未上場株へ投資ができる株式投資型クラウドファンディングのメリットとデメリットとは

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未上場株へ投資ができる株式投資型クラウドファンディングのメリットとリスクとは

個人投資家の中で注目を集めている未上場株への投資。その魅力は大きな利益を得られることでしょう。

しかし、その一方で、通常の株式投資に比べてもリスクを伴う投資です。特に詐欺まがいの投資話が多いのも実情です。

2015年5月の金融商品取引法改正により解禁となって以来、1社あたり50万円を上限として個人投資家でも未上場株への投資が可能となりました。

今回は、未上場株投資や株式投資型クラウドファンディングに関するメリットやデメリットについてご紹介いたします。

未上場株投資とは

未上場株投資とは、未上場である企業に投資をすることです。

未上場株とは東京証券取引所やマザーズなどの証券取引所に上場していない企業の株式でプライベート・エクイティと呼ばれることもあります。

大企業の中でも未上場企業は意外と多く、例えば日本最大の旅行会社であるJTBや、大手運送会社である佐川急便なども未上場企業です。

また、TSUTAYAを運営しているCCCのように上場していた企業がMBOをして未上場となることもあります。

株式投資型クラウドファンディングとは

株式投資型クラウドファンディングとは

株式投資型クラウドファンディングをひと言で言うと、「個人投資家と未上場企業を結び付けるマッチングサイト」です。

そして、2017年4月に日本初の株式投資型クラウドファンディングとしてFUNDINNOがスタートしました。

2015年5月の金融商品取引法改正により個人投資家が未上場株への投資が可能となりました。

これを受けて2017年4月にFUNDINNOが株式投資型クラウドファンディングとしてはじめに登場することとなります。

個人投資家が未上場株に投資できる株式投資型クラウドファンディングが新聞記事に掲載されるなど、新しい投資手段として注目が集まっています。

従来の投資に比べて大きな利益を得ることができる魅力がある未上場株への投資について、情報を収集している個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

上場株への投資の場合には売却益(キャピタルゲイン)配当金や株主優待(インカムゲイン)を考えて投資を行うのが一般的です。

一方で株式投資型クラウドファンディングを通じた未上場株への投資の場合は赤字の企業も多く、基本的には売却益のみを追求することになります。

未上場株へ投資するメリット

まずは未上場株への投資のメリットについて見ていきましょう。

大きな利益を得ることができる可能性がある

未上場企業への投資の最大の魅力は大きな利益を得ることができるという点です。

ベンチャーキャピタルは、将来上場が見込める未上場の成長企業に投資します。

なぜなら、投資した企業が成長し、証券取引所に上場した場合やM&Aで売却した場合、投資した時期にもよりますが利益は数十倍と言われるほど、莫大なものになるからです。

このため、ベンチャーキャピタルは将来成長が見込まれる分野や企業に対して積極的に投資を行っているのです。

計算上は10社に1社でもイグジットができれば十分にペイできることになります。

税制の優遇を受けられる

未上場株への投資を行うことで税制上の優遇(エンジェル税制)を受けることができます。

エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資により、一定の条件を満たせば税制上の優遇を受けることができる制度です。

税制面を優遇することで、国がベンチャー企業への投資の促進を主導しています。

但し、将来はエンジェル税制が廃止される可能性もありますので、確定申告を行う際には事前に確認が必要です。

まだ世間にあまり知られていない企業の株主になれる

未上場企業は上場企業と比べると知名度が低い企業も多く存在します。

将来成長が見込まれる企業を早く知って投資できるということは、利益だけではなく成長を見守ることにも繋がります。

未上場株へ投資するデメリット

未上場株へ投資するデメリット

未上場株への投資には大きなメリットがある一方で、デメリットも存在します。そのデメリットとは以下の通りです。

流動性が低くて簡単に売却できない

上場企業の場合は証券会社を通じて好きなタイミングで売却をすることが可能です。しかし、未上場株の場合には簡単に売却ができません。

ちなみに、未上場株が自由に売却できるようになるのは株式公開(IPO)のときです。

加えて企業売却(M&A)のタイミングでも株式を売却できます。それ以外で売却をするのは難しいのが実情です。

未上場株には譲渡制限が設けられていることが一般的です。これは、未上場株を自由に売買されると株主が不明になること、また、反社会勢力に株式が譲渡され、企業支配を防ぐためです。

また、譲渡制限がある場合、株式を譲渡するには取締役会や株主総会の承認が必要となります。株式譲渡が必ず承認されるとは限りません。承認されなければ株式譲渡はできなくなります。

投資した企業の業績が下がったからといって好きなタイミングで売却できないのがデメリットとなります。

元本が返ってこない可能性がある

未上場株だけではなく上場している企業の株式投資でも元本割れのリスクがあります。

ただ、未上場株の場合、仮に業績が悪化したとしても、上記のように未上場株は好きなタイミングで売却ができません。

売却できるタイミングは、基本的に株式公開(IPO)か企業売却(M&A)の時です。

つまり、好きなタイミングで売却できないということは損切りもできないため、業績悪化で企業が倒産した場合には元本はほぼ返ってきません。

逆に株式公開(IPO)や企業売却(M&A)が行われた時には、投資額の数倍から数十倍以上といった大きな利益を得ることができます。

このことからも未上場株への投資が高いリスクを伴う一方で大きな利益を得られることが、このことからも分かるかと思います。

投資判断が難しい

投資判断の材料の一つとして、財務諸表や有価証券報告書など、企業が発表する資料があります。

上場企業の場合、企業の事業内容や営業状況などを示す有価証券報告書の公開は義務付けられていますが、未上場企業の場合、有価証券報告書の作成は義務付けられていません。

このため、未上場企業の場合、経営状態を判断する資料がほとんど公開されていないことから、上場企業に比べて投資を行う上での判断が難しくなっています。

株式投資型クラウドファンディングの場合には1社あたり50万円までしか投資できない

自分がこの会社は将来性があってたくさん投資をしたい!と思っても現在の法律上では1社あたり50万円までしか投資ができません。

その分最大の損失額も抑えられるためメリットでもありますが、好きな金額分買えないというのは上場企業との大きな違いでもあります。

株式投資型クラウドファンディングで利益を得た投資家がまだいない

先にも述べたように、個人投資家が非上場企業への投資は2015年5月の金融商品取引法改正により可能になりました。

また、2017年4月に日本初の株式投資型クラウドファンディングとしてFUNDINOが立ち上がりました。

このように日本における個人投資家の未上場株への投資はまだ歴史が浅いのが実情です。

加えて、株式投資型クラウドファンディングを利用した企業のうち、株式公開(IPO)や企業売却(M&A)を行った企業がまだありません。

とはいえ、今後は利用企業の中から株式公開(IPO)や企業売却(M&A)にこぎつける企業が登場するのも時間の問題でしょう。

未上場株への投資で少しでもリスクを減らすためには

先にも述べたように、未上場株への投資には大きなリスクが伴います。そのリスクを少しでも減らすためにはどうすればよろしいでしょうか?

以下に少しでもリスクを減らすための方法を記載します。

株式投資型クラウドファンディングを利用して投資を行う

未上場企業への投資には詐欺まがいの未上場企業への投資話が多いのも実情です。

それを少しでも避けるためには、株式投資型クラウドファンディングを通じて、未上場株に投資を行うのが良いでしょう。

株式投資型クラウドファンディングに掲載している企業について、運営企業は掲載前に企業を調査します。

成長性が見込めない企業や投資家に不利益をもたらすような企業は排除するように努めています。

なぜなら、掲載企業の信用の問題は、即サービスの信用の問題に直結するからです。

サイトに掲載されている企業は、運営会社が調査の上で信用できると判断した企業のため、リスクはある程度少ないと判断できます。

余裕のない状態で投資しない

投資を行う際には余裕資金で行うのが原則です。

特に未上場株への投資は、元本そのものが返ってこない可能性もありますし、流動性が低いため途中で現金化ができません。

このため、余裕のない状態で投資を行わないことは、リスクを減らすために最低限必要なこととなります。

株式投資型クラウドファンディングサービス一覧

ここからは代表的な株式投資型クラウドファンディングサービスについて見ていきましょう。

FUNDINNO(ファンディーノ)

【FUNDINNO】株式投資型クラウドファンディング

FUNDINNOは2017年3月よりスタートした日本初の株式投資型クラウドファンディングとして知られており、株式会社日本クラウドキャピタルが運営しています。

日本経済新聞や様々なメディアにも取り上げられるなど話題となっており、日本証券業協会にも加入していることが特徴です。

取引量が日本一を誇り、2019年6月1日時点では累計成約額が19億3,858万円となっています。

株式投資型クラウドファンディングを行う際には一番はじめにチェックしておくと良いでしょう。

項目内容
対応業種IT、医療、ロボットなど
1社あたりの投資額最大50万円まで
手数料投資口座への振込み:お客様負担
ポイント日本で初めて株式投資型クラウドファンディングを提供した老舗最大手
企業情報株式会社日本クラウドキャピタル
設立2015年11月

Unicorn(ユニコーン)

Unicorn(ユニコーン)

Unicornは株式会社ユニコーンが運営しており、最低1年に1回、クラウドファンディングで株式を購入した株主に対して、株主優待を実施することをすべての会社と約束していることが特徴です。

他の株式投資型クラウドファンディングは、株主優待があるものが少ないですが、定期的なIRや株主優待等により中長期的な企業のサポーターを作り出すことを掲げています。

株主優待の内容は会社によって異なりますが、募集の段階で予定している優待の内容を記載があるためわかりやすいです。

項目内容
対応業種IT、医療など
1社あたりの投資額最大50万円まで
手数料投資口座への振込み:お客様負担
ポイント株式投資型クラウドファンディングでは珍しく株主優待がある
企業情報株式会社ユニコーン
設立2015年12月

エメラダエクイティ

エメラダエクイティ

エメラダエクイティはベンチャーキャピタルなどのプロの投資家が投資する企業にも投資ができるというのが特徴で、エメラダ株式会社が運営しています。

実物の株式ではなく、エメラダ型新株予約権に投資を行うこともエメラダエクイティの特徴です。

エメラダ型新株予約権は一般的な新株予約権とは以下のように異なり、発行者が上場を承認された場合もしくは発行から10年間が経過する最後の1ヵ月の間のみ権利を行使することができ、権利を行使した後に発行者が上場した場合には、権利行使により取得した株式を市場で売却することができます。

また、発行者がM&Aにより売却されたときは、取得条項の発動により新株予約権が譲渡され発行者から金銭を取得することができます。

エメラダ型新株予約権と一般的な新株予約権との主な違い

ご注意点としては10年が経過すると権利が自動消滅してしまうことで、投資金額が0になるということになります。

ただ、一般的には資金調達をしてから10年経過してもIPOもM&Aも難しい状況の場合、時価総額もさほど上がっていないとも考えられます。

項目内容
対応業種IT、飲料メーカー、不動産など
1社あたりの投資額最大49万円まで
手数料投資口座への振込み:お客様負担
ポイントエメラダ型新株予約権という独自の商品設計を行なっている。
企業情報エメラダ株式会社
設立2016年6月

angelbank(まだサービスローンチ前)

angelbankはユニバーサルバンク株式会社が現在開発を進めている株式投資型クラウドファンディングです。

現在はまだ事前登録となっていますので詳細がわかり次第追記予定です。

項目内容
対応業種未定
1社あたりの投資額未定
手数料未定
ポイント未定
企業情報ユニバーサルバンク株式会社
設立2015年5月

分散投資の一環として株式投資型クラウドファンディングの検討も

未上場株への投資はハイリスク・ハイリターンとも言えますが、分散投資として少額で投資を行なってみるのを検討してみても良いかもしれません。

未上場株への投資を考えている場合は未上場企業の現物株を買い取るのは敷居が高いため、株式投資型クラウドファンディングを利用して行うのがよいでしょう。

株式投資型クラウドファンディングの運営会社が調査を行った上で募集を行い、ある程度フィルタリングがされており、リスクを減らすことができます。

ただ、未上場株への投資を行う場合は、投資のメリットやデメリットをしっかりと把握して行うことが必要です。

本記事でご紹介した内容を元に投資を行なった場合でも、投資の有用性を保証するものではございませんので、あくまでもしっかりと自己判断をした上で投資検討をしましょう。

また、株式投資型クラウドファンディングなどではなく、電話や営業など美味しい未上場株の話はほとんどあり得ませんので、すぐに投資するのは絶対に控えてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月合同会社Milkyways設立、代表社員CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はサルサとラーメン。