クレジットカードには様々な種類がありますが、Mastercard®(マスターカード)には、年会費5万円(税別、以下同)以上の「ラグジュアリーカード」というブランドがあります。
ラグジュアリーカードの中でも最高峰の「マスターカード・ゴールドカード」の年会費は、20万円にもなります。
年会費無料のクレジットカードがあるなかで、なぜラグジュアリーカードはこれほど高額の年会費を設定できているのでしょうか。
それは、ラグジュアリーカードを使って多額の買い物をする利用者に、大きな特典を与えているからです。
ゴールドカードで年約600万円の買い物をすると、1年間で約20万円分の特典を得ることができます。つまり年会費が20万円でも「元が取れる」わけです。
今回はMastercard®の最上位クラス「ラグジュアリーカード」の特徴、費用、口コミについてご紹介いたします。
目次
ラグジュアリーカードとは
ラグジュアリーカードの仕組みを理解するには、マスターカードについて知っておくと分かりやすくなりますので、まずはマスターカードから見ていきましょう。
マスターカード社はアメリカの会社
マスターカードはクレジットカードの固有名詞であると同時に、会社名でもあります。
この記事では、クレジットカードのことを「マスターカード」と表記して、会社名を「マスターカード社」とします。
クレジットカードの仕組みはカードの利用者(消費者)が小売店で現金を支払わずに商品を買うと、小売店はその代金をクレジットカード会社から受け取ることができます。
利用者はあとでクレジットカード会社に代金を支払います。
これがクレジットカードの「決済システム」機能です。
クレジットカード会社は、小売店から決済手数料を徴収することで利益をあげています。
ただマスターカード社は、クレジットカード会社ではありません。
マスターカード社は、「ブランド」と「決済システム」をクレジットカード会社に提供している会社です。
ラグジュアリーカードは「ラグジュアリーカード社」が運営している
「マスターカードのラグジュアリーカード」は、アメリカのクレジットカード会社である「ラグジュアリーカード社」が運営しており、マスターカード社が運営しているわけではありません。
ラグジュアリーカード社の日本法人は「Black Card Ⅰ 株式会社」(本社・東京都千代田区)です。
ひと口に「マスターカード」といっても、年会費が有料だったり無料だったり、ポイントがついたりつかなかったりするのは、クレジットカード会社が異なるからです。
マスターカード社は複数のクレジットカード社と提携していて、それぞれのクレジットカード社は独自のサービスを提供したり、独自に年会費を設定したりすることができます。
ラグジュアリーカード社は、強気の年会費を設定し、その分、独自のサービスを手厚くしているわけです。
参考:https://www.luxurycard.co.jp/about
ラグジュアリーカードの特徴とは
ラグジュアリーカードの特徴と費用を紹介します。
年会費はチタン5万円、ブラック10万円、ゴールド20万円
ラグジュアリーカードには次の3種類があります。
項目 | チタンカード | ブラックカード | ゴールドカード |
---|---|---|---|
年会費(税別) | 5万円 | 10万円 | 20万円 |
キャッシュバック還元率 | 1% | 1.25% | 1.5% |
ギフト券還元率 | 2.2% | 2.75% | 3.3% |
ラグジュアリーカードを使うと、利用金額に応じて特典がもらえます。
その特典は、現金で受け取ること(キャッシュバック)もギフト券で受け取ることもできます。
ゴールドカードのキャッシュバック還元率は1.5%なので、ゴールドカードを使って年間13,333,333円の買い物をすると、約20万円のキャッシュバックを受けることができ、年会費20万円とほぼ同額になります。
そしてゴールドカードのギフト券還元率は3.3%なので、年間6,060,606円の買い物をすると、約20万円分のギフト券を得ることができます。
還元率以外の特典も魅力的
還元率だけを見ると、一般の生活者だけでなく、富裕層でも「年会費の元を取るのは難しそう」と感じるでしょう。
しかし、ラグジュアリーカードの魅力は、還元率以外にもあります。
コンシェルジュ・サービスは、24時間365日、世界のどこにいても、「人が」相談にのってくれます。自動音声が対応するわけではありません。
優待も豪華で、世界3,000の高級ホテルに泊まるとき、1回の滞在で55,000円分のサービスを無料で受けることができます。
国内の空港ラウンジはもちろん、東京国立近代美術館、国立西洋美術館、京都国立近代美術館、国立国際美術館、TOHOシネマズなどを無料で利用可能です。
国内の自宅から国内の空港に、荷物を宅配便で送るとき、3個まで無料になりますし、海外旅行傷害保険は、最高1億2,000万円となっています。
ラグジュアリーカードを持っていると、日常生活でもビジネスシーンでも「超富裕層」として扱ってもらえますので、ラグジュアリーカードの年会費はステータス料金といってもよいでしょう。
「ステータスを売る」という点においては、ラグジュアリーカード社は自信があるようで、もし、入会から半年以内に年会費を含めて50万円(税込)以上の支払いをして、満足できずに退会する場合は、支払った年会費を全額返金する、としています
ラグジュアリーカードの評価や口コミとは
ラグジュアリーカードは「よいカード」なのでしょうか、「そうでもないカード」なのでしょうか。
決済手段として考えるのであれば、わざわざ高い年会費を支払う必要はありませんので年会費無料のマスターカードで十分です。
つまり、ラグジュアリーカードの価値は、還元率と特典をどう評価するかによって変わってきます。
ラグジュアリーカードの口コミ
ラグジュアリーカードの公式ページに、年会費10万円のブラックカードを利用している経営者の方と税理士さんの評価が掲載されています。
世の中どこでもカードで支払えるなら、ラグジュアリーカード1枚で過ごしたいなと思ってます。
サービス内容だけじゃなく、カードそのものの品質も高いなと思います。
先輩の税理士さんから「開業したら自分で全部やらなきゃいけない。
接待の店を選ぶのに時間を使うのはもったいないし、それをやってくれる秘書が年間10万円で雇えるなら安いものじゃないか」と言われたことがきっかけでカードを持つようになりました。
5万円でも「最下位」、20万円では「分不相応」?
では、ラグジュアリーカードの欠点はなんでしょうか。
ラグジュアリーカードのビジネスモデルを概観すると、次のような感想を持つのではないでしょうか。
「チタンカードの年会費5万円なら無理すれば支払うことはできそうだが、ラグジュアリーカードのなかでは最下位になる。だからといってゴールドカードの年会費20万円はさすがに高すぎる」
チタンカードでも「れっきとしたラグジュアリーカード」ですが、格はゴールドよりブラックより劣ります。
せっかく5万円も支払っているのに「格下」の称号がついてくるのは一抹の寂しさがあります。
しかしゴールドカードの年会費20万円は、「普通の富裕層」でも高すぎるかもしれません。
またコスト面だけでなく、「普通の成功者」がゴールドカードを持っていると、顧客やクライアントから「分不相応」と思われるかもしれません。
チタンとゴールドの間には、年会費10万円のブラックカードがありますが、こちらも「中間」という位置づけなのでプレミアム感は薄まります。
費用対効果の価値を考えてみよう
起業家や野心家にとって、ラグジュアリーカードは1つの目標になるかもしれません。
「このカードに相応しいビジネスパーソンになる」という気持ちは、仕事のモチベーションを高めるでしょう。
ただ、見栄のためにラグジュアリーカードに入会することは、あまりおすすめできません。「カードに負けている」状態では、このカードの「真の特典」は得られそうにありません。
年5万円、または10万円、または20万円の価値があるかどうか、しっかり見極める必要があるでしょう。
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