法人では従業員の給料や顧問税理士、業務委託の方への支払いに対する所得税を源泉徴収する必要がありますが、どの様に納付するのが簡単で便利なのか知っておくことで仕事の効率がアップすることにも繋がると思います。
今回はその中でも法人の源泉所得税の納付方法はe-Taxからネットバンキングかクレジットカードがおすすめですのでご紹介いたします。
目次
源泉所得税とは
源泉所得税は、企業が従業員や報酬を受け取る方の源泉から徴収し、ご本人に代わって納める所得税のことです。
給与、報酬などの特定の所得の支払者が、その所得の支払をする際に、所定の方法により所得税額を計算し、支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付する制度を、「源泉徴収制度」といいます。
所得税との違い
所得税は1年間の所得に応じて所得者本人が支払う税金のことで、日本国内に居住している方はすべての所得に対して所得税が課せられます。
日本の所得税は累進課税となっており、その税率は1年間の所得額によって異なりますが、所得が多くなればなるほど税率も高くなっていきます。
源泉所得税の納付方法について
源泉所得税の納付方法について見ていきましょう。
いずれの方法でも納付書(所得税徴収高計算書)は自社か税理士さんなどにて作成する必要があります。
金融機関や税務署で納付
最もオーソドックスな方法が金融機関や税務署で支払う方法です。
納付書は手書きで作成する必要があり、納付書が多い会社であれば税務署に納付書を取りに行く必要もあります。
支払いには金融機関や税務署に行かなくてはなりません。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使うと上記の画像であった納付書をweb上で作成できるため手書きが不要になります。
また、金融機関や税務署に行かなくても良いので朝や夜など時間を気にすることなく納付が可能な点もメリットが大きいと言えるでしょう。
e-TaxはICカードリーダーや電子証明書の利用が面倒で挫折してしまう方が多いのですが、源泉所得税の納付に電子証明書は不要ですので簡単に利用可能です。
納付の種類が3つありますのでそれぞれ見ていきましょう。
ネットバンキングで納付
ネットバンキングの口座を持っていれば納付が可能で、お手軽に利用ができます。
大手銀行や地方銀行の大半が利用できますので、普段使っている金融機関が対応しているか事前に確認しておくことがお勧めです。
手数料もかかりません。
クレジットカードで納付
クレジットカードでの納付も可能ですが、クレジットカードでの支払いでは1万円ごとに決済手数料が83円(税込)発生します。
クレジットカードのポイントが付くので、決済手数料を超えるポイントが付くのであればお得ですので、お支払い金額と合わせて考えてみましょう。
金額の1%ポイントが付くようであればカード利用がおすすめです。
ダイレクト納付
インターネットバンキングを利用していない方が、個人や会社の口座から税金をオンラインで支払えます。
利用には事前にダイレクト納付届出書を税務署へ提出する必要があり、利用可能となるまで1か月程度かかる場合もありますので時間に余裕を持って行うのがおすすめです。
e-Taxで源泉所得税を納付する方法
e-taxの利用にあたっては、利用開始届出書を事前に提出し、利用者識別番号を取得する必要があります。
既に取得済みの方は取得方法を飛ばしていただければと思います。
また、OSとブラウザで利用できるものとできないものがあり、chromeは利用ができませんので注意しましょう。
まずは利用者識別番号の取得
参考:e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて
e-Taxを利用するためには利用者識別番号とパスワードを設定しなくてはなりません。
e-Tax(web版)の開始届出書の作成・提出を選択し、法人であれば法人の方開始届出書の選択をします。
法人名、代表者情報などを入力しましょう。
法人番号がわからない場合、国税庁の法人番号公表サイトから簡単に調べることもできます。
その後暗証番号等を入力し内容を確認のうえ送信します。
送信完了すると、利用者識別番号等の通知に利用者識別番号が表示されています。
源泉徴収の納付の場合には電子証明書の登録は必要ありませんので、無視して「次へ」を押します。
内容を確認して登録すると、登録結果画面が表示されますので無事に登録完了です。
e-taxで徴収高計算書を作成・提出する
e-taxを使ってネットで源泉徴収税の納付を完了させるには、まず徴収高計算書を作成する必要があります。
徴収高計算書を作成後に提出し、その後に納付という流れになりますが、すべてネット上で完結しますのですぐにお支払いまで完了可能です。
まずはe-Taxにログインしましょう。
ログインには利用者識別番号と暗証番号が必要です。
続いてメインメニューの真ん中にある、申告・申請・納税の「>>こちらから」を押します。
源泉所得税の納期に応じて、毎月の支払いには一般を、半年分の支払いでは特例分を選択しましょう。
給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)を選択します。
提出先の税務署等の入力がありますので、法人登記先の税務署を選択します。
その後、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を入力し、納期等の区分には、納付の対象となった期間を入力します。
例えば納期特例分の場合には令和3年1月~令和3年6月のように半年分を選択します。
入力内容を確認し、問題がなければ送信をしましょう。以下のような画面になると送信が完了です。
最後に即時通知の「受信通知の確認」を押すと、納税方法の選択画面になりますので、利用したい方法を選んで納付をします。
ここからインターネットバンキング、クレジットカードなどを選択できます。
無事に納付が終わると上記のような画面になりますので念のため保存しておくことがおすすめです。
コメントを残す