中小企業の経理・決算や個人事業主の確定申告を行う際に、業務を効率化するため会計ソフトを利用している場合が多いと思います。
会計ソフトには様々な種類がありますが代表的なものがfreee(フリー)とマネーフォワードクラウド会計です。
今回は私が両方を使用した感想を踏まえて、クラウド会計ソフトfreee(フリー)の特徴、費用、使い方についてご紹介いたします。
目次
クラウド会計ソフトfreee(フリー)とは
freeeはクラウド上で企業の経理や会計業務を自動化・効率化・簡易化することができる会計ソフトです。
従来の会計ソフトと異なり、簿記の知識がない人でも直感的に操作できるデザイン性やAIなどを活用して、複雑で面倒な業務を自動化するなど利便性の高いサービスとして事業を拡大しています。
既に100万以上もの事業所で利用されており、認定アドバイザーと呼ばれる会計事務所は7,900以上も登録されています。
「簿記の知識がなくても会計処理をしたい」、「人件費を削減したい」、「手軽に売上・利益を確認したい」などの悩みを持った方に重宝されているサービスと言えるでしょう。
freee株式会社について
参考:freee株式会社
freeeを提供しているのはサービスと同じ社名のfreee株式会社です。
2012年7月に設立されて以来会計サービスの提供を続けています。
代表者の佐々木大輔CEOは博報堂、投資ファンドCLSAキャピタルパートナーズのアナリスト、レコメンドエンジンのALBERTにてCFO、Googleでマーケティングを行った経歴をお持ちの方のようです。
テクノロジーとビジネスの知見を両方持っていると思われます。
他の取締役の方などの経歴を見ても外資系コンサルや大企業出身の方が多い印象を受けます。
2019年12月に東証マザーズに上場しており、売上が伸びているものの広告宣伝費や開発の人件費などに投資をしていることもあって、まだ営業赤字の状況です。
ちなみにマネーフォワードクラウド会計を提供している株式会社マネーフォワードも2017年9月に東証マザーズに上場していますが同じく営業赤字になっています。
時価総額はfreee株式会社の方が1.5倍ほど高く、市場からの評価も高いと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | freee株式会社 |
設立 | 2012年7月 |
代表者 | 佐々木 大輔 |
住所 | 東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル 9F |
従業員数 | 506名(2019年6月末時点) |
freeeの特長
多くの企業や個人事業主に利用されているfreeeの特長について見ていきましょう。
クラウド環境で利用可能
freeeはクラウド環境で利用することができるため、インターネットがあればスマホやパソコンを通じてどこからでもアクセス可能です。
端末に会計ソフトのインストールが不要なため、複数の社員が作業するのはもちろん、税理士さんとのやり取りもスムーズに出来るのが大きなメリットになります。
税理士さんもfreeeやマネーフォワードクラウド会計を使っている顧客が多いことから、利用に慣れていることも多いです。
また、会計ソフトの買い替えや更新作業、システムメンテナンスをする必要はなく、機能の追加やバージョンアップなども随時行ってくれるため最新の環境で利用ができます。
経理の自動化で工数削減
経理を自動化できるため、工数の削減に繋げることができます。
例えば法人カードや銀行口座と連携しておくことで、利用した金額と費目がfreeeに自動で登録されるため手動で取り込む手間が削減できます。
一度登録した仕分けはfreeeが記憶してくれますので、次回以降自動で振り分けも可能です。
日々の経理業務を行っているだけで損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフローなどが自動で作成されるため、決算を行う際にも手間を削減することに繋がるでしょう。
業務全体の作業効率化
freeeでは会計業務の自動化に加え、今まで莫大な時間を費やしていた請求書発行、経費精算、入金管理、支払管理など経理に関わる業務を会計フリーに一元管理できるため作業の短縮・効率化を図ることができます。
さらに、従業員数20名以下の法人への調査では、会計フリーを導入した結果、8割が「会計業務の時間を1/2に削減できた」と回答しており、会計業務において大幅に改善できる可能性が高いと言えるでしょう。
経営状況を可視化
freeeは事業部や店舗、取引先ごとの売上や費用の推移の確認、営業担当別・プロジェクト別の終始内訳、財務諸表の比較などのグラフや数字で可視化されたデータを自動生成されたレポートから分析・把握することができます。
そのため、スマホやパソコンを開けば毎月どの事業部がどれだけの収支があるのかなどの経営状況をいつでもどこでも簡単に把握することができます。
freeeのプラン別の費用
freeeではミニマムプラン、ベーシックプラン、プロフェッショナルプランが用意されていますが、プラン別の費用は以下の通りです。
項目 | ミニマムプラン | ベーシックプラン | プロフェッショナルプラン |
---|---|---|---|
年払い(税別) | 23,760円 | 47,760円 | 477,600円 |
月払い(税別) | 2,380円 | 4,780円 | 47,760円 |
アカウント数 | 上限は3名まで | 上限は3名まで (4名以上も追加可能) | 上限は10名まで (10名以上も追加可能) |
サポート | チャット、メール | チャット、メール、電話 | チャット、メール、電話 |
機能 | ・決算書作成機能 ・支払/入金の管理機能 ・納品書/請求書/見積書の作成機能 ・記帳機能 | ・ミニマムプランに含まれているすべての機能 ・ワンクリックでの振込機能 ・会社員の経費精算機能 ・請求書の一括請求/定期請求機能 | ・ベーシックプランに含まれているすべての機能 ・プロジェクトの会計機能 ・申請経路の設定機能 ・予実管理機能 ・部門設定(5階層まで) |
特に充実したプランであるプロフェッショナルプランは、店舗別・部門別・プロジェクト別に企業の「予算」や「実績」をすぐに確認することができ、その優れた機能性・利便性から現在では野村ホールディングス、KDDI、GMOペパボ、ラクスル、ウォンテッドリー、コニカミノルタなどの有名企業も続々と導入しています。
マネーフォワードクラウド会計の違いとして予実管理の機能と使いやすさでfreeeを選んでいる会社も周りでは結構ありました。
また、SalesforceやKintoneとも連携が可能ですので、営業担当が入金状況などを経理に確認する手間を削減できたり、部署間のデータの分散、情報の不一致など従来の業務フローで発生していたミスも防ぐことができます。
freeeの使い方
freeeの使い方について見ていきましょう。
初期設定
freeeを使い始める前にまずは以下の手順で初期設定を行います。
- メールアドレス・パスワード・事業所名・電話番号を登録する
- 料金プランを選択する
- お支払いのクレジットカード情報、銀行の開始残高を登録する
これで初期設定が完了します。まずは無料お試しが出来ますので使い勝手などを必ず確かめるようにしましょう。
仕分け情報の取り込み
初期設定が終わりましたら仕分け情報の取り込みを行います。
もちろん、クレジットカードや銀行口座の利用明細はWebサービスやインターネットバンキングを通じて自動的に同期が可能です。
自動連携は作業時間の短縮だけではなく、ミスの削減にもなりますので必ず行いましょう。
また、請求書やレシートなどの書類はスキャナやアプリを使用してデータを読み取り、freeeに反映させることもできます。
取引の記録
取り込んだ請求書や利用明細などを元に日々の取引データをfreeeに記録していきます。
この際、資金移動は「口座振替」、収入・支出は「取引」として登録を行います。
決算・確定申告
1年間の仕分けが完了すれば集計結果を元に確定申告書や決算書などを作成していきます。
法人版を利用している場合、決算書を簡単に作成できるのに加え、申告freeeに連携することも可能です。
会計フリーの目的別の使い方に関しては動画・セミナーで視聴することもできますので、具体的に理解を深めたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
・クラウド会計ソフトfreee(フリー)は確定申告や経理業務を自動化・効率化するサービスであり、業務負担の軽減や人件費の削減、経営の可視化などの価値を企業へ提供している。
・freeeの特徴は「クラウド環境で利用可能」「経理の自動化で人件費削減」「業務全体の作業効率化」「経営状況を可視化」の4つである。
・freeeに登録している事業者は100万以上、認定アドバイザーの会計事務所は7,900以上登録されている。
・会計フリーのプロフェッショナルプランは野村ホールディングス、コニカミノルタ、GMOペパボ、KDDIなどの有名企業に導入されている
会計ソフトfreeeを利用すれば、会計業務の手間が減るだけではなく経営の可視化から人件費の削減など事業経営に関わる様々な恩恵を受けることができます。
現在、freeeの導入を検討されている事業者の方は、まずは無料で試してみるところから始めてみてはどうでしょうか。
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