合同会社を設立して1年が経ち、人材紹介の免許を取ろうと思い資本金を増資することに。
勉強がてらと合わせて、できればお金を節約したいなということで、今回は自分一人で増資書類を作って手続きを行ってみることにしました。
事前にネットで調べてから書類を作っていったものの、株式会社とは書類の種類が違うため結局必要な書類と不要な書類が出てしまいました。
今回は必要書類の雛形とともに、合同会社の資本金増資を自分一人で簡単に行う方法についてご紹介いたします。
目次
資本金の増資には登録免許税のお金がかかる
増資を行う前に知っておいた方が良いこととして増資にはお金がかかります。
これは合同会社だけではなく株式会社でも同様です。
法務局の方で定款の資本金額変更に関する手続きを行うための手数料と理解しておけば良いでしょう。
今後会社設立を考えている方には増資の費用をかからなくするためにも、予め増資予定があれば無理の無い範囲内で資本金を入れておくことをお勧めします。
会社設立時には資本金の違いによって費用が異なることはありませんので、その分費用を節約できることになるからです。
合同会社 の 増資 にかかる 費用 の内訳
合同会社の増資にかかる費用の内訳を見ていきましょう。
実は増資と一口で言っても既に出資を行っている出資者(合同会社の場合には既存株主ではなく既存社員と呼びます)が増資を行う場合と、新しい出資者(新しい社員)を増やして増資を行う場合で少し異なります。
1、既存社員による増資手続き費用
増資にかかる費用は「登録免許税3万円」と「増資金額の1000分の7(0.7%)」のうち高い方が選ばれます。
400万円以下の増資であれば3万円が選択されますし、例えばそれ以上の1,000万円だと7万円となります。
100円未満の端数は切り捨てとなり、国への支払いのため消費税はかかりません。
2、新規社員加入による増資手続き費用
増資にかかる費用は上述の「登録免許税3万円」と「増資金額の1000分の7(0.7%)」のうち高い方に加えて、登録免許税1万円(資本金1億円未満の場合)が発生します。
増資手続は司法書士さんなどにお願いすることも多いですが、概ね3万円以上はかかりますので、自分でやる余裕があれば以下の雛形を元にご自身でやってみても良いでしょう。
資料を作る手間と法務局に行く時間がかかってしまいますが、実質数時間で終わるので休みの日に作成してしまっても良いかもしれません。
合同会社の増資手続きに必要な書類とは
実際に合同会社の増資手続で必要な書類について見ていきましょう。
書類は全部で4つあれば大丈夫です。
- 合同会社の資本金の額の変更の登記申請書
- 出資の価額を増加した定款の変更に係る総社員の同意書
- 出資に係る払込み又は給付があったことを証する書面
- 増加すべき資本金の額につき業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面
なお、私は東京都渋谷区で手続を行いましたが、地域によって多少違いがあるかもしれませんので、届け出の際には念のため職員の方などに確認することをお勧めいたします。
合同会社の資本金の額の変更の登記申請書
最初に合同会社の資本金の額の変更の登記申請書を確認して作成いたしましょう。
こちらは法務局のサイトにあり、記載例のPDFと実際に使うwordのファイルが用意されています。
参考:合同会社の資本金の額の変更の登記申請書【H30.2.28更新】
参考:法務局 合同会社の資本金の額の変更の登記申請書word
中身を見てみると他にも必要な書類が紹介されておりますので、最初に確認するのがおすすめです。
既存社員が出資して増資を行う場合には、
1.登記の事由 資本金の額の変更
1.登記すべき事項 「原因年月日」平成〇〇年〇月〇〇日
という記載を行えばわざわざオンラインやCD-Rで変更した定款を用意しなくても大丈夫でした。
出資の価額を増加した定款の変更に係る総社員の同意書
続いては出資の価額を増加した定款の変更に係る総社員の同意書というものを作成します。
会社の定款に出資金を記載していると思いますので、そこの部分を変更することに同意するという内容です。
雛形の中身を一部変更すればそのまま利用できるでしょう。
出資に係る払込み又は給付があったことを証する書面
ちゃんと出資金が振り込まれているかを確認する書面です。
作り方は会社設立時の資本金を確認するのと同様に、
- 下記の雛形
- 通帳の表紙の印刷
- 通帳を1枚めくった口座番号、支店名がわかる部分の印刷
- 振込が確認できる箇所の印刷
- 業務執行社員の決定書
- 資本金の計上証明書
をセットでホチキス留めしましょう。
増加すべき資本金の額につき業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面
最後に社員が増資に賛成することを証明する書類を作りましょう。
雛形の一部分を自社のものに変更すればそのまま使えると思います。
剰余金を資本金へ組み入れることは可能か
合同会社には資本準備金・利益準備金がありません。
金銭出資、現物出資に関わらず出資された額のうち、資本金として計上しなかった額は全て資本剰余金となります。
資本剰余金であれば資本金へ組み入れることは可能ですが、利益剰余金は資本金へ組み入れることができません(会社計算規則第30条)ので注意しましょう。
資本金への組み入れは上述の様に新しく出資がされるわけではなく純資産の部の組み換えになりますので、定款に定めのない限り業務執行社員の決定だけで行うことができます。
合同会社が資本剰余金を資本金へ組み入れるために必要な登記申請書類は、
となっています。
増資 手続 は簡単なので余裕があればやってみましょう
合同会社の増資手続きは比較的簡単ですので、時間的にも余裕があれば自社でやってみてはいかがでしょうか。
もちろん外注すれば手間もかかりませんが、数万円程度はかかってしまいますのでこのページの雛形を元にやってみても良いでしょう。
もし難しそうだったり工数を取られるのを本業に使いたいということであれば、専門家に直接お悩みをご相談できるサポートサービスもあります。
知り合いからの紹介も効果的ですが、たくさんの税理士さんが登録してある税理士ドットコムに登録して無料相談してみるのもおすすめです。
不備があれば連絡が来るようですが問題なければ概ね数日程度で増資手続きが完了します。
なお、増資にかかった印紙代の費用は租税公課の勘定科目で仕訳しておきましょう。
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