現在会社員として働いている方や学校を卒業してから独立を考えている人の中には「 フリーランス 」と「 会社設立 」どちらにしようか迷われている方もいるかもしれません。
僕は会社で働いた後にフリーランスを1年ほどやってから会社を作ってみましたが、丁度法人化して1年が経ったので何となく違いについても理解することができました。
今回は自分自身の経験も踏まえて、フリーランス1年と会社設立1年をしてわかった 違い と メリット 、 デメリット についてご紹介致します。
目次
フリーランス・個人事業主と会社設立の違い
フリーランスや個人事業主として独立をすることと、会社設立をして独立することに違いはあるのでしょうか。
設立する会社の規模にもよるものの、似ている部分と違う部分がありますので違いについて見ていきましょう。
フリーランスは自分の技術や知識、人脈など活用して会社などの組織に所属することなく働くことを言います。
フリーランスの中には1社と専属契約をしている社員に近い形のフリーランスもいますし、複数の会社とやり取りをしている場合もあります。
一方で会社を設立する起業とは、自分たちのアイディアで自ら事業を興していることを指します。
もちろん少人数のうちはコンサルや開発などの受託業務が多くなってしまうこともありますが、起業家の目指すべきところは新しいサービスや仕組みを考え、社会をもっと良くしていくという場合も多いでしょう。
また、フリーランスとは違って会社を設立するので、そのための手続きや費用なども必要です。
フリーランスのメリットとは
まずはフリーランスのメリットはどんなものがあるのか見ていきましょう。
なお、フリーランスのメリットの比較については会社で働いている場合とではなく、会社を設立した場合との比較となります。
時間の融通をきかせやすい
フリーランスの業務内容にもよりますが、会社を作って働く場合よりも時間の融通をきかせやすいことが多いです。
例えば仕事の合間に買い物をしたり、有給などがないので比較的自由に休みを調整することも可能でしょう。
出社義務がない業務の場合には住んでいる場所はもちろん、旅先など遠隔地での作業を行なっている方も多いのではないでしょうか。
確定申告だけで良い
会社の場合には経理や決算書の提出が必要となりますが、フリーランスの場合には確定申告だけで良いというのが大きなメリットではないでしょうか。
確定申告は企業で働いている時から行なっている方も多く、少し調べたり教えてもらえば自分一人で行うことも十分に可能です。
僕はしばらくエクセルを使って確定申告をしていたのですが、貸借対照表(BS)の作成が面倒だったので会計ソフトを使うことにしました。
法人ではマネーフォワードクラウド会計を使っており、個人の確定申告ではfreeeを使っています。
簿記や複式簿記の知識がある方にはマネーフォワードクラウド会計が人気で、簿記がそこまでわからないので簡単に行いたいという方にはfreeeがおすすめです。
経費の算入をしやすい
企業よりも経費の算入をしやすいというのもメリットとしてあります。
業務内容にもよりますが、洋服や美容院代を経費で算入することも出来ますし、自宅を作業場所としていれば家賃も按分の場合はあるものの経費として認められますので、節税効果が高くありがたいですよね。
フリーランスのデメリットとは
続いてフリーランスのデメリットについても見ていきましょう。
信用度を上げるのがやや大変
元々の知り合いや取引先以外で信用度を上げていくのがフリーランスの場合やや大変なことが多いです。
中には個人とお取引が出来ない企業もまだ多く見受けられます。
業界内の人脈やスキルといった自分の強みを明確にして、ブログやSNSなどでも情報を発信していくことでブランディングに繋がることもありますので、時間は少しかかるかもしれませんが積極的に行なってみてはいかがでしょうか。
スケールさせるのが難しい
企業よりもフリーランスの方が売上の規模や組織の規模をスケールさせていくのが難しいでしょう。
ただ、そもそもスケールを目指すよりも自分のスキルを元に好きなことをして働きたいという方も多いと思われますので、さほどデメリットに感じない場合もあるかもしれません。
フリーランスの集団を束ねて組織化している方もいらっしゃいますが、個々人のスキルセットをある程度知っておく必要があるので、自分一人でフリーランスとして働くよりも手間がかかる場合が多いです。
今出来る以上の仕事がこないことが多い
フリーランスは企業から特定の業務をお願いされることが多いですが、お願いする企業側から見ると教育するという視点が薄い場合が多いです。
対会社であれば長いパートナーシップや新しい人が入ってくることによって違う仕事をお願いされる場合もありますが、フリーランスの方にお願いする業務の中で他の人にお願いした方が良いと判断されてしまうものについては、自分に回ってくる可能性は低いでしょう。
今のスキルを伸ばすことはもちろん、プラスアルファで能力を高めて出来ることを広げていかないと先々仕事がなくなってしまうことにも繋がりかねません。
寂しい問題
特定の会社に出社するフリーランスの方も多くいますが、自宅やシェアオフィスなどで作業を行う方も多いでしょう。
会社を作って何人かで働くよりもフリーランスとして個人で働いていると寂しく感じることもしばしばあります。
会社設立のメリットとは
フリーランスのメリット・デメリットを見ていきましたが、続いて会社設立のメリットについても見ていきましょう。
売上単価を向上させやすい
同じ仕事内容にも関わらずフリーランスとして働いている場合よりも、法人として取引をした方が売上単価が高いことがほとんどです。
一般的にはフリーランスは個人の給料分として見なされるのに対して、法人は給料の他にも諸経費がかかりやすいこと、赤字だと潰れてしまうかもしれないので費用に一定の利益を乗せて請求を行うことが考えられます。
社員や業務委託の方などを採用しやすい
フリーランスとして組織を束ねるよりも、会社として社員を募集した方が採用につながり組織化する可能性が高いと考えられます。
日本の場合には業務内容があまりパッとしなかったり、業績が悪くなったりしてもすぐに解雇が出来ないという事情もありますし、社会保険や雇用保険に入ることも出来るので働いても良いという方が増えやすいでしょう。
資金調達を行いやすい
会社の方が信用力が高くなることを含め資金調達を行いやすいです。
資金調達には大きく分けて銀行借入と出資を受ける2つがありますが、フリーランスの場合ですと両方とも敷居が高く、法人として資金調達を行った方が有利に進められることが多いのではないでしょうか。
結果としてスケールしやすいということにも繋がります。
一方で法人の銀行口座を開設するにも審査が必要なため、審査落ちしてしまうこともあります。
会社設立のデメリットとは
最後に会社設立のデメリットについても見ていきましょう。
何かとお金がかかる
会社を設立すると法人登記費用はもちろん、住民税や法人税など何かとお金がかかります。
住所を移転して登記内容を変更するにもお金がかかりますし、資本金の変更にも費用がかかりますし、会社を潰す時にもお金がかかりますので余裕を持ったキャッシュフローを見ておいた方が良いでしょう。
決算や申請書類など手間がかかる
法人の場合には確定申告ではなく決算が必要となります。
確定申告と決算を両方やってみましたが、書類の枚数や知識面などざっくり10倍くらい大変と考えておいた方が良いかもしれません。
もちろん税理士さんや書類面などでは司法書士さんなどにお願いすることも可能ですので、費用はかかりますがお願いすることも検討しておきましょう。
上記でご紹介した通り、法人ではマネーフォワード クラウド会計を利用しています。
経費で落としにくい費目がある
法人の場合には洋服や美容院代などは芸能や美容関係の会社以外経費として落とすのが難しいです。
フリーランスの延長で経費処理をしておくと 、税務調査が入って後からややこしくなったという場合もあるようですので注意しておいた方が良さそうです。
スケールしたいかどうかが判断の一つに
フリーランスと会社設立のメリットとデメリットの違いについてご紹介しましたが、一人会社くらいであれば実際のところ共通する点も多いです。
例えば仕事が無くなってしまう事や体調を崩してしばらく働けなくなってしまった場合、フリーランスであっても会社であっても助けてくれません。
売上が一定以上になると法人化した方が良いという声も聞きますが、将来的にスケールしていきたいかどうかで会社にするかフリーランスにするかを決めた方が良いかなと思います。
フリーランスでも会社設立をするにしても大変なことも多いですが、その分やりがいにも繋がるとは思いますので、ご自身の方向性を見た上でどちらにするか決めて見てはいかがでしょうか。
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