ベンチャーキャピタルの仕事内容とベンチャーキャピタリストに向いている人材とは

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ベンチャーキャピタルの仕事内容とベンチャーキャピタリストに向いている人材とは

ベンチャーキャピタルと聞いたことはあっても、業務内容について詳しく知っている人は少ないかもしれません。

また、ベンチャーキャピタリストは元々そこまで多くの人が働いている職種では無いため、採用倍率が高い人気の職種にもなります。

今回はベンチャーキャピタルの仕事内容とベンチャーキャピタリストに向いている人材についてご紹介いたします。

ベンチャーキャピタルとは

通常の生活をしているとあまり馴染みのないベンチャーキャピタルですが、実はかなり身近な存在です。

VCなどと訳されて呼ばれることも多く、ベンチャー企業の経営者や働いている方であれば大手ベンチャーキャピタル企業をいくつかは知っているでしょう。

例えばフリマアプリのメルカリをご存知でしょうか。TVCMも流れていますし、実際に利用されている方も結構いらっしゃると思います。

メルカリは2013年2月に資本金2,000万円で設立されました。

その資金を元手にCtoCのマーケットプレイス『メルカリ』アプリをリリースします。

ちなみに創業者の山田 進太郎さんは2001年8月にウノウ社を設立、2010年8月米ジンガ社に売却をしておりシリアルアントレプレナーと呼ばれています。

サービスが拡大するにつれて資金が必要となり、『メルカリ』アプリはリリースされていましたがまだ赤字の状態で銀行も相手にしてくれませんでした。

そのような時にメルカリが頼ったのが、ベンチャーキャピタルです。

ベンチャーキャピタルは創業間もないベンチャー企業や、サービスリリース前後のベンチャー企業等、赤字続きで銀行が融資できないような企業でも、自らの目利きでベンチャー企業の将来性を判断し、『投資』と言う形でベンチャー企業に資金を提供します。

そして資金を提供するだけではなく経営権の一部を保有し、ベンチャー企業の経営にも参画、ベンチャー企業の社長と共に会社を成長させていきます。

メルカリの場合もベンチャーキャピタルからの資金提供を受け自らのサービスを拡大し、みなさんが知るサービスになりました。

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ベンチャーキャピタルの仕組みとは

ベンチャーキャピタルの仕組みとは

では、ベンチャーキャピタルの仕組みはどうなっているのかを見ていきましょう。

通常ベンチャーキャピタルは『投資事業有限責任組合』という組合を設立し、ジェネラルパートナー(GP:無限責任組合員)となっています。

投資事業有限責任組合にはGP以外にリミテッドパートナー(LP:有限責任組合員)も出資し、みんなで資金をプールします。

この集まった資金の運用を行うのがGPになり、投資事業有限責任組合は通常『ベンチャーファンド』と呼ばれます。

ベンチャーファンドではベンチャー企業(株式会社)の株式等を保有(投資)し、数年経過後に当該株式を売却することが目的です。

その際、投資時より高い株価で売却できればベンチャーファンドに利益がもたらされますが、そうでない場合は損失を被ることになるため目利きが非常に常用となります。

ここで最も重要な立場にいるのがGPです。

ベンチャーファンドは『権利能力なき社団』ですので、自らが何かを決定したりできませんし、従業員を雇用することもできません。

そこでベンチャーファンドの資金運用をGPが行うことになります。

GPはベンチャーファンドにプールされた資金でベンチャー企業の株式購入決定をしたり、同株式の売却の決定をしたりするとともに、GPが雇用しているベンチャーキャピタリストを通じて投資しているベンチャー企業の企業価値向上のサポート(ハンズオン)を行います。

GPはこのような事を行う見返りに、ベンチャーファンドの資金のうち一定の割合を管理報酬として得ます。

また、ハンズオンが成功し、ベンチャーファンド全体のリターンが想定より多かった場合、成功報酬がベンチャーファンドからGPに支払われることもあります。

そして残った資金を出資比率に応じてGP及びLPに分配し、ベンチャーファンドはクローズすることが一連の流れです。

つまりGPとしてベンチャーファンドを組成したり、雇用しているベンチャーキャピタリストを通じてベンチャー企業の企業価値向上サポートを行ったり、ベンチャーファンドが保有する株式の銘柄を決めたりするのがベンチャーキャピタルの役割と言えるでしょう。

ベンチャーキャピタリストの仕事内容とは

ベンチャーキャピタルの仕組みとは

ベンチャーキャピタリストの仕事内容は多岐に渡りますので、順を追って見ていきましょう。

ベンチャーファンド組成時

組合の組成自体については弁護士等とのやり取りが発生しますが、基本的には全てミドルバックの社員が行うことが多いです。

フロントのベンチャーキャピタリストとしては、ベンチャーファンドのコンセプトの決定(投資ステージや業種、地域等の決定)を行ったり、ベンチャーファンドのポートフォリオを想定し目標とするファンドパフォーマンスの算定を行うとともに、実際に投資できそうなベンチャー企業の情報収集及びコンタクトを行います。

状況によってはベンチャーファンド組成前でも、ベンチャー企業に対するデューデリジェンス(企業価値評価)を行い、ベンチャーファンド組成とほぼ同時に投資実行を行うこともあります。

ベンチャーファンド組成後

ベンチャーファンドは通常7年から10年程度の存続期間になります。

ファンドの組成後2年~3年でベンチャーファンドに組み入れる銘柄を決定して投資を行います。

つまり、ベンチャーファンドから投資を実行するのはファンド組成後2年~3年程度までという事です。

その間ベンチャーキャピタリストは将来有望と思われるベンチャー企業の情報を収集し、当該企業へアプローチを行い資金ニーズがあるかどうかを確認し、資金ニーズがあるのであればデューデリジェンスに入り投資実行すべく行動します。

デューデリジェンスが終わると、社内の投資を決定する委員会に案件を付議し、承認がされたら投資を実行。

当然デューデリジェンスを行っている間に、ベンチャーファンドからベンチャー企業へ投資する際の条件も並行して交渉します。

投資株価から始まり、普通株式での投資なのか、種類株式なのか、コンバーチブルボンドなのか、投資契約の内容、株主間契約の内容等々をベンチャー企業の経営陣と詰めていきます。

投資実行後

ベンチャー企業へ投資を実行したらベンチャーキャピタリストの仕事は終わりというわけではありません。

そこからベンチャーキャピタリストの手腕が試されます。つまり、ハンズオンです。

少なくともベンチャー企業の取締役会や重要な会議にも参加しますし、その場で発言も行います。

様々な形でベンチャー企業内外の情報収集を行い、成長に必要と思われる支援を行っていく必要があるでしょう。

売上が思うように伸びていないのであれば販売先を紹介したり、社内の管理体制に不備があるのであればそれを修正したり、ありとあらゆることを行って行くことが求められます。

場合によっては投資先にしばらくの間常駐してハンズオンを行う場合も見受けられました。

組合員集会

ベンチャー企業への投資実行、ハンズオンを行いつつ、年に1~2回程度ベンチャーファンドの出資者(LP)向けに、現在のベンチャーファンドがどのような状況なのかについて報告を行います。

それを組合員集会と呼んだりします。株式会社の株主総会に近いものと言えるでしょう。

この組合員集会ではベンチャーファンドの投資先の企業の概要や現在の状況(経営成績等)について説明を行ったり、今後の投資方針等について説明を行ったりします。

この会議の主催をミドルバックが行うこともありますが、ベンチャーキャピタリストが直接説明するケースも多いです。

EXITについて

ベンチャー企業に対する投資については遅くとも2年から3年経過した段階で、当初の想定通りベンチャー企業が成長しているのかどうか、想定通りではないとしても今後成長する可能性があるのかないのか等についてGP内で議論が行われます。

そして再度ベンチャー企業への投資に関するEXITについて検討がされます。

IPOが見込めるのであればそのまま保有し、ハンズオンを強化していきますが、今後成長が見込めないとなると、M&AやトレードセールでのEXITを模索します。

M&Aのスキームを考案したり、EXIT先を探してくるのもベンチャーキャピタリストの仕事です。

ファンドクローズについて

ベンチャー企業への投資を全て回収(現金化)し、ベンチャーファンド出資者に対する分配金を支払い、ベンチャーファンドは解散します。

分配金の算定や支払い、ベンチャーファンドの解散手続きについてはミドルバックが行うことが多く、ベンチャーキャピタリストの負担はあまり大きくはないです。

しかし、この時には次のベンチャーファンドの組成・運用に入っていることが多く、一息もつけない状況にはなっています。

ベンチャーキャピタリストに向いている人材

ベンチャーキャピタリストに向いている人材

上記でご紹介したようにベンチャーキャピタリストの業務内容は幅広く、経営陣とも対等にやり取りを行うことから求められる能力も多岐に渡ります。

これからベンチャーキャピタルで働いてみたい方にとって、どのような要素を持っているとベンチャーキャピタリストに向いている人材と言えるのか見ていきましょう。

ベンチャー企業や業界に強い興味がある

ベンチャーキャピタルは投資ファンドや再生ファンドと違い、創業間も無いベンチャー企業を投資対象としています。

そのためベンチャー企業やベンチャー業界に強い興味があるのは必須と言えるでしょう。

ベンチャー企業は新しい商品やサービスを世の中に広めていくことが多いため、好奇心や高い情報収集力を持っている方が向いていると言えそうです。

一方で商品やサービスがどんなに良くても競合会社や市況環境の変化などによって窮地に立たされることも珍しくはありません。

失敗してもあきらめないメンタリティ、不特定多数の人と関係を構築できる人間力、客観的に判断できる能力、他人を説得できるだけの論理力、自分の条件を相手に飲ませるコミュニケーション力といったものも必要になるでしょう。

IPOやM&Aに関する知識

ベンチャーキャピタリストに必要な知識としては、バリュエーションの算定も含めたコーポレートファイナンスに関する知識、財務会計管理会計の知識、会社法の知識、IPO実務の知識、M&A実務の知識、金融商品取引法の知識、ベンチャー企業が属する業界の知識は必須になってきます。

ただし、最初から全てを網羅するのは難しいため、入社前にはどこか自分の強い部分を持っておくのがベンチャーキャピタル未経験からの転職に求められるでしょう。

もちろんベンチャーキャピタリストになる際これらの知識・要素を全て持ち合わせていることは不要ですが、最低限1要素は他人に負けないという自信は必須です。

未経験からベンチャーキャピタリストになるにはまずは情報収集を

未経験でもベンチャーキャピタリストに興味関心を持っている方も多くいると思いますので、まずは情報収集をしっかりと行うことが重要です。

ベンチャーキャピタルの中には未経験者でも採用している会社と経験者のみの会社があるため、自分が興味を持っている会社があればどちらに当てはまるのかを確認しましょう。

IPO市場の動向やベンチャーキャピタル各社のファンド組成タイミングなどもありますので、自分で調べたり業界に詳しい知人や転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。

将来的に目指している方はIPOやM&Aに関する知識を身につけておくことが望ましいため、今から準備をしておくことがおすすめです。

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証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月合同会社Milkyways設立、代表社員CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はサルサとラーメン。