会社を設立する場合には会社法で定められている「株式会社」、「合同会社」、「合名会社」、「合資会社」の4種類の会社形態中から1つの形態を選択する必要がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
今回は株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の会社形態の特徴と違いについてご紹介いたします。
目次
会社形態の4種類について
会社は日本国内で約300万社ほどあると言われていますが、会社形態は4種類になっています。
会社法で定められている会社形態は
- 株式会社
- 合同会社
- 合名会社
- 合資会社
です。
また、合同会社、合名会社、合資会社については、総称で「持分会社」と呼ばれることもあります。
元々は有限会社の設立が認められていましたが、平成18年(2006年)に廃止となり、新たに有限会社を設立することはできなくなりました。
現在残っている有限会社は制度が廃止になる前から有限会社として存在していた会社にのみ認められているため、社歴が15年以上はある会社とも言えるでしょう。
株式会社と持分会社の違いとは
株式会社と持分会社の違いは資金調達方法や会社の規模、経営方法の違いです。
ただ、目的によって会社形態を変えている場合もあり、どちらが良いとか悪いと言った意味合いではありません。
株式会社
株式会社の場合、会社は株主のもので経営は役員が行います。
投資家から多くの資金を調達できれば、事業の規模を拡大していくことができます。
持分会社
持分会社の場合、特定の人によって出資された資金を集めて事業を運営します。
出資者は利益配分や経営についての決定権を持ち、会社業務に携わります。
株式会社の特徴
日本で一番多く選択されている会社形態が株式会社です。
元々は資本金が1,000万円以上必要でしたが、商法改正により最低資本金額の撤廃と出資者1名から株式会社を設立できるようになりました。
株式会社は、「株主」と「役員」とで役割を明確に分離した状態で事業を展開していく方式です。
資金源となる株式を購入できるのは「不特定多数の投資家」です。
出資者は会社のオーナーという位置付けですが、年に1度の株主総会以外で会社運営に直接関わることはありません。
出資者が会社のオーナーになるとはいえ、会社が負債を抱えて倒産した場合の支払い義務が出資者に課せられることはありません。
ただし、融資の連帯保証などがついていた場合は除きます。
- 上場が出来るため資金調達がしやすい
- 事業規模を大きくしやすい
- 社会的信用度が高い
- 決算に関するルールが厳しめ
合同会社とは
合同会社とは出資した人すべてが経営に携わる形態の会社で、資本金の最低金額は無く出資者1名から設立が可能です。
また、出資者は株主では無く社員と呼ばれており、代表取締役では無く代表社員という名称です。
出資者と経営陣が同じなので、会社運営がよりスムーズになると言われています。
合同会社は株式会社の次に人気の高い会社形態で、アマゾンやアップルジャパンなどの有名な大企業が合同会社を設立していることから、多くの起業家の注目を集めています。
- 会社設立コストが低い
- 会社運営が比較的柔軟
- 決算に関するルールが株式会社ほど厳格ではない
- 最近増加傾向ではあるが、信用度は株式会社と比べてまだ低い
合名会社とは
合名会社とは、出資者全員が経営者となって経営に携わる形態の会社で、資本金の規定はなく出資者1名から設立が可能です。
合名会社の社員は「無限責任社員」として債権者に対する連帯責任を負っており、社員全員が経営者や経営陣というイメージに近いと思います。
経営に失敗した場合は連帯責任となるため、関わる人すべてがリスクを抱えることになります。
- 会社設立コストが低い
- 会社運営が比較的柔軟
- 決算公告義務がない
- 信用度は株式会社と比べて低い
合資会社とは
合資会社とは、無限責任社員と有限責任社員がそれぞれ1名ずついれば設立できる形態の会社です。
株式会社や合同会社と比べるとメリットが少ない会社形態ということもあり、合資会社を選択する起業家はほとんどおらず、会社形態としての知名度もあまり高くはありません。
- 有限責任・無限責任社員2名で構成されている
- 会社設立が比較的簡単
- 決算公告義務がない
- 自分以外の社員を雇用する必要がある
会社設立までの手順について
会社設立までのステップは以下のとおりです。
1 登記手続
2 事務所を開設する
3 会社の実印を用意する
4 名刺を作成する
5 事務所の通信環境を整備
6 ホームページやSNSの準備
7 銀行口座開設
8 法人用クレジットカード作成
9 各種管理ツールを導入
10 経理の業務効率化ツールを導入
法人の銀行口座開設完全ガイド
銀行の法人口座開設は年々審査が厳しくなっているのが実情です。
そのため、法人口座を開設するためには銀行口座開設の目的と事前準備をしっかりと確認しておき、戦略的に行うことがおすすめです。
実際に私が法人口座を開設した経験を踏まえて参考になりそうな記事をまとめてみましたので、ご関心ありましたら参照いただければと思います。
目的に応じた会社携帯を選択しよう
4種類の会社形態の中で人気が高いのは「株式会社」「合同会社」で、「合名会社」「合資会社」に関してはあまり人気がありません。
どの会社形態を選択するかは、目先のメリット・デメリットだけではなく、事業を長期的な観点で考えて判断することが重要になってきます。
また、一度会社を設立してから途中で会社形態を変更することも可能ですので、事業内容や規模に応じて見直ししてみても良いのではないでしょうか。
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