【無料雛形あり】労働者名簿の作成方法について解説

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【雛形あり】労働者名簿の作成方法について解説

会社運営の上で欠かせないのが従業員情報をまとめた「労働者名簿」です。

人事や労務部門がある会社であれば既に対応されているかと思いますが、小さい会社では労働者名簿を作っていない会社もあるのではないでしょうか。

しかし、労働基準法により、企業が従業員を雇用する際には作成・保管が義務付けられています。

今回は労働者名簿の作成方法についてご紹介いたします。

労働者名簿とは?

労働者名簿とは人事・労務に必要な従業員情報を集約した書類のことです。

労働者名簿には従業員の氏名や住所、生年月日など法律で決められた事項を事業所ごとに記載し、保管しておく必要があります。

労働基準法では、「賃金台帳」「出勤簿」と並ぶ「法定三帳簿」の一つとされており、適切に整備していない場合は処罰の対象となる可能性もありますので注意しましょう。

労働者名簿は、従業員の入社時に一人分ずつ作成する必要があります。

正社員だけではなく、アルバイトの従業員の方でも作成が必要になります。

また、内容に変更があればその都度改訂し、常に最新の情報にしておきましょう。

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労働者名簿の対象者とは

労働者名簿の対象者とは

労働者名簿が必要な対象者は、原則「雇用している従業員全員」です。

労働基準法第9条で「事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と規定されているため、雇用形態に関係なく、パートやアルバイトなど短時間勤務の従業員も対象となります。

一方、労働者名簿が必要ではない対象者とその理由について、以下の表にまとめました。

対象者対象内容
日雇い労働者労働基準法107条上、作成・管理義務の記載はありません。
派遣労働者派遣元が管理するため、派遣先には作成・管理義務はありません。
代表者・役員労働基準法上での「労働者」に値しないため、管理対象にはなりません。
※ただし、社会保険事務所の調査では、会社役員も社会保険の被保険者となるため、一般労働者と同様に労働者名簿や賃金台帳といった帳簿書類の提出を求められます。
在籍出向中の従業員出向先で指揮命令されると同時に、労働契約上の雇用関係も発生することになるため、出向元・出向先の双方で労働者名簿への氏名等の記載義務が発生します。
移籍出向中の従業員出向元との雇用関係はなくなるため、労働者名簿は出向先のみが作成義務が発生します。

出向中の従業員については自社に在籍しているかどうかで義務の対象となるかが決まります。

在籍出向中の従業員の場合、出向先で指揮命令されると同時に労働契約上の雇用関係も発生します。

また、移籍出向中の従業員の場合は、出向元との雇用関係がなくなり、出向先にのみ労働者名簿の作成義務が発生するため、出向中の従業員については「自社に在籍しているかどうか」を確認しておきましょう。

労働者名簿作成は義務

労働者名簿作成は義務

労働基準法第107条により、従業員を一人でも雇用していれば、企業規模を問わず、全ての法人企業に労働者名簿の作成および整備の義務が発生します。

また、個人事業主であっても、従業員を雇用している場合には労働者名簿の整備が必要ですので注意しましょう。

労働基準法第107条

労働者名簿は各事業場ごとに、各労働者(日々雇い入れられる者を除く)について作成しなければなりません。

また、記載事項に変更があった場合は、遅滞なく訂正しなければなりません。

労働者名簿を作成していなかったり、記載内容に不備があったりする場合は、労働基準監督署の是正勧告の対象となります。

作成義務違反に該当する場合は、30万円以下の罰金を科せられる可能性があるため注意が必要です。

労働者名簿を作成・管理するにあたっての注意点

労働者名簿を作成・管理するにあたって、考慮しなげればならない3つの注意点を見ていきましょう。

内容の更新と変更は遅滞なく行う

労働基準法施行規則第53条により、労働者名簿の更新は「遅滞なく」と定められています。

記載内容に変更が発生した場合、速やかに名簿の記載内容を修正して更新しておきましょう。

労働者名簿を紙で管理している場合は、変更になった記載項目に二重線を引き、訂正印を押して新たな情報を記載します。

個人情報として取り扱いが必要

労働者名簿に記載される内容は、従業員の氏名や住所、生年月日など個人のプライバシーに関わる情報が多く含まれるため、個人情報保護法の対象となります。

入社時などに従業員から個人情報を得る際には、本人の同意が必要となります。

また、マイナンバーを労働者名簿に記載しておけば便利なように思われますが、マイナンバーは具体的な用途に限定して収集する個人情報のため、他の目的で使用する可能性がある帳簿に記載するのは適正な管理とは言えません。

マイナンバーは、労働者名簿とは別に管理するようにしましょう。

事業所ごとに作成

労働基準法により、労働者名簿は「事業所ごとに作成しなければならない」と定められています。

「事業所」とは、企業全体ではなく「支社」「営業所」「店舗」「工場」のように一定の場所で継続的に作業が行われる場所を指します。

そのため、労働者名簿は本社で一括して全従業員分を作成・保管するのではなく、支社や工場ごとに作成し、それぞれで保管しなければなりません。

本社以外に該当する事業所がある場合は、それぞれの事業所にて労働者名簿を整備しましょう。

労働者名簿を正しく作成しよう

労働者名簿は従業員を雇用する場合に「作成」、「整備」、「保管」が義務付けられている大切な書類です。

社員数の多い会社などであれば作成や変更は大変ですが、人事や労務には欠かせない書類になりますので、定期的な見直しと更新をしておきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月株式会社Milkyways設立、代表取締役CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はダンスとラーメン。