フリーランスや個人事業主としてビジネス用に銀行口座を作ろうと思った場合、 ネット銀行(ネットバンク)を候補として挙げる方も多いでしょう。
ネットでの手続きが簡単、手数料が安い、入金の確認メールといったサービス面はもちろん、メガバンクと比べて口座を開設しやすいと考えられるのではないでしょうか。
今回はフリーランス、個人事業主が屋号で口座開設できるおすすめのネット銀行3選についてご紹介いたします。
目次
まずは銀行の口座を作る目的の確認
ネット銀行で口座を開設することは月額の口座維持費用もかかりませんし、特段デメリットも無いのですが、まずは銀行の口座を作る目的を確認しておくことがおすすめです。
個人事業主として銀行口座を作る目的として確認するべき代表的な項目は以下の3つです。
ネットだけで取引をするか、実店舗でも預け入れや振り込みを行いたいか
取引をネットだけで行うのであれば、手数料が安くて口座維持料も不要なネット銀行で口座を作りましょう。
ネットでの取引に自信がなくて実店舗での取引を中心に行いたい場合には、近くに店舗のあるメガバンクや店舗数の多いゆうちょ銀行も検討してみても良いでしょう。
ネット銀行を利用して引き出しや預け入れを行う場合には、提携しているATMから行うこととなります。
屋号を使うか個人名で口座を作るか
個人事業主の方の中にはお店をやっていたり、開業届の際に屋号を登録している場合も多いでしょう。
ネット銀行の中には屋号で口座開設できる銀行もありますので、屋号を使いたい場合には事前に確認しておくと便利です。
この記事では屋号で口座開設できるネット銀行のみをご紹介しております。
事業資金の出し入れだけか借り入れを行うか
事業資金の出し入れだけでしたらネット銀行だけでも十分です。
もし借り入れを行う予定がある場合にはネット銀行でも借り入れが可能なところもありますが、ネット銀行と一緒にメガバンクや地銀なども検討することをおすすめします。
ネット銀行の手数料比較一覧表
ネット銀行の特徴としてメガバンクなどと比べて手数料が安いことが挙げられますが、ネット銀行の中でも違いがありますので比較一覧表を見ていきましょう。
基本利用料はどこも無料ですが、同じ銀行で他の口座に振り込みをする場合と、違う銀行に振り込みをする場合で手数料に違いがあります。
なお、住信SBIネット銀行は個人事業主としての口座開設は行なっていないため、お申し込みができません。
銀行名 | 月額基本料 | 自行内 | 他行3万円未満 | 他行3万円以上 | 無料回数 |
---|---|---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 無料 | 145円 | 145円 | 無し |
PayPay銀行 | 無料 | 54円 | 172円 | 270円 | 最大5回 |
楽天銀行 | 無料 | 51円 | 165円 | 258円 | 無し |
この中ではGMOあおぞらネット銀行は同行同士の場合には振り込み手数料がかからないこと、他行宛ても一番手数料が安いことからコストメリットが見込めます。
ネット銀行の口座開設までの日数
ネット銀行の口座開設までにかかる日数ですが、ネットで申請を行ってから概ね1〜2週間程度を見込んでおきましょう。
口座開設の日数ではそこまで大きな違いは無さそうですが、GMOあおぞらネット銀行は1週間程度で届きました。
ただ、個人事業主として口座を開設するためには、先に個人口座を申し込んでからでないと申し込みが出来ないネット銀行が多いため、個人口座を持っていない場合には1週間程度長めに日数を見込んでおきましょう。
個人事業主におすすめのネット銀行の比較と違い
続いて代表的なネット銀行の特徴と違いについて見ていきましょう。
GMOあおぞらネット銀行での口座開設
参考 : GMOあおぞらネット銀行
GMOあおぞらネット銀行 は、IT企業のGMOインターネットグループとあおぞら銀行の合弁会社として2018年7月に誕生した新しいネット銀行です。
特徴としては、取引先ごとに入金専用口座を最大20まで設けられることで入金の消し込み作業が減ること、手数料が同行内では無料などネット銀行の中でも安いことが挙げられます。
もちろん屋号での口座登録も可能ですが、口座を開設するためには先に個人口座を開設しておく必要があります。
新しいネット銀行ということで、積極的に口座開設を行っていると予想されることもあって、今一番おすすめの銀行と言えるでしょう。
また、個人事業主向けのMastercardプラチナデビットカードが新しく登場しました。
最大でご利用金額の1.2%のキャッシュバックがあり、翌月に現金として自動で還元があります。
また、与信審査も不要のため、銀行口座開設と合わせて同時にお申し込みするのがおすすめです。
参考 : GMOあおぞらネット銀行の還元率最大1.2%デビットカード
1、確認書類
以下のAからCの中から1点を提出(半年以内の方は2点が必要)。
A、個人事業開業届出書、青色申告承認申請書、確定申告書、個人事業開始申告書
個人番号(マイナンバー)が記載されている場合には、個人番号部分を塗り消してから提出。
B、国税・地方税の納税証明書
C、飲食業や食品加工業等の営業許可証、古物商許可証などの各行政機関発行の許認可証
2、事業内容等が確認できる書類
ホームページのアドレス、事業案内のパンフレットやチラシ
無い場合には請求書、発注書、受注書、納品書等、各種契約書、企画書、提案書などでも可能です。
より詳細にGMOあおぞらネット銀行についてご確認したい方は、以下の記事もオススメです。
ネット銀行の中でもGMOあおぞらネット銀行が一番振込手数料が安いということも特徴です。
また、GMOあおぞらネット銀行は新しいネット銀行ということで、積極的に法人口座の開設を行っていると考えられます。
実は僕も会社設立の際にPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)で法人口座を申し込んだのですが、以下のように審査に落ちてしまいました。
当時はまだGMOあおぞらネット銀行が無かったために時期をずらしたということもありますが、GMOあおぞらネット銀行では法人口座の開設が出来たため、自分の経験上からも会社設立したてで審査にあまり自信がないという方にもおすすめの銀行となります。
PayPay銀行での口座開設
参考 : PayPay銀行
PayPay銀行の特徴としては上記のGMOあおぞらネット銀行と同様に、固定電話が必須ではありません。
もちろん固定電話があった方が信用度は増すものの、携帯電話しかない方にもおすすめのネット銀行です。
個人口座で利用している方も多く、周りではネット銀行の中で最も利用者が多いように感じています。
1、普通預金口座開設申込書
お申し込み住所は自宅の住所のみとなり、事業所の住所ではお申し込みができません。
2、本人確認資料
運転免許証、個人番号(マイナンバー)カード、パスポート、各種健康保険証、住民基本台帳カードのコピー、印鑑証明書、住民票の原本。
3、事業実態の確認書類
個人事業開業届出書(控)、青色申告承認申請書(控)、確定申告書(控)、国税または地方税の領収証または納税証明書、個人事業開始申告書(控)。
より詳細にPayPay銀行についてご確認したい方は、以下の記事もオススメです。
楽天銀行での口座開設
参考:楽天銀行
楽天銀行も個人口座で利用している方が多いネット銀行で、国内のネット銀行では最大の700万口座が開設されている大手です。
元々は2001年にイーバンク銀行として旧ジャパンネット銀行に次ぐ2番目のネット銀行としてスタートしました。
楽天銀行の個人事業主の口座開設を行うためにも、先に個人口座を開設してから個人事業主用の口座を開設する必要がありますので、既に個人口座をお持ちの方であれば早く利用することも可能です。
個人口座を申し込んでいる状態のため、以下のうちどちらか一点だけです。
個人事業開業届(受付印のあるもの)・・・コピー1部
個人事業開始申告書(受付印のあるもの)・・・コピー1部
ビジネス用の銀行口座開設完全ガイド
銀行の法人口座、個人事業主用のビジネス口座開設は年々審査が厳しくなっているのが実情です。
そのため、口座を開設するためには銀行口座開設の目的と事前準備をしっかりと確認しておき、戦略的に行うことがおすすめです。
実際に私が法人口座を開設した経験を踏まえて参考になりそうな記事をまとめてみましたので、ご関心ありましたら参照いただければと思います。
ITフリーランス向けのクレジットカード、テックビズカードが登場
引用:テックビズカード
テックビズカードは株式会社NKC ASIAが発行しているクレジットカードです。
ITフリーランスに特化したビジネスゴールドカードで、ビジネスカード分野ではトップクラスの還元率最大1.1%となっています。
年会費は初年度無料、次年度以降も2,000円(税抜)とお手頃になっており、 ITフリーランスの活動をサポートする特典を数多く取り揃えていることから注目が集まっています。
普段使いの口座とは別の口座を持っておくと便利に
ネット銀行は口座維持費用が不要ですので、複数口座申し込んでみても良いかもしれません。
個人事業主としてネット銀行の口座開設をするには個人口座の開設が必要なため、少し余裕を持って準備しておくことがおすすめです。
屋号もつけた方がビジネス口座っぽくなりますので、個人名義ではなく屋号で利用してみましょう。
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