法人向け動画配信プラットフォームとYouTubeの違い、メリット・デメリットについて

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法人向け動画配信プラットフォームとYouTubeの違い、メリットについて

近年では個人だけではなく法人でもネット動画を利用することが増えてきました。

ネット動画を利用するためには動画制作はもちろん、作った動画を視聴者に届けるためには動画配信プラットフォームを利用するのが一般的です。

動画配信のプラットフォームとして一番有名なのはYouTubeで、動画広告として配信しなければ無料で利用できるというメリットもあります。

多くの企業がYouTubeを使って配信を行っており、YouTubeチャンネルを持っている企業も増えてきました。

一方でYouTubeではなく有料の動画配信プラットフォームを利用する企業も数多く存在します。

今回は法人向け動画配信プラットフォームとYouTubeの違い、メリットについてご紹介致します。

ネットでの動画配信に必要な動画配信プラットフォームについて

ネットで動画を配信するためには作った動画を手元に置いておくだけでは視聴者に届けることはできません。

作った動画を動画用のサーバにアップロードをしておき、視聴者がアクセスできるようにする必要があります。

そのために一般的に広く使われているのが動画配信プラットフォームや動画配信システムと呼ばれているものです。

動画配信プラットフォームの主な機能

動画配信プラットフォームの主な機能について見ていきましょう。

  1. 動画ファイルのアップロード、管理機能
  2. 動画ファイルを端末に応じた形式にエンコードする機能
  3. 動画を保存するためのサーバ機能
  4. 大規模配信の負荷分散を行うCDN
  5. 動画を再生するための動画プレイヤー機能
  6. ライブ配信機能
  7. 広告機能
  8. 動画の分析機能

などがあります。

動画配信プラットフォームには大きく分けて以下の2つがあります。

YouTubeのような無料の動画配信プラットフォーム

動画配信プラットフォームと聞いて一番最初に思いつくのがYouTubeでしょう。

YouTube以外にもInstagramやFacebook、TwitterなどSNSに含まれる機能として動画配信を行う場合などもあります。

法人がYouTubeチャンネルを作成して自社のビジネスに活用したり、Twitterのように短い動画を上手く使って拡散に成功しているケースもあります。

企業向けの有料動画配信プラットフォーム

企業向けに特化した動画配信機能を持つ有料動画配信プラットフォームを利用する方法です。

有料課金配信や会員制動画配信などが利用出来るサービスもあり、独自配信をすることができます。

法人向けですので有料での提供が多いです。

YouTubeは全世界の月間利用者数が20億人と企業がプロモーションで活用するには非常に有効なプラットフォームと言えるでしょう。

一方で、会員限定のファンサイトや購入者限定の有料動画、社員限定のクローズドな動画配信などに活用するため、有料動画配信プラットフォームの利用も年々増えています。

YouTubeのメリット

YouTubeのメリット

ここからは企業がYouTubeを利用するメリットについて見ていきましょう。なお、YouTube以外のSNSでもほぼ同じになります。

無料で利用ができる

YouTubeの一番のメリットは無料ですぐに利用開始できるところです。

アカウントを開設すればすぐに動画をアップできて誰でも無料で動画配信ができます。

プラットフォームに多くのユーザーがいる

YouTubeの月間利用者数は20億人、その他のSNSでも非常に多くの利用者がいるためうまく取り込むことができれば無料で高い効果を得ることも可能と言えるでしょう。

自前の動画プラットフォームで0からユーザーを集めるのとはスタートダッシュが大きく違うとも言えます。

拡散性がある

動画コンテンツをうまく拡散することができれば多くのユーザーへ訴求することが可能です。

YouTubeはワンクリックで色々なサービスへ拡散できる拡散性に非常に優れていますし、他の動画を見た際におすすめ関連動画として表示されることもあり、視聴回数の増加に期待ができます。

広告収入が見込める

YouTubeでは一定以上の登録者数や動画本数があれば動画広告を入れることができます。

YouTuberの多くは再生回数に応じた動画広告やスポンサーとのタイアップ動画で収益を得ていることから、企業でも同様のことが行えます。

SEOの効果

SEOの効果

YouTubeはGoogleのグループ会社ということもあり、検索でYouTubeの動画が上位に表示されることも多くなっています。

例えば「Youtube 始め方」といった検索をすると記事よりも先にYouTube動画が表示されました。

動画広告でユーザーへの訴求ができる

企業の場合には動画の効果を高めるために有料にはなりますが、動画広告をYouTube動画の始まる前や途中などに挿入してプロモーションを行うことも可能です。

YouTubeのデメリット

続いて企業がYouTubeを利用する際のデメリットについても見ていきましょう。

動画のコピーや保存が簡単にできてしまう

YouTubeはユーザーが多いこともあり、YouTube動画のコピーや保存が簡単にできるサービスやサイトなどが多数あります。

企業としてコピーや保存が出来ても良いコンテンツであれば問題ありませんが、望ましくないコンテンツの動画配信を検討している場合には向かない可能性があります。

視聴制限や限定公開にあまり向いていない

YouTubeには限定公開や非公開機能がありますが、IDとパスワードなどによる制限を行う訳ではありません。

YouTubeの限定公開と非公開機能

限定公開:動画のURLを知っている人のみが見れますが、仮にURLが知れ渡った場合には見られてしまいます。

非公開:指定のGoogleアカウントを持っているユーザーのみが動画を見ることが出来る仕組みですが、ユーザーの数が多いと管理を行うのに手間がかかりがちです。

社内だけの情報を含んだコンテンツや会員限定の特典動画などはYouTubeでの配信は向いていません。

ちなみにYouTubeでも課金配信の機能がありましたが、有料コンテンツ機能は2018年1月1日に廃止されました。

代わりにSuper ChatやYouTube Premiumなど、動画配信者がコンテンツを収益化するための機能やサービスはあります。

参考:YouTubeヘルプ

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企業によってはセキュリティの関係で視聴できない場合がある

YouTubeが一般的になってきたとは言え、企業によってはセキュリティーポリシー上、社内PCやスマホからYouTubeのようなサイトを視聴できないように制限をかけている場合があります。

上記のメリット、デメリットからYouTubeに代表される無料動画配信プラットフォームは、コストをかけずに1人でも多くの視聴者を獲得する、動画を活用したマーケティング目的にオススメと言えるでしょう。

有料動画配信プラットフォームのメリット

有料動画配信プラットフォームのメリット

続いて企業が有料の動画配信プラットフォームを利用するメリットについて見ていきましょう。

セキュリティが高い

企業向けの動画配信プラットフォームはYouTubeと比べてセキュリティが高いメリットがあります。

例えばストリーミング配信や暗号化配信、DRMのような配信技術上のセキュリティの他に、IP制限などを行うことができるサービスもあります。

しっかりとしたコンテンツや機密性の高いコンテンツを作っているほど、不正ダウンロードなどへの対策を考える必要があります。

ただ、web上での動画配信では100%セキュリティを担保するというのは難しいですので、あくまでもセキュリティレベルを高められるという認識の方が良いでしょう。

視聴者の制限やコントロールができる

社内などの限定的に公開するための視聴制限や会員限定サイトへの動画配信を行うことができます。

上記のセキュリティが高いことと合わせて組み合わせることができるのが有料動画配信プラットフォームの特徴と言えます。

動画の販売ができる

企業向けの有料動画配信プラットフォームには課金決済機能がついているサービスもあります。

1本あたりいくらや月額いくらといったような形で動画の販売に利用が可能です。

カスタマイズ性

APIが公開されているサービスの場合、誰がいつどの動画を見たのかといったユーザー情報を別のサービスなどに紐付けることも可能となります。

広告を任意の時間・場所に配置することが可能なサービスもあります。

サポートの充実

法人向けサービスでは利用方法の相談などサポート体制が充実している場合が多いです。

また、最近では顧客が多い運営会社の場合など、カスタマーサクセス部門をはじめとした企業の動画利用におけるアドバイスをしてくれるケースもあります。

無料で対応してくれることもありますが、内容によっては有料となる場合もありますので気になる方は確認をしてみましょう。

有料動画配信プラットフォームのデメリット

有料動画配信プラットフォームのデメリットについても見ていきましょう。

費用がかかる

有料動画配信プラットフォームを利用するには費用がかかります。

費用は従量制、固定制、従量制+固定制といった形態があり、利用前にどの程度費用がかかるかサービスサイトや提供している企業に確認しておきましょう。

拡散性とユーザー獲得が難しい

YouTubeには既に多数のユーザーがいますが、自社で動画サイトを作成した場合には新しくユーザーを自分たちで集めなくてはなりません。

既に別サービスや既存顧客が多い場合もあるものの、集客を行うのに苦戦している企業は多く見受けられます。

配信が不安定なサービスもある

企業向けの有料動画配信プラットフォームにも色々なサービスがあり、会社によっては動画の配信が不安定なサービスもあるようです。

運営会社や実績などをしっかり確認して安心できるサービスを使うことを意識しましょう。

法人向け有料動画配信システムの選定ポイントと比較まとめ一覧について詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです。

有料動画配信システム の 選定 ポイント と 比較 まとめ一覧について

【元業界人が解説】法人向け動画配信システムの選定ポイントと比較まとめ

2019年1月3日

YouTubeと有料動画配信プラットフォームは目的によって使い分けを

YouTubeと有料動画配信プラットフォームのメリット、デメリットを見ていきましたが、それぞれの良さや向き不向きがあります。

視聴ユーザーを指定せずに広く拡散したい場合にはYouTubeの利用が合っていると思いますし、セキュリティを高めたい場合や配信先をコントロールしたクローズドな配信、動画販売の場合には有料動画配信プラットフォームの利用が適しているでしょう。

YouTubeと有料動画配信プラットフォームは目的によって使い分けている企業も多く、併用している場合も見受けられます。

無料で利用できる範囲にはYouTubeを利用して、それ以外の用途で利用したい場合には有料動画配信プラットフォームを使うといったことも検討してみても良いと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月株式会社Milkyways設立、代表取締役CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はダンスとラーメン。