インドネシアのネット通販大手ブカラパックという会社はご存知でしょうか。
インドネシアでは5社しかないユニコーン企業(企業価値が10億ドル以上)の1社として注目されています。
今回はインドネシアのネット通販大手のユニコーン企業、ブカラパックについてご紹介いたします。
ブカラパックとは
ブカラパック(Bukalapak)はインドネシア最大の電子商取引会社の1つで、ブカラパクと訳されることもあります。
ブカラパックはインドネシアにあるバンドン工科大学の2人とともに、アフマド・ザキさんによって2010年に設立されました。
創業者でありCEOのアフマド・ザキさんはジャワ島中部の田舎町スゲラン出身で、30代半ばの比較的若い社長になります。
インドネシアは約2.5億人と日本の倍程度の人口がおり、企業に勤めながら副業をしている人も多い国です。
自分でECサイトを開くにはある程度のIT知識と資金が必要なため、日本のように個人でネットショップを簡単に作成することができなかった中、誰でも簡単に無料で出店できるモール型ECサイトのブカラパックが注目されることとなります。
日本では楽天やYahoo!ショッピングのようなイメージが近いと思います。
ブカラパックが人気になったきっかけとして、会社設立間際に折りたたみ自転車の人気が出た際に、色々な自転車や自転車用アクセサリーを手頃な価格で購入できるサイトとしてユーザーの増加に繋がったと言われています。
2019年には450万人以上の中小企業の売り手、7,000万人の月間アクティブユーザー、1日あたり平均200万件のトランザクションが行われているサイトです。
ブカラパックの資金調達と日本との関係性
ブカラパックはユニコーン企業であると紹介しましたが、会社設立後の早い段階から資金調達を繰り返し行って成長してきました。
2012年にはGREE Venturesから投資を受けており、2014年にはオークファン、アイレップ、500 Startupsなどから追加の調達も行っています。
また、最近では2019年1月にLINEの親会社である韓国Naverとの合弁会社であるMirae Asset-Naver Asia Growth Fundによる資金調達ラウンドも発表されました。
そこまで大きく話題として取り上げられることも無かったような気もするのですが、早い段階から日本のIT企業も目をつけており出資を行っていたことがわかります。
レイオフとCEOの交代から考えること
ユニコーン企業として成長が期待されているブカラパックですが、2019年9月に全社員の約1割にあたる250人を解雇したと発表がありました。
また、上記で紹介したアフマド・ザキCEOが2020年1月6日に退任し、インドネシアのバンク・ブコピンという銀行出資のラフマット・カイムディンさんという方が後任にあたるようです。
アフマド・ザキさんは相談役として同社に残るものの、おそらく経営に関与することは減っていくことが予想されます。
詳細を把握しているわけでは無いのですが、レイオフとCEOの交代から選択と集中を図ることが考えられ、近いうちにIPOへ進むのでは無いかと思います。
ベンチャー企業がフェーズによって創業者から違う経営者へ変更して成長することはよくあることで、日本では例えばカカクコム社の創業者は槙野光昭さんで、上場前には穐田誉輝さんが代表となって同社を拡大させたことなどが有名です。
個人的にはITベンチャーの創業者から金融出身の代表へと変更することで、ビジネス的にどのようになっていくのかが興味深いと感じており注目したいと思っています。
創業者の勢いやカリスマ性が失われる反面、財務諸表などの収支改善が予想されますが同社のカラーが失われないで成長へと導くことは容易では無いと感じているからです。
2021年8月にインドネシアで上場が行われることとなりました。
インドネシアでは初めてのIT系ユニコーンの上場ということで注目が集まっており、企業価値は60億ドル程度が見込まれています。
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