充実していくことによって差別化を図るとともに、プロモーションのためにはある程度の費用もかけなくてはなりません。
2019年のアメリカのネット系メディアに対する状況を見ながら、日本のネット系メディアについても注目してみても面白いかもしれません。
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