法人の決算は自分で出来る?初年度の決算を自分でやってみてわかったこと、やり方について

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法人の決算は自分で出来る?初年度の決算を自分でやってみてわかったこと、やり方について

会社を作ると決算書類の作成と提出を行い確定申告を行う必要があります。

小規模の会社では経理や決算を自分たちで行ってしまい、税理士さんに支払う費用を削減しようと考えることも少なくありません。

僕も自分で出来る範囲内であればやってみようかなと思ったのと、知り合いの会計士の方に初年度は勉強のためにも自分でやってみることがおすすめと言われたので実際にやってみました。

今回は初年度の決算を自分でやってみてわかったこと、やり方についてご紹介いたします。

個人の確定申告と法人の確定申告の違い

確定申告と言えば個人でやっている方もいるでしょう。

個人の確定申告はそこまで複雑でなければソフトを使うと比較的簡単に出来ますし、収入元が特定の企業からのみであれば年末調整の用紙を元に記入をすれば難しくはありません。

僕もエクセルで簡単な収支表を作ってそれを元に計算しているので1日から2日程度で終わります。

法人の場合には日々の経理を元にした決算書を作成するのに加えて、決算の提出書類も作成が必要です。

ある程度経理の知識がある方や元々金融機関で働いていた方であれば決算書を作成するのは出来るかもしれませんが、決算の提出書類まで作成したことがある方はあまり多くはないのではないでしょうか。

法人の決算の提出書類は売掛金、買掛金の詳細や会社概要など個人と比べて提出書類の量が多く、細かいものもあるため煩雑になりがちです。

ちなみに個人の確定申告に税務調査が入る確率は30年に1度程度と言われているのに対して、法人は7年に1度程度と言われているようです。

法人の決算は自分で出来る?

法人の決算は自分で出来る?

法人の決算は自分で出来るのかどうか気になると思いますが、答えは自分でも出来ます

正確には出来なくはないと言った方が正しいかもしれません。

僕も1年目の決算書と提出書類を自分で作りましたし、知り合いの会社でも決算と確定申告を外部にお願いしないところもあります。

ただ、経理のことなどが全く何もわからない状況では、かなり時間がかかってしまいますし、そもそも決算として正確なのかどうかがわからないためあまりおすすめできません。

個人の確定申告は基本的には単年度で片付きますが、法人の場合には過去の決算を元に利益・赤字の繰越や各勘定科目の累計になっているため、過去分が違うと翌期以降にも影響が出てしまう可能性があることを頭に入れておきましょう。

自分で決算を行うために準備しておくこと

自分で決算を行うためには予め準備しておいた方が良いことがいくつかあります。

もし自分で決算を行わないとしても、税理士さんなどにお願いする際にも以下のことはやっておいた方が親切なのと工数削減になるため、業務委託料の削減に繋がりますので確認しておきましょう。

会計ソフトの導入

日々の経理業務は会計ソフトを使うのが一般的です。

会計ソフトもお手軽なものから高額なものまで様々ですが、会社が小さいうちはクラウド会計ソフトが費用的にも使い勝手的にも一番おすすめです。

代表的なものがマネーフォワードクラウド会計freee(フリー)です。

僕は以下の画像のようにマネーフォワードクラウド会計を利用しております。

会計ソフトの導入

銀行口座との連携

会計ソフトを利用するにあたって利便性を高めるために銀行口座の連携をしましょう。

銀行口座と連携をすると入出金のデータが自動で会計ソフトに上がってくるため作業時間の短縮とミスの削減に繋がります。

ネット銀行では比較的簡単に連携ができることが多いのですが、メガバンクなどではネットバンキングの手続きや連携するためには有料の契約をしないといけないこともあるため事前に確認しておきましょう。

ちなみに僕が使っている三菱UFJ銀行はBizstationというネットバンキングが会計ソフトと連携できますが、月額費用が1,760円かかりますので月額費用をかけないで利用したい場合にはネット銀行で連携するのがおすすめです。

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クレジットカードとの連携

クレジットカードとの連携

銀行の連携が終わりましたらクレジットカードの連携も行っておきましょう。

クレジットカードが無ければ連携不要ですが、カードの利用があると一旦未払金として計上した後に、カードの引き落としの際に未払金を銀行預金と相殺させなくてはなりませんので非常に面倒です。

カードの連携は銀行口座の連携よりも簡単なことが多いですので、カードを利用する際には必ず設定しましょう。

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自分で決算を行うことのメリット

比較的自分で決算を行うのが大変そうだなと思われている方も多いかもしれませんが、自分で決算を行うことのメリットについて見ていきましょう。

税理士さんへの支払いが不要となる

自分で決算を行うことで外注する費用を削減できることが一番のメリットと言えるでしょう。

売上がまだあまり多くなければ費用の削減は重要な点ですし、そこまで仕訳の数も多く無ければ比較的シンプルな決算書類になると思います。

会社の数値や中身について詳しくわかる

経理や決算を行うことで自社の数値や中身について詳しく知ることが出来ます。

例えば今月は何にいくらくらいお金を使ったのかということも見えてきますし、売上についても細かく把握出来るでしょう。

出来上がった決算書を見るのと自分で決算書を作成して決算書を見るのでは詳細まで把握できているかどうかに大きな違いが出てきます。

自分で決算を行うことのデメリット

自分で決算を行うことのデメリット

続いて決算を自分で行うことのデメリットについても見ていきましょう。

税理士さんへの費用がかかる

メリットの反対に税理士さんへの支払費用がかかります。

会社の規模にもよりますが、決算だけの対応でも安くて数万円程度、日々の経理の入力代行も合わせると年間20〜30万円程度はかかることが多いです。

時間が取られる

経理や決算業務は結構時間が取られます。

あまり詳しくない社長が片手間でやると後回しになることも多く、本業に割く時間が減ってしまうことも多いです。

社長にしか出来ない業務を優先するのであれば、経理や決算業務は専門家にお願いするのも一つの手段でしょう。

本当に正しく出来ているかわからない

仕訳の内容がわからなくてもネットで調べるとほとんどの場合解決ができます。

ただし、仕訳が積み重なってくると一つの間違いで貸借対照表のバランスがおかしくなったり、損益計算書の内容が間違えて税金の計算も変更になってしまう可能性も出てきてしまいます。

明らかに税金を支払わないような意図的な違反でなければ後から決算修正することで対応も可能ですが、出来れば修正をしないためにも一発で正しいものを提出できるようにしましょう。

税務調査が入ることが上がる可能性

法人は概ね7年程度で税務調査が入ると前述しましたが、確定申告の際に税理士の名前を記入するところがあるので名前が空白だと目につきやすい可能性もあります。

また、税務調査の際に細かいことを聞かれることも考えられますので、税務の専門家にお願いしてやり取りを任せた方がスムーズに行く可能性も考えられるでしょう。

税理士さんにお願いする場合にも得意不得意分野や自分との相性もあるため、大事なお金を任せるにはある程度比較をしたり慎重に選ぶことが重要です。

知り合いからの紹介も効果的ですが、たくさんの税理士さんが登録してある税理士ドットコムに登録して相談してみるのもおすすめです。
税理士ドットコム

自社と相性が良さそうな方を探してみて、何人か実際にお会いしてみてから検討するのも良いと思います。

良くある仕訳の間違い

良くある仕訳の間違い

仕訳でよくある間違いについて代表的なものをご紹介します。

現金と預金の区別をする

現金と預金は決算書上では「現金及び預金」と一括りにされているのですが、現金出納帳と総勘定元帳の金額がズレてしまいおかしいことになってしまいます。

僕も最初面倒だし似たようなもので決算上大して影響がないと思ってザックリやっていたのですが、後から修正するのが結構大変でしたので予めキチンと入力するクセをつけておきましょう。

源泉徴収金を預り金に入れる

給料の支払いや業務委託の方にお支払いをする際には源泉徴収を引いた金額で振込みすることになると思います。

その際に源泉徴収の金額を引かないで経理処理すると、実際の銀行預金と会計ソフト上の預金でズレが生じてしまいます。

源泉徴収の金額を支払ったタイミングで預かり金と預金を相殺させるようにしましょう。

交通費などの立替は売上に入れない

取引先の仕事でクライアント先に行った際や出張の際には交通費を立替しておくことも珍しくありません。

交通費を立替しても売上には入れずに立替金として処理しましょう。

売上に入れてしまうと消費税もおかしくなりますし、税金の計算もズレてしまいます。

振込手数料を入れる

銀行から振り込むと基本は振込手数料が発生します。

銀行口座の連携をしておくと振込手数料も反映されるのですが、手動で入力すると金額も小さいために忘れがちになってしまうことも多いです。

後から金額がズレて探すのが結構大変なので注意しておきましょう。

決算を自分で行うことによる費用対効果を見極めよう

ご紹介した通り決算は自分で行うことも可能ですが、わりと手間と時間がかかってしまうためそれなりの決意が必要かもしれません。

1年目は自分で頑張ってやってみるのもオススメですので、調べながらコツコツとやってみても良いでしょう。

ご注意点としては決算の提出は決算締め日の2ヶ月以内です。

決算の提出が遅れると税金の遅延金が取られることもありますし、2回期日から遅れると青色申告が取り消しになり赤字の繰越が出来なくなる場合もありますので、時間に余裕を持って準備しておきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

証券会社、IT企業役員、ベンチャー企業などを経て2016年10月より独立。2017年7月株式会社Milkyways設立、代表取締役CEO。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻(WBS)修士課程卒。専攻はベンチャー企業論、ベンチャー経営論。趣味はダンスとラーメン。