普段業務を行なっている際、会議に時間を多く費やしている方も多いのではないでしょうか。
会議を行う際に必ず出てくる問題として、「 無駄 な 会議 が多いこと 」と「会議 が 長く 効率的 でないこと」の2点が挙げられます。
今まで複数社を見てきた中、 会議を見れば その会社のオペレーションや時間に対する考え方が反映されているように感じ、 「 会議を見れば会社がわかる 」 と言っても良いと言えるかもしれません。
効率的 な 会議 を行うためにはどのようなことを意識すれば良いのか、会議の「 量 」と「 質 」についてご紹介させていただきます。
目次
会議 に どれくらいの 時間 を 使っているか を知る
朝礼 や 部門会議 、 全社会議 など人数や目的も様々な会議があると思いますが、実際にどれくらいの時間を会議に費やしているかご存知でしょうか。
家計簿 をつけるのと同様に、まずはどんな会議にどれくらいの時間を使っているのかを見える化することから始めてみましょう。
やり方としては1週間の業務時間のうち、会議の総時間とどんな会議を行なったのかを記録します。
それを1ヶ月間行うことで概ねの会議時間が測れるでしょう。定例会議かイレギュラーな会議かにもよりますが、1ヶ月間の会議時間を計測することで、思ったよりも会議に使う時間が多いなと感じる方も多くなると思います。
仮に1日1時間会議を行なっていたとしても、20営業日があれば20時間が会議として使われており、月の2.5営業日程度が会議で消費されていることがわかります。
会議に使っている時間を算出してみましょう。
無駄 な 会議 の量を減らすには 会議コスト を算出!
1ヶ月あたりの会議の時間を計測したので、次に行いたいのが 「 会議 コスト 」を算出することです。
例えば、月に 60万円 給与 をもらっているとした場合で計算してみましょう。
実際には会社は賃金以外にも福利厚生など様々なコストを負担していますので、実質は1.5倍くらい高いと考えても良いかもしれません。
1日8時間労働 で換算すると 1時間あたり費用3,750円 、 1ヶ月あたり20時間 ( 2.5営業日 )の会議代は7.5万円となります。
- 1時間あたりの会議代 : 3,750円
- 1ヶ月あたりの会議代 : 7.5万円
これが1人あたりにかかってくる金額で、5人、10人と人数が増えれば 1時間の会議と言えどもそれなりのコストになることは明確です。
このような会議の原価計算で有名な会社と言えば、 メディカル・データ・ビジョン社 などが挙げられます。
以前 ワールドビジネスサテライト でも取り上げられており、例えば毎週月曜日の定例会議では 「 この会議は30分48万円 。 1分間1万6,000円 の原価で進めます 」という宣言で始まるそうです。
冒頭に 会議の原価 を 伝えられる 会社と言うのはあまり聞いたことがないのではないでしょうか。
1人1時間の 会議原価 は、 総労働時間 に対して 給与 と 福利厚生費など を含めた金額で割って出しているそうです。
社内には 役員の方であれば 1時間あたり 1万1,000円 という原価も貼られているとのこと。
会議進行 には 議長 が 冒頭に 会議原価 を伝え、時間になったら途中でも終了。
これに伴い、会議にあまり必要ない人を呼ばなくなったと言う効果が出たようです。
もちろん重要な会議も多数あると思いますが、会議の原価計算を行なった上で「この会議に関係ない人は極力呼ばない」、「そもそもこの会議は原価以上の価値が出ないならやめるべき」と言った定量的な判断を下せるのがメリットとなります。
会議に使っているコストを算出してみましょう。
良くある 効率的ではない会議例 4つ
会議に使っている 時間 と コスト を計算した次に行いたいのが、会議の質を見ていくことです。
会議の質をあげるというのは量を見直すよりも難しいのですが、とても重要なこととなります。
先に良くある 効率的ではない会議例 4つ をご紹介したいと思います。
裸の王様会議
オーナー系企業 や 上下関係 が厳しい会社で比較的多く見受けられる会議が 裸の王様会議 です。
議長や進行役、意見を出すのが社長や上長のみで、本人は会議を行なっているため合議制で進めているつもりでも、他の人からすると本当は違う意見を言いたい時もあるが言えない状況となってしまいます。
もっと他の人にも意見を言って欲しいと思っている場合もありますが、それにすら気付かない場合もありそうです。
もしくは、他の人の意見などで進んでいたものの、 社長 や 上長 の一言で全てやり直しと言ったことも見受けらるのではないでしょうか。
実は 裸の王様会議 は必ずしも非効率とは言えず、裸の王様の 意思決定能力 や 先見性 が素晴らしければ、会社を良い方向に成長させられるケースもあります。
ただし、「 どうせ何を言っても無駄だしな 」という空気が会社全体に出ることで、 モチベーションの低下 や 責任の転化 、 自分の頭で考えなくなってしまう副作用が生じてしまうことが中長期的には大きな問題となってしまうと言えるでしょう。
内職はかどる会議
人数が多い 定例会議 に良く見受けられることですが、 自分にあまり関係がない会議 や 意見を言う機会がない会議の際に、会議時間中に他のことをやっている人の多い会議が 内職はかどる会議 です。
やたらキーボードを叩いていたり、スマホを頻繁にいじっている人がいれば、ほぼ内職がはかどっていると見て間違い無いでしょう。
過去に 外資系コンサルタント の方で打ち合わせ中に漫画を読んだりしているのにも関わらず、 的確な質問 や 尖った意見 を言う人がいると聞いたこともあるのですが、そのような天才型の人であれば良いのかもしれません。
マジカルバナナ会議
昔に 「 マジカル頭脳パワー 」と言う番組の中で、マジカルバナナのクイズが流行ったのをご存知でしょうか。
参考:マジカル頭脳パワー
若い方の中では知らない人もいるかもしれませんが、「バナナと言ったら黄色」、「黄色と言ったらヒマワリ」のように前の人が言った単語から連想されるものを繋げていくゲームで、今でも飲み会などでやるとおそらく盛り上がる楽しい内容でした。
マジカルバナナ会議 は 名前の通りに最初の議題から論点がずれてしまい、最初に話して決めるべきことが何か分からなくなってしまう会議です。
雑談の中で会話を広げていく際にはとても重宝するため、意外と コミュニケーション能力 が高い方 や 話好きな方 が多いと陥りやすい傾向がある気がします。
無限ループ会議
無限ループ会議 は ゴールが見えなくてどこまで走れば良いか分からない会議のことです。
部活などで走る際に、終わりの時間や距離を知らされないで走るとペース配分がわからずにかなり苦しくなってしまうのを経験されてことがある方もいるかと思いますが、会議も終わりの時間や目的が無いとダラダラとなりがちになります。
会議が非効率だと感じた場合、なぜ非効率なのかを考えてみましょう。
無駄な会議 時間を 減らす 効率的 な 会議 方法 6つとは
会議の時間 、 コスト 、 非効率 な 会議 の内容について確認した最後にご紹介するのが、 無駄な会議 時間を 減らす 効率的 な 会議 方法 についてです。
最初からこれだけを知っていれば良いと考える方もいると思いますが、先に現状把握をしてから対策を打たれることをオススメします。
効率的 な 会議 方法 を6つご紹介させていただきます。
会議の目的を決める
会議に限らず仕事全般に言えることですが、 「 なぜこれをやる必要があるのか 」 を先に整理しましょう。
昔からやっている定例会議も改めて会議の目的を整理していく中で、 会議の出席者 や 回数の見直し 、 目的の達成のためには別の方法でやった方が良い場合やそもそも廃止してしまっても良いと言う結論になるかもしれません。
会議のゴールを決める
会議の目的が決まった次に設定するのが 会議のゴールを決める ことです。
会議のゴールとは、 この会議を行なった後に何が決まっていてどのようになっている状態であれば会議を終了して良いかと言えるでしょう。
例えば営業会議を行なっている場合、 営業会議の目的を「営業成績の現状確認」、「今期の目標達成に向けた戦略策定」と設定。
それに対して営業会議のゴールとしては、「会議参加者全員が営業成績の現状を知っている状態」、「今期の目標達成に向けた戦略策定を理解している状態」、「参加者が具体的なネクストアクションを起こせる状態」のようなこととなります。
継続して行われている会議の場合には、目的は毎回大きく変わらなくても、ゴールは都度異なることもありますので事前に設定を行うようにしましょう。
予定時間よりも早くゴールの状態になれば終わってしまっても良いでしょうし、逆にゴールの状態までならない場合には延長させるのか、次回までに解決できるようにしておくのかなど運営ルールも同時に決めておくことも重要です。
会議の議長 を決める
裸の王様会議にならないためにもできれば毎回議長は変えることをオススメします。
議長を変えるのが難しい場合にはせめて進行役は毎回変更するようにしましょう。
同じ人が毎回やっているとスムーズに進む反面、 他の参加者の参加意識が薄れること と 会議の信仰で養える ファシリテーション能力 がつかない可能性もあるので、思い切って若手中心にやってもらう方が組織としての成長には繋がるのではないでしょうか。
会議の事前準備 を行う
会議が効率的かつスムーズに進めるのに一番重要なことは会議の事前準備をしっかり行うことです。
一番効率が悪いのは特別な理由がない限り会議が始まってから資料を配ってその場で読み込む時間を取ることです。
急な場合は止むを得ないとしても、事前に資料がある場合には参加者に目を通してもらうことで、各自の空いている時間に進めてもらうことが可能となり、会議の5分10分が無駄になることを防げます。
出来れば会議で話し合う内容を項目で分けて事前に共有しつつ、一緒に資料やURLを貼っておくとすぐに話し合いに進められます。
トピックを出した人をトピック主として、目的とゴールもトピック主が事前に共有しておきましょう。
会議の時間 を測る
事前準備をした段階で、トピックごとに予想される時間を決めておきます。
例えば、
1 、 今月の残業時間の確認 5分
2 、 残業時間発生の理由確認 5分
3 、 来月の残業時間を減らすための施策考案 15分
といった形です。
ここで大事なことは最初から予想される時間通りに進めることもありますが 、 やっていく中でだいたいどのくらいの時間がかかるか読めるようになり、会議時間の予測が立てやすくなります。
また、マジカルバナナ会議を防ぐために各トピックの時間を大幅に超えた場合にはそのまま行う必要があるのか、そもそも論点がずれて時間が延びている場合には、今この場で話すことではないことが確認できます。
会議の宿題 を確認する
会議の事前準備を行なってもその場で解決するのが難しいトピックや、調べるのに時間がかかる内容もあるでしょう。
その場合には宿題事項として記録しておいて、「 誰が 」、「 いつまでに」、「 何を 」解決すべきかを会議の最後に必ず確認しておきましょう。
次回の会議がある場合には最初に宿題の確認をしてから進めるようにすると宿題の抜け漏れを防ぐことに繋がります。
効率的 な 会議 を行えるように実践してみる。
会議フォーマットの雛形
上記でご紹介した会議の雛形を下記よりダウンロードできます。
必要に応じて会議に合う形でご利用ください。
会議を見直すことで タイムマネジメント に対する考え方を変えよう
無駄な会議 時間を 減らす 効率的 な 会議 方法 6つについてご紹介させていただきましたが、会議に閉める時間というのは役職が上がれば上がるほど高くなっていく傾向があります。
会議を効率的に行うことができれば生産性の向上に繋がることは間違いありません。
会議の役割分担としては、
・ 議長
・ 進行役
・ タイムキーパー
・ 書記
を予め決めておけばスムーズに進められるかと思います。
会議については意外と他社の状況などがわからないので自己流で行なっている会社が多いことが見受けられます。
すぐに効率的にするのは難しくても、意識してやっていくことで確実に会議の「量」と「質」が向上することに繋がると思いますので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。