最近では白州12年や響12年が販売休止になるほど人気のある日本ウィスキー。
昔はおじさんの飲み物というイメージが強かったですが、NHKの影響や糖質制限している最中にも飲めるということもあって若年層にも人気が出てきています。
特に最近ではハイボールの人気が高く、ハイボールを売りにしているお店も多い中、2018年5月17日に惜しまれつつ一旦閉店した銀座のロックフィッシュはご存知でしょうか。
今回は 氷なし ハイボール で有名な 銀座 ロックフィッシュ に学ぶマーケティング戦略についてご紹介いたします。
銀座で人気の高いバー ロックフィッシュとは
ロックフィッシュとは銀座のコリドー街にあった人気のバーで、2018年5月17日に一旦閉店しました。
ビルの賃貸契約を更新しなかったようで、時期は未定ながらまたどこかでリニューアルオープンするようです。
オーナーは間口さんという方で、ロックフィッシュは元々2000年に大阪北浜にてオープン。その後2002年に銀座に移転したようで、20年弱の歴史があることがわかります。
立ち飲みとテーブル席合わせて20人程度の広さですが、満席となることもしばしばある人気のバーです。
銀座という激戦区の中で長年人気を有していたのにはどのような理由があったのでしょうか。
以前のお店の場所と同じく銀座七丁目にあり、前の場所から1ブロック外堀通り沿いに移動したニューギンザビル1号館 7Fに移転してリニューアルOPENしたようです。
参考: 食べログ
引き算の美学
ロックフィッシュといえばハイボールが有名です。ハイボールはウィスキー、炭酸、氷がメインのお酒でお好みでレモンが入っているシンプルな飲み物です。
違いを出そうとするとウィスキーの種類を変えたり、炭酸を強くすることが一般的ですがロックフィッシュでは氷を入れないハイボールで有名となりました。
作り方はシンプルで、凍らせたグラスに冷凍庫で冷やしたサントリー角瓶の復刻版、ウィルキンソンの瓶の炭酸を注ぎ、1:3で割ります。
そこにレモンピールを絞って完成となり、ウィスキーが常温ではなく冷凍庫で冷やしてるため氷が必要ありません。
氷があると冷えるのはもちろんですが、最後の方が薄くなってしまうため氷を少なめにして頼まれる方もいるでしょう。ロックフィッシュではその心配がなくなります。
元々戦後しばらくまでは氷が希少ということもあって、ハイボールには氷を入れて飲むものではなかったようです。
他と違いを出そうとすると、ついつい違う機能を追加したりサービスを追加しがちに陥ってしまいますが、思い切って常識とされているものを取っ払ってみるという発想を持つことも面白いと言えるでしょう。
元々業界の中でも順位が低い場合の弱者の戦略、後発での参入のようなニッチ戦略として使われることが多くなります。
有名どころではターゲットを絞って成功している富士通のらくらくホンシリーズ、高度の設計技術が必要となりますがダイソンの羽無し扇風機あたりも含まれるでしょうか。
ただし、実際にやろうとすると追加するよりも、元々あって当たり前のものを引き算して取っ払う方が勇気がいる決断となります。
出版でもプロモーションを
大企業やチェーン展開しているお店などと比べて、中小企業や少数店舗運営の場合にはプロモーションにかけられるお金が小さいことが一般的です。
お金をかけないでもできるプロモーション方法は色々とありますが、ロックフィッシュのオーナーさんの場合には出版でのプロモーションを行なっています。
おつまみ系の本を数冊出版しており、出版を通じてお店のことを知ってもらい来店に繋がったお客様も多いのではないでしょうか。
通常の業務を行いながら本を書き上げることは非常に大変な作業でもありますが、お金をかけられないけど工数はかけても良いという方にはおすすめのプロモーション戦略と言えるでしょう。
小規模な会社やお店での差別化戦略の参考に
小規模な会社やお店は大企業と比べるとリソース面ではかなわないことが多いので、違った戦略を行う必要があります。
ロックフィッシュの場合には、元々ハイボールには当たり前である「氷なし」による差別化戦略、オーナーの間口さんが出版を通じてプロモーションを行なっていることがみて取れました。
新規顧客の獲得には上記の手法が有効ですが、リピーター化していくためにはサービス、人柄、味といったことも不可欠となります。
ロックフィッシュにはリピーターの方も多かったようで、両立しているからこそ人気店になったと言えるでしょう。
小規模な会社やお店での差別化戦略の参考にしてみてはいかがでしょうか。
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