MBA(経営学修士)と中小企業診断士の違い、転職におけるポイントとは

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MBA(経営学修士)と中小企業診断士の違い、転職におけるポイントとは

経営層、マネジメントレイヤー、コンサルタント、投資ファンド等に転職を目指す場合には「ビジネス」、「経営」に関する知識があった方が望ましいとされます。

ビジネスや経営について体系的に学びたい、アピールしたいと考えた際に思い浮かぶのがMBAと中小企業診断士ではないでしょうか。

今回はMBAと中小企業診断士の違い、転職におけるポイントについてご紹介いたします。

MBAと中小企業診断士の違い

MBAと中小企業診断士の違いについて、概要や取得方法、学習内容についてそれぞれ見ていきましょう。

MBAについて

MBAとはMaster of Business Administrationの略称で、経営学修士として訳されています。

大学院の修士課程、ビジネススクールを修了することで得ることができる学位です。

取得するには、国内および海外の大学院やビジネススクールに入学し、修了単位を取得することが求められます。

仕事を辞めて日中に通うフルタイムと、仕事を続けながら夜間や土日に通うパートタイムMBAがあり、近年ではオンラインで受講し取得する方もいるのが特徴です。

MBAでは主に、「経営戦略」、「マーケティング」、「人的資源管理」、「会計」、「ファイナンス」、「統計学」、「経済学」といったカリキュラムを学びます。

中小企業診断士について

中小企業診断士は、中小企業支援法に基づき経済産業省が認める国家資格です。

試験は1次試験、2次(筆記・口述)試験、実務補習・実務従事という構成で行われ、年1回全国主要都市で開催されます。

中小企業診断協会の発表では、受験者数は年々増加傾向、令和元年試験の合格率は1次試験が30.2%、2次試験 18.3%というデータが公表されています。
参考: 中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移

中小企業診断士は、「経済学・経済政策」、「財務・会計」、「企業経営理論」、「運営管理」、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」といった内容が出題され、それぞれに対して学習する必要があります。

一番の違いはMBAは学位として学歴になるのに対して、中小企業診断士は国家資格であるという点です。

MBAの転職における強み

MBAの転職における強み

MBAが転職市場で評価される3つのポイントをご紹介します。

評価してくれる企業がある

MBAの学位は外資系企業、コンサルティングファーム、投資ファンドなどといった企業から評価される場合が多いです。

取引先が大企業かつ商談先が経営者ということから、経営やビジネスに関する知識が求められることが多いからでしょう。

これらの企業は一般的に高年収、グローバルビジネス、大きな仕事にトライできる、成果主義といった魅力がある企業と言われます。

採用倍率の高い人気の企業であることが多く、MBAの卒業生にも人気があります。

経営、マネジメントポジションへの登用

MBAを持っている方の中には経営・マネジメントポジションで登用される可能性もあります。

もちろんマネジメントの経験が全くない状況では難しい場合も多いですが、将来の幹部候補として目を付けてくれることもあるでしょう。

取得期間で得たコネクションの活用

MBAは大学院やビジネススクールに通うことから、経営スキルを身につけたいと高い志を持つビジネスパーソンと、多様な人的ネットワークを構築できるメリットがあります。

そのネットワークをベースに、新しいビジネスの創出も可能です。

自身のアイデアが、成長したいと考える企業の発展に寄与する可能性もあります。

中小企業診断士の転職における強み

中小企業診断士の転職における強み

続いて中小企業診断士が転職市場で評価される3つのポイントを紹介します。

中小企業や中小企業を顧客にしている企業から評価される

MBAは大企業のマネジメント層がメインターゲットのため、大企業を題材にすることが多いですが、中小企業診断士は実務含め、学習領域の題材が中小企業になります。

大企業と中小企業の経営課題は異なるため、学んだことをダイレクトに活かせる中小企業に対してより資格が評価される土壌があります。

実務補習でのコネクションの活用

中小企業診断士は、2次試験に合格後に、「実務補習または実務従事」を行う必要があります。

自身で案件を獲得できない場合は実務補習を受講するのが一般的です。

実務補習は2次試験に合格した複数の中小企業診断士を目指す方とグループワークで、実際の中小企業を題材に経営課題の解決に取り組みます。

そのような場で、新しいコネクションやシナジーが生まれる可能性があります。

勤務先のでキャリアアップが転職を有利に進める

中小企業診断士の資格取得を、社内での昇進条件や奨励金付与の対象としている企業も少なくありません。

勤務先での地位や年収が上がれば、転職時に有利に働きます。

例えば管理職に登用されれば、管理職経験者向けの求人に対しても応募が可能になります。

加えて、転職時のオファー年収は転職前の年収を加味して、算出されるケースが多いため、昇進や奨励金で転職前の年収を上げることは重要です。

MBAと中小企業診断士はどちらが転職で有利か

MBAと中小企業診断士はどちらが転職で有利なのでしょうか。

MBAと中小企業診断士はともに転職市場ではプラスとなる要素ではあります。

しかし、転職する業界や職種、会社の規模によってそれぞれのメリットが異なりますので一概にどちらが良いとは言えません。

また、MBAや中小企業診断士を取得していてもそれ以上に過去のキャリアの方が重要視されますので、残念ながら転職市場において高い評価を得られない方も多数見受けられます。

どちらを取得するにしても、転職市場で劇的に高い評価が得られる訳ではなく、あくまでプラスとなる要素ということで考えておいた方が良いでしょう。

取得にあたって一生懸命勉強することでご自身の力が付くことは間違いありませんので、自分自身のレベルアップとして捉えることも良いと思います。

MBAと中小企業診断士におけるポイント

MBAと中小企業診断士におけるポイント

これからMBA、中小企業診断士の取得を目指す方は、自身の将来的なキャリアの展望や現在置かれている状況を考慮して、選択すると良いでしょう。

取得にかかる時間や費用

まず取得にかかる時間や費用が異なるということを抑えておきましょう。

前述の通り、MBAを取得するには大学院またはビジネススクールへの入学が必要です。

会社から派遣される場合には会社が費用負担を行ってくれると思いますが、自分で通う場合には在学中だけでなく、入学にかかる準備期間、また費用については、入学費用、在学中の生活費等を工面する必要があります。

取得後のメリットももちろん大きいですが、投資額も大きいので決断には一定の覚悟と時間が必要と言えるでしょう。

一方で中小企業診断士は専門講義やスクールに通う方もいますし、独学で取得する方もいます。

合格に必要な時間は1,000時間程度と言われています。

勉強方法次第ではありますが、大きな投資やライフスタイルの変化をせずとも、取得を目指せるかもしれません。

企業によって評価が異なる

MBAと中小企業診断士は企業によって評価がまちまちです。

自身が思い浮かべる希望の転職先において、MBAと中小企業診断士どちらのニーズが高いかチェックしておくと良いでしょう。

確認方法は、転職エージェントに登録し確認する、会社規模や事業内容・取引先から予測すること、希望転職先の経営者や社員がMBAや中小企業診断士を持っているか確認するなどが挙げられます。

MBAと中小企業診断士の費用対効果を見極めて行動を

すでにMBA、中小企業診断士をお持ちの方はこれからのキャリアにおいてどのように活用できるのかを再度見直してみるのも良いでしょう。

これから取得する方であればどちらを勉強するにしてもある程度の時間と費用がかかるため、将来のキャリアプランを元に自身にとってメリットが大きい方を選択する必要があります。

場合によってはどちらも必要ないかもしれませんし、他の勉強や語学力を上げることに時間とお金を使った方が良い場合もあるでしょう。

ご自身にとってMBAと中小企業診断士の費用対効果を見極めて行動をしてみましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月株式会社Milkyways設立、代表取締役CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はダンスとラーメン。