ネット銀行の法人口座で比較的開設しやすいと言われているのが 住信SBIネット銀行 です。
特徴としては月に最大20回まで振込手数料が無料になる、振込優待プログラムがあることでしょう。
住信SBIネット銀行の法人口座開設について審査や申し込み方法、評判についてご紹介いたします。
目次
住信SBIネット銀行 について
住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行とSBIホールディングスを出資会社とするインターネット専業の銀行です。
似たようなネット銀行ですと、あおぞら銀行とGMOインターネットグループの合弁会社であるGMOあおぞらネット銀行になるでしょうか。
1986年に住友信託銀行(当時)の事務を受託する完全子会社として、住信オフィスサービス株式会社を設立。
2006年にSBIホールディングスからの出資の受入、および銀行設立準備会社への業態転換を行い、2007年に銀行免許の予備審査終了に伴い、住信SBIネット銀行株式会社に改称されたという経緯があります。
ご参考までに各社についても見ていきましょう。
三井住友信託銀行 について
三井住友信託銀行は三井住友トラストグループの中核企業で、三菱UFJ信託銀行やみずほ信託銀行などと並んで信託銀行の大手です。
普通の銀行は預金、貸付、為替などの「銀行業務」を行っていますが、信託銀行は「銀行業務」に加えて、「信託業務」と「併営業務」を行っています。
併営業務とは、相続関連業務や証券代行業務、不動産の仲介業務などのことで、普通の銀行と比べるとあまり馴染みの無い方も多いかもしれません。
引用 : 三井住友信託銀行
SBIホールディングス について
SBIホールディングスは元々ソフトバンクグループの金融関連企業として設立されたため「SoftBank Investment」の略でしたが、その後同グループを離脱し「Strategic Business Innovator(戦略的な事業の革新者)」の略に変更したという経緯があります。
1999年に設立し2000年12月15日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現在のヘラクレス市場)に上場。
2003年にイー・トレード株式会社との合併を行い、2005年にSBIホールディングス株式会社に商号を変更し、現在では中核企業であるSBI証券がネット証券の最大手となっています。
引用 : SBIホールディングス
住信SBIネット銀行の会社情報
住信SBIネット銀行の株主を確認してみると、
三井住友信託銀行 株式会社別 50%
SBIホールディングス 株式会社 50%
となっていることから、共同運営と言っても良いでしょう。
もちろん法人口座だけではなく、個人口座も開設が可能ですが、今回は法人口座についてご紹介いたします。
なお、ビジネス口座は法人だけで、個人事業主では口座開設ができません。
住信SBIネット銀行 の 特徴
ここからは住信SBIネット銀行の特徴について見ていきましょう。
手数料が安い
住信SBIネット銀行は月額基本料、法人口座利用料といったものも無料でかかりません。ご参考までに大手ネット銀行の手数料を比較してみました。
銀行名 | 住信SBIネット銀行 | GMOあおぞらネット銀行 | PayPay銀行 | 楽天銀行 |
---|---|---|---|---|
月額基本料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
同行内振込手数料 | 50円 | 無料 | 55円 | 52円 |
他行振込手数料 | 3万円以下:160円 3万円以上:250円 | 3万円以下:145円 3万円以上:145円 | 3万円以下:176円 3万円以上:275円 | 3万円以下:168円 3万円以上:262円 |
利用可能時間 | 24時間365日 | 24時間365日 | 24時間365日 | 24時間365日 |
店舗 | 無 | 無 | 無 | 無 |
開設の日数 | 審査1〜2週間 | 審査1〜2週間 | 審査1〜2週間 | 審査1〜2週間 |
住信SBIネット銀行では、
- 自行あて:50円
- 他行あて(3万円未満):160円
- 他行あて(3万円以上):250円
- セブン銀行
- イオン銀行
- ローソンATM
- E-net
- ゆうちょ銀行
- いくら借入れできるか常に知っておきたい
- 書類準備や面談に時間を割きたくない
- ネットで最短当日に借入れしたい
- 無担保・無保証で借り入れしたい
- 所轄税務署あての法人設立届出書(控のコピー)
- 所轄税務署あての青色申告承認申請書(控)のコピー)
- 主たる事務所の建物登記簿謄本(発行より3ヶ月以内のコピー)
- 主たる事務所の建物賃貸借契約書(契約締結済みのコピー)
とお得な手数料になります。
条件を達成することで最大月20回まで振込手数料が無料に
住信SBIネット銀行の一番評判が良いのは最大月20回まで振込手数料が無料になるということと言っても良いかもしれません。
口座を開設した月と翌月は、無条件で毎月10回まで振込手数料が無料になります。
また、以下の条件を満たすと振込手数料が10回ずつ無料になり、両方達成すると20回無料です。
1、他行からの振込が月間10件以上
2、ミライノ デビットカード(Mastercard/Visa)の利用金額が10万円以上
取引先からの振込が多い企業であれば、1の条件を簡単に達成することも可能でしょう。
法人カードが作りやすい
住信SBIネット銀行ではクレジットカード、デビットカードの2種類から選択することができます。
クレジットカードでも申込みに決算書や確定申告書の提出が不要なため、創業したての法人でもカード作成ができるのは大きな特徴と言えるでしょう。
また、デビットカードは最大で利用金額の1%がキャッシュバックされるので、現金取引よりもお得となります。
振込優待プログラムの適用を目指すのであれば月に10万円以上利用するようにしましょう。
セキュリティも充実
気になるネット銀行のセキュリティに関してもセキュアな環境で利用できます。
住信SBIネット銀行が提供している「スマート認証」は、スマートフォンを使って取引の承認や、ネット銀行口座へのログインにロックをかけることができる、無料のセキュリティサービスです。
例えばPCのネット口座から振込をすると、スマートフォンアプリに通知が届きます。
内容が正しいかどうかをアプリで都度確認をして、承認ボタンを押すと初めて振込が実行されるという二段階承認の仕組みです。
その他にも無償のセキュリティ対策ソフトの提供や、24時間365日体制の振込モニタリングを行い異常が見つかった場合には一時的にお取扱いを停止し、お客さまへ電話やメール等をしてもらうことができます。
三井住友信託銀行やSBI証券などで培っているセキュリティ技術が生かされていると考えられます。
提携ATMで24時間の入出金にも対応
ネット銀行では店舗窓口が無いため、入金や出金は提携しているATMから行います。
ATMからの入金・出金には金額にかかわらず一律108円の手数料がかかります。
現在、提携ATMとなっているのは、
です。
他のネット銀行では出金時に200円以上の手数料がかかることもあるので、出金に関してはややお得と言えそうです。
短期融資の利用ができる
ネット銀行のデメリットとしては融資に利用しにくいということが挙げられるのですが、住信SBIネット銀行ではレンディング・ワンという融資サービスがあります。
といったニーズに答えてくれます。
借り入れ金額は50万円から3,000万円まで、返済回数は3回(最長4ヵ月未満)、6回(最長7ヵ月未満)、12回(最長13ヵ月未満)から選択できます。
金利は年間で1.99%から7.99%と幅がありますので、お申し込み時に確認しておきましょう。
重要!固定電話がないと申し込みが出来ない
住信SBIネット銀行の気を付けておくべき点としては、固定電話がないと法人の口座開設の申し込みができません。
固定電話がない場合にネット銀行を申し込みたい場合には、GMOあおぞらネット銀行か、PayPay銀行でお申込みするという選択肢となります。
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は残念ながら審査で落ちてしまったのですが、以下のようにGMOあおぞらネット銀行では口座を開設することができました。
ネット銀行の場合にはわざわざ面談に行かなくても良いので、あまり自信がなくてもまずは他の銀行に申し込みだけしてみて様子を見ても良いと思います。
より詳細にGMOあおぞらネット銀行についてご確認したい方は、以下の記事もオススメです。
口座開設手順と審査について
メガバンクと比べてネット銀行の方が振込手数料が安く、口座維持手数料もかからないため一つは持っておいても良いと思います。
ただ、ネット銀行の方が法人口座を作る際に審査基準が緩いと思われがちですが、必ずしもそうとも言い切れませんのである程度しっかりと準備しておきましょう。
なぜかというとネット銀行の場合には対面でのやり取りがない分、会社としてスコアリングが悪いと面談による挽回の余地が無いからです。
口座開設には書類が届いてから2〜3週間程度は見込んでおいた方が良さそうです。
住信SBIネット銀行 で口座開設申し込みに必要な書類について
住信SBIネット銀行で口座開設申し込みに必要な書類は以下の6点となります。
法人の口座開設申込書
まずは法人の口座開設の申し込みを行いましょう。
履歴事項全部証明書 ( 登記簿謄本 )
発行日から3ヶ月以内の原本となります。現在事項証明書では受付がダメなようですので注意しましょう。
法人の印鑑証明書
上記の履歴事項全部証明書と同様に発行から3ヶ月以内の原本が必要です。
履歴事項全部証明書、印鑑証明書を取得する際には法務局で行うこととなりますが、法人の印鑑カードを忘れてしまうと取得できませんので忘れずに持っていきましょう。
法人番号指定通知書
法人を設立した際に法人番号指定通知書をもらうこととなりますが、「発行日から6ヵ月以内」の「コピー」か法人番号印刷書類が該当します。
法人番号印刷書類は国税庁 法人番号公表サイトでダウンロードが可能で、こちらも6ヵ月以内に印刷したものが必要です。
ご担当者の本人確認資料
運転免許証や住民基本台帳カード(マイナンバーカード)、パスポートなどになります。
設立後半年以内の法人の場合
上記に加えて、設立後半年以内の法人は下記のうちから1つを追加で同封が必要です。
上記の提出書類を住信SBIネット銀行に郵送後、書類審査が約7日で審査が完了して、さらに10日程度でキャッシュカードの発送が行われるようです。
メガバンクの法人口座開設は早くても3週間以上はかかることが多く、実際に僕も三菱UFJ銀行で申し込みから口座開設完了まで1ヶ月ほどかかりました。
法人の銀行口座開設完全ガイド
銀行の法人口座開設は年々審査が厳しくなっているのが実情です。
そのため、法人口座を開設するためには銀行口座開設の目的と事前準備をしっかりと確認しておき、戦略的に行うことがおすすめです。
実際に私が法人口座を開設した経験を踏まえて参考になりそうな記事をまとめてみましたので、ご関心ありましたら参照いただければと思います。
1つはネット銀行を持っておくことがおすすめ
法人の銀行口座を作る際にはどこの銀行で作るか迷う方も多いと思いますが、月額費用が無料で振込手数料の安いネット銀行をメインで利用しつつ、必要に応じてメガバンクやゆうちょ銀行を利用することがおすすめです。
ただし、資本金が低くて法人オフィスがない場合にはネット銀行の方が断られやすいケースもあるので注意しましょう。
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