外資系人事コンサルタントがおすすめする人材・組織マネジメントに関する本、教科書

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人事系外資コンサルタントがおすすめする人材・組織マネジメントに関する本、教科書13選

先行き不透明なVUCA(ブーカ)時代といわれる今日では企業における人材(タレント)への関心は一層高まっています。

経営資源において最も重要であると言われるヒトという人的資源をいかに最大限活用できるか、そのための組織・人材マネジメントの基盤を整えることは、各企業において喫緊の課題とも言えるでしょう。

今回は、外資系人事コンサルタントがおすすめする人材・組織マネジメントに関する本、教科書13選をご紹介いたします。

人材・組織マネジメントに関する本、教科書について

経営層や人事部門に人気があるのが人材・組織マネジメントです。

経営を円滑に行っていくには、経営戦略と同じくらい自社の人的リソースを最大限活用するために組織論が重要であると言えます。

  1. 中期経営計画で、人事戦略の策定に関わる
  2. 人事制度やグローバル人材マネジメントの整備に関わる
  3. ビジネスリテラシーの一環として、人材・組織マネジメントに関する知見を得ておきたい

といった方に特におすすめの本となっています。

どちらかというと前半5冊は経営者や管理職の方向け、後半8冊は人事担当者の方向けにもおすすめの本です。

人を動かす 新装版 デール・カーネギー

あらゆる自己啓発書の原点となったとも言われているデール・カーネギー不朽の名著です。

マネジメントや組織論として技術的に難しいことが書かれているわけではなく、普段の人付き合いにも通じるところがあることが書かれていますが、タメになる内容だと思います。

1936年の初版刊行以来、改訂が施されながら現代でも読み続けられているということは、それだけ良本であると言えるでしょう。

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【新版】組織行動のマネジメント スティーブン P.ロビンス

組織論の中で世界で最も有名な本として取り上げられることが多いのが、【新版】組織行動のマネジメントです。

組織行動学は普通に働いているとあまり馴染みのない言葉ですが、マネジメント層や人事部門ならおさえておきたい学問です。

この分野においては本書以外日本語で書かれている良書を私自身知りません。

幅広い分野について1冊でまとめられており、さらに興味関心がある方には英語版の原著である「Essentials of Organizational Behavior」を一読するのもおすすめです。

隠れた人材価値 チャールズ・オライリー&ジェフリー・フェファー

Harvard Business School Pressが刊行するこの本は、高業績をあげ続けている企業をケースとして詳細に紹介しており、これらの企業に共通する成功の鍵を明らかにしようという意図で書かれています。

実際に取り上げられている企業は、サウスウエスト航空、シスコシステムズ、メンズ・ウェアハウス、SASインスティテュート、PSSワールド・メディカル、AES、NUMMI、サイプレス・セミコンダクターの8社です。

これらの企業は、現在いるすべての社員の隠れたモチベーション(意欲、やる気)をあげ、彼らの才能を最大限引き出すことに注力したと述べられています。

人材価値をどう捉えるか、ということについて思考を深めたい方はぜひ一読したい本です。

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【新装版】個を活かす企業 クリストファーA.バートレット&スマントラ・ゴシャール

この本では、「新世代の企業モデルと組織形態のパラメーターは何か」、「新しいモデルへと進化する過程でマネジメントが直面するチャレンジとは何か」という2つの問いについて、キヤノン、3M、花王、GE、マッキンゼーなどを事例としてみながら、解説がなされています。

具体的には、社員一人ひとりが、自律的に、主体性をもって創意工夫に取り組むような組織を目指すことが提唱されています。

読後は、人事制度といったハード面だけでなく、社員の能力や意識、組織が価値を生み出す協働のプロセスといったソフト面においても競争優位性を築くことが大切であると気づかされるはずです。

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MBAの人材戦略 デイビッド・ウルリッチ

人事部門が果たすべき役割として、①戦略パートナー(HRBP)、②管理エキスパート、③従業員チャンピオン、④変革エージェントの4つの分類を提唱しています。

その中で、人事は、単に個人や組織に焦点をあてたオペレーショナルな業務に留まるのではなく、経営・事業に価値をもたらす(人材面で経営・事業の成功を牽引する)ための業務を行う戦略人事の重要性を説いています。

古い本ですが人事担当者であれば、必ず読んでおかなければならない本とも言われています。

欧米では非常に有名な本であること、またGEをはじめとした多くの外資系企業が、ウルリッチの上記の概念に基づいて人事組織を変革したこともあり、インターネット上の色々な媒体で解説がなされていますので、手始めにそうしたサイトで理解を得てから読んでみても良いでしょう。

英語が得意な方であれば原著のHuman Resource Champions: The Next Agenda for Adding Value and Delivering Resultsで読んでみても良いと思います。

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採用基準 伊賀泰代

会社の規模に限らずどこの会社でも優秀な人材を採用したいという思いが強いのではないでしょうか。

優秀な人材の定義は会社によって多少違うものの、日本のマッキンゼーで長年採用に携わってきた著者は「リーダシップ」が重要であると定義しています。

本書は採用のための本というよりはリーダーシップに焦点を充てており、人事の方だけではなくどのような人材になれば必要とされる人材になるのかということのヒントにもなるでしょう。

一方でマッキンぜーほどの企業でも有能な人材の確保に苦労しているということも見て取れます。

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世界で闘うためのグローバル人材マネジメント入門 吉田 寿

海外での事業の継続・拡大のための基盤整備として、グローバル人事制度構築に取り組もうとしている、といった方におすすめの本です。

この本の特徴は、グローバル人事制度設計時の論点が俯瞰的にまとめられている点にあります。

①等級・評価・報酬制度の整備、②職務調査・分析・評価の実施、③マネジメントポリシー、人材要件、マネジメントシステムの構築、④ソフト面の改革、⑤次世代リーダー育成といった内容について、基礎的な概念から、実際の実務で留意すべき点まで丁寧に説明されています。

また、中国における人事制度構築の事例も詳細に紹介されており、中国ビジネスをされている方にとっても参考になるでしょう。

グローバルで勝てる組織をつくる7つの鍵 後藤 将史

「グローバルで勝てる組織をつくりたい」と考えた場合に、着手すべき以下の7つのポイントが掲げられています。

  1. 企業理念:企業理念を血肉にする
  2. 組織要件:組織の3つの機能を設計する
  3. 業務プロセスとインフラ:グローバルインテグレーションで筋肉質化する
  4. 人材要件;現場の人材・人事制度を「見える化」する
  5. 人材マネジメントのプロセスとインフラ:グローバル人材チームを育成する
  6. 成長方針、M&A:「マーがニック」戦略で自己成長と買収による成長を使い分ける
  7. 変革のリーダーシップ:三極リーダーシップを構築する

この本では、上記のポイントに関して、精度の高い図表が豊富に記載されています。

これらは、例えば経営陣と人材・組織に関する内容を議論する際の資料に準用できるような利点もあります。

グローバル組織・人材マネジメント アクセンチュア経営コンサルティング本部人材・組織マネジメントグループ

新興国でのハイパフォーマンス組織を構築するためには、先進国とは違った課題や複雑さが存在します。

この本では、新興国進出を念頭においた、現地優秀人材の獲得方法、グローバルリーダー育成、現地人材の戦力化、M&A後のカルチャー統合について、取るべきアプローチが明確に指摘されています。

また、事例として、インド進出時の組織・人材マネジメントモデルについて取り組みのポイントが紹介されているため、特にインド市場にビジネスを展開する企業の読者には有益な示唆が得られるはずです。

世界で勝ち抜くためのグローバル人材の育成と活用 デロイトトーマツコンサルティング編集

これまで、日本独自の人材育成体系を持っていた企業が、グローバルレベルでのサクセション(後継者育成)等の必要性から、グローバルで体系的に人材育成を行っていこうという動きがみられます。

この本では、そうした取り組みを行う企業の読者にとって、グローバル人材育成と活用を体系的に学ぶのに役立ちます。

次世代リーダーシップ開発 マシュー・ペースなど

グローバルタレントマネジメントの一環として、次世代のリーダー候補を発掘し、育成し、抜擢するといったサイクルを加速度的にまわすことにより、さらに充実したタレントパイプライン(人材輩出)を持とう、というのがこの本の主張です。

その中でサイクルを回す上で実際に必要となる様々な施策やツール、例えばタレントレビュー、アセスメント、フィードバック等について、具体例を用いて詳細に説明されています。

次世代リーダーシップ開発に携わる実務担当者は必読の本です。

「65歳定年延長」の戦略と実務 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

「定年延長」に関しては、特に大手企業を中心とした経営陣の関心が高いトピックの1つとなっているでしょう。

高年齢者雇用確保措置にもとづき、各企業には、70歳までの就業を可能とする制度の整備が努力義務となっています。

この本は、定年延長を実施しようとした場合に、検討すべき論点が網羅的にまとめられており、参考になります。

特に、定年延長実施時の、経営陣の最大の懸念の1つが人件費の原資確保です。

この原資確保方法についても、平易な言葉で丁寧に説明があり、理解しやすい内容となっています。

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日経BP 日本経済新聞出版本部
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人事こそ最強の経営戦略 南 和気

欧米の人材・組織マネジメントの手法をそのまま日本企業に輸入するだけでは、不適合を起こしかねません。

そこでこの本では、日本型のグローバル人事戦略の在り方について、特に海外企業にはない日本企業の強みに着目しながら、語られているのが特徴的です。

日本企業がグローバル人事に挑戦する際に変えるべき3つのポイントとして、①結果人事⇒計画人事、②主観人事⇒客観人事、③密室人事⇒透明人事が指摘されています。

気に入った本はすぐに仕事に繋がらなくても何回か読み直してみましょう

上記でご紹介したものは発売が古い本も多いですが、根本的な部分は時代が変わってもさほど変わっていないため、今でも十分役に立つものが多いと感じています。

良い本があれば手元に置いておき3回くらい読み直して見ることで十分なインプットとなり、実践的に使えるようになるのではないでしょうか。

ハウツー本のようにすぐに効果が出るような本ばかりではないものの、気になった本があれば一度目を通してみて気に入った本は何回か読み直してみることをおすすめします。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月合同会社Milkyways設立、代表社員CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はサルサとラーメン。