動画は自分で視聴するだけではなく、オウンドメディアやSNSなど様々な媒体で配信することも増えてきているのではないでしょうか。
動画を配信するためには動画ファイルをエンコードする必要があると聞いたこともある方も多いはずです。
今回は動画ファイルの仕組みと動画のエンコードの意味についてご紹介いたします。
目次
まずは動画ファイルを知る
エンコードを理解するためには動画ファイルについて知っておいた方がわかりやすいため解説します。
動画ファイルは映像と音声で構成
実は動画ファイルは映像データと音声データが組み合わさって構成されています。
例えばYouTubeにはmp3などの音声データだけでは動画の登録が出来ませんので、同じ画像がずっと固定で音声だけ流れてるいものを見たことがあるかもしれません。
動画は画像の集まり
動画は1秒間に数十枚もの画像を表示するデータ処理をしており、画像や音声データと比べてデータ量が大きくなります。
細かく分解するとパラパラ漫画のように画像を高速で切り替えながら動いているように見せています。
この画像の数のことをフレームレート(fps)と呼び、例えば動画1秒間に30コマが含まれている場合には30fpsという表記です。
動画には複数のファイル形式がある
動画にはいろいろなファイルの形式があります。
インターネット上で利用するための動画ファイル形式には、
- .mp4
- .mov
- .avi
- .wmv
- .flv
- .mpeg
- .3gp
などがあります。
映像データと音声データをまとめるものがコンテナ
映像データと音声データはコンテナと呼ばれているものにまとめられており、動画ファイルと呼ばれます。
動画ファイルのエンコード入門
動画ファイルについて確認しましたので、動画ファイルのエンコードについて見ていきましょう。
元々エンコードとは動画に限った専門用語ではなく、コンピュータのデータなど様々な場面で利用されてきました。
エンコードとはデータや情報を一定の規則に従って、圧縮や暗号化を含むデータに置き換えて記録・変換することを表す単語です。
動画ファイルのエンコードとは、映像データと音声データを圧縮してインターネットなどで視聴できる動画の仕様に変換することとして一般的に使われています。
エンコードを行うことによってPC、スマホ、タブレットなど様々な端末から視聴が可能になると言えるでしょう。
ネットでの動画配信にエンコードが必要となる理由
動画ファイルにエンコードが必要となる理由について見ていきましょう。
動画データには多くのファイルの種類・形式が存在します。
PCやスマートフォンで再生する場合には視聴環境に合わせた動画形式でなければ再生ができません。
また、ビデオカメラなどで撮影した動画をネット上で配信する際に撮影したデータのままですと、ファイルサイズが大きすぎて配信に向かない場合が多いです。
例えばテレビで流しているような4K動画を撮影してもネット上では配信が難しく、視聴側も見ることができません。
ネット上で動画を配信する際には元動画データをそのまま使用するのではなく、ネットで視聴できる動画形式に変換する作業と動画データを圧縮する作業が必要となり、これがエンコードになります。
ネットの動画配信でエンコードを行う際のポイント
ネットの動画配信でエンコードを行う際のポイントについて見ていきましょう。
動画のデータ量が極力小さい方が良い理由
ネットで動画配信を行う際には動画のデータ量は極力小さい方が良いです。
その理由としては、
- 動画が止まったりカクついて視聴しにくくならないようにするため
- 動画の視聴時になるべく少ないデータ通信量にするため
- 動画ファイルの保存量を減らすため
- 動画を配信するためのサーバーや通信負荷を少なくするため
- MPEG-4
- MPEG-2
- H.265
- H.264
といったことが挙げられます。
動画視聴をする際に動画ファイルが大きくてデータが重いと途中で止まってしまうこともありますし、スマホのデータ利用量に制限がかかってしまうこともあって好ましくありません。
また、重い動画ファイルを社員向けなど社内での同時アクセスして閲覧する場合には、同じネット回線を利用している他社員の方のアクセス遅延が起こる場合なども考えられます。
動画エンコードの仕組みとコーデックとは
動画は映像データと音声データから構成されているとご紹介しましたが、映像データと音声データをコンパクトにする処理が動画ファイルのエンコード(圧縮作業)です。
動画ファイルをエンコードする際のデータ方式は動画コーデックと呼ばれています。
インターネット上で利用するための動画のコーデックには、
などがあります。
コーデックの種類によって圧縮率や用途が異なり、例えば地上デジタルやBS、CS放送などはMPEG-2の映像方式と音声方式を利用しています。
動画エンコードの種類とは
エンコードには大きく分けてソフトウェアエンコードとハードウェアエンコードがあります。
ソフトウェアエンコード
ソフトウェアエンコードとは、コンピューターのソフトウェアを利用してエンコードをする方法です。
エンコーダーとしてはAdobeの動画編集ソフトに対応したAdobe Media Encoderなどが有名です。
ソフトウェアの設定を変更したり、他に気に入ったものがあれば切り替えたりすることで様々な形式のエンコードに対応することが可能な点が優れています。
また、ソフトウェアはハードウェアと比べると比較的お手頃価格で手に入れることが可能です。
デメリットとしては使用するPCのCPUなどのスペックに応じて処理速度が遅くなるケースがあります。
ハードウェアエンコード
ハードウェアエンコードは特定のエンコード処理に特化したハードウェアを用いてエンコードする方法です。
メリットとしては、CPUに負荷がかからないためPCの性能にあまり左右されないという点でしょう。
デメリットとしてはソフトウェアエンコードと比べて、エンコーダが高額であるという点です。
また、設計時に組み込まれたデータ形式にのみ対応していることが多く、後から他の形式に対応することが出来ない点も挙げられます。
ハードウェアエンコードはデジタル家電などの機器に用いられることが多いです。
ハードウェアエンコードのエンコーダが少数しかない状態で壊れてしまった場合には代替手法を探すのに時間がかかってしまう場合もあります。
エンコードを簡単に行う方法とは
動画ファイルをエンコードするのには比較的時間と手間がかかってしまいます。
元動画のファイルサイズや動画コーデックの種類にもよりますが、ネットでの動画利用の場合にはYouTubeなどの無料動画サイトをはじめ、法人向け動画配信システムにはエンコード機能が備わっており、配信から管理まで簡単に出来るものもありますので利用すると便利です。
なるべく手間を削減できるようなサービスを利用するのも一つの方法だと思います。
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