メール配信は昔からあるマーケティング手法で多くの企業が既に取り組んでいると思いますが、その際に重要なことの一つがどのメール配信システムを利用するかということです。
様々なサービスがあり、機能や価格帯なども幅広いため選定をするのが難しかったり、今使っているものが最適なのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回は法人向けメール配信システムの選定ポイントと比較まとめ一覧についてご紹介させていただきます。
目次
企業がメール配信をするための方法とは
ますは企業がメール配信をするには、どのような方法があるのか見ていきましょう。
手動でメールを配信
エクセルなどで顧客データを管理しておき、必要な際に手動でメールを配信する方法です。
中にはメーリングリストを作って対象ユーザーを入れておき、メールを配信するケースも見受けられます。
少人数へ送る際にはコストもかからずに行えるため問題ありませんが、ミスが起きやすいことや数が増えてくると運用が難しくなるためあまりおすすめできません。
法人向けメール配信システムを利用する
上記のような手動ではなく、法人向けメール配信システムを利用した配信方法です。
メルマガ配信やステップメールのようなメールマーケティングを行いたい企業の多くが法人向けメール配信システムを利用しており、様々な企業からサービスの提供が行われています。
HTMLメールが簡単に作れたり、メールの効果測定を行うことができるなどメール配信に必要な機能が一通り揃っているので安心して利用ができるでしょう。
SFAやCRM、MAなどから配信を行う
SFAやCRM、MAのシステムを利用している場合にはメール配信機能がついている場合もあります。
顧客データと連携したり、スコアリングを元にセグメント配信やOne to Oneマーケティングを行うことも可能です。
その分メール配信システムと比べると費用が高いため、ある程度の規模感を持った企業が取り組むのがおすすめです。
スクラッチでインフラを構築してメール配信を行う
自社でメール配信に必要なサーバやエンジニアなどを用意し、インフラを構築してメール配信機能を実装する方法です。
インフラに詳しいエンジニアの開発や運用が必要となりますので、メール配信を自社オリジナルで大掛かりに行う場合に見受けられます。
法人向けのメール配信システムとは
メール配信システムとはメールの一斉送信やステップメールなどメール配信の効率化、安定化が出来るシステムのことです。
例えば代表的な機能は、メールの一斉送信機能。メール配信システムであれば、リストに登録されたメアド宛に一斉にメールを送ることができます。
その他にも送ったメールの効果測定や、メールの作成機能などを備えているのが一般的です。
法人向けメール配信システムの主な機能
法人向けメール配信システムの主な機能について見ていきましょう。
一斉メール配信
メール配信システムの代表的な利用方法であるメルマガなどの一斉配信ができる機能です。
リスト、データベースに登録されたメールアドレス宛に一斉にメールを送るもので、メール配信システムによって対応配信数や1秒間あたりの送信数が異なるため、大規模に配信する予定の場合には事前にしっかりと調べておきましょう。
メール配信の分析
配信したメールの開封率、クリック率、コンバージョン率などを計測して分析することができます。
メールマーケティングには必須の機能と言えるでしょう。
なお、メール配信システムに関わらず、メール配信の分析データを取得するためにはテキストメールではなく、HTMLメールで行う必要があります。
メール配信システムによって取得できるデータが違う場合があるのと、分析結果の見やすさやcsvでダウンロードができるかどうかなども予め確認しておくことがおすすめです。
メールの作成
メール配信システムではメールの作成機能も備えていることが多いですが、HTMLメールの作成がエディターで簡単にできるかどうかは利便性に関わってくる重要なポイントです。
HTMLのソースコードが詳しく分からなくてもテンプレートが用意されているシステムもあり、担当者にとっては確認しておきたい機能だと思います。
法人向けということもあり、Windowsに対応していないメール配信システムは聞いたことはありませんが、Macでメール作成機能がうまく使えないサービスが過去にありまして、メールの作成を他の人に頼まざるをえないことがありました。
Macを利用することの多い企業の担当者の場合には念のため確認しておくことがおすすめです。
迷惑メールフォルダに入らない
メール配信をしていても多くのメールが迷惑フォルダに入ってしまうと開封率が非常に悪くなってしまいます。
スパム扱いされないように送るコンテンツの内容も重要ですが、メール配信システムがわでSPF設定などをしっかりと対応してくれていることが多いですので、安心して利用できるサービスが多いことも心強いと言えるでしょう。
法人向けメール配信システムの選定ポイント
法人向けのメール配信システムは複数あり、何をポイントとして選定するか迷われる方も多いかと思います。
ここでは代表的なメール配信システムの選定ポイントについてご紹介いたします。
運営会社はどこか
メール配信システムに限ったことではありませんが、どんな会社が運営しているサービスなのか必ず確認しましょう。
メール配信で一番問題になるのが「メールの配信ができない」ということです。
企業規模が大きければ良いということでもありませんが、安定的な配信を行っていて実績や経験がしっかりしているサービスかを必ず確認しましょう。
また、一度サービスの利用を始めて配信頻度や送信数が増えてくると、スイッチングコスト(他社サービスへの乗り換えコスト)も出てくるため、会社が潰れたりサービスの終了がないかどうかも気を付けておいた方が良いです。
特にシステム連携している場合にはAPIの作り直しが必要となることもありますので注意しておきましょう。
費用形態は従量課金か定額課金か
メール配信システムには配信数や送信ユーザー数によって従量課金になるサービスが多く見受けられます。
利用した分に応じた支払いですのでさほど気にしなくても良いかもしれませんが、予め予算が決まっている場合には超過する可能性がないかどうか計画を立てつつプランの検討をしましょう。
中には従量課金がかからないサービスもありますが、配信速度が遅い場合などもありますので事前に確認しておきましょう。
利用形態はクラウド型(SaaS)かオンプレミス(買取)か
上記の費用にも関係している部分ではありますが、利用形態にはクラウド型(レンタル)とオンプレミス(パッケージの買取)があります。
提供している会社によっては両方を用意している場合もあり、多くはクラウド型での提供となるでしょう。
クラウド型の場合にはサーバーもメール配信システムの提供会社が用意してくれるため、すぐにメール配信を行うことが可能です。
パッケージの買取の場合には初期費用が数百万円レベルでかかること、運用や保守も自社で行う必要があるため、スクラッチと同様に自社独自の大規模な配信を行う場合に向いています。
クラウド型、オンプレミス型の特徴について見ていきましょう。
クラウド型(SaaS)の特徴
- サーバーの用意や管理が不要ですぐに使える
- 定期的にバージョンアップをしてくれる
- どこからでもサービスにアクセス可能
- 自社独自のカスタマイズは難しい
- 10万件を超えるような大規模配信は断られる可能性がある
オンプレミス型の特徴
- 自社独自のカスタマイズが可能
- セキュリティ性が高い
- 初期費用が高く運用保守も手間がかかる
- カスタマイズを行った際には保守対象外となりアップデートができない可能性がある
配信方法は何が利用できるか
メールの配信方法には大きく分けて以下の4種類があります。
一斉配信の特徴
メール配信システムの代表的な利用方法であるメルマガなどの一斉配信ができる機能です。
メール配信システムによって対応配信数や1秒間あたりの送信数が異なるため、大規模に配信する予定の場合には事前にしっかりと調べておきましょう。
自動配信の特徴
お問い合わせや会員登録などを行ったユーザーに対して自動でメールを配信する方法です。
webサイトやECサイトに自動配信の機能がついているものもあります。
ステップメールの特徴
ステップメールは同じユーザーに対して3日後、1週間後といったように予め決めておいたシナリオに基づいてメールを配信する方法です。
会員登録してから1週間後に商品やサービスの案内を送るといったように一度設定を行っておくと自動で配信ができる為メールマーケティングの重要な機能と言えるでしょう。
one to oneメールの特徴
one to oneメールはカートに商品を入れっぱなしにしているユーザーに対してカートの内容を送るなど、パーソナライズドされたコンテンツを最適なタイミングで送る方法です。
メール配信システムだけではなく、MAとの連携が必要な場合も多いです。
配信できるデバイス
PCやスマートフォンへの配信はほとんどの会社ができると思いますが、ガラケーのユーザーへも配信を行いたい場合にはガラケーに対応しているかどうかも確認しておきましょう。
ガラケー対応しているメール配信システムは意外と少なく、昔からサービスを提供している会社のものが多いです。
システム連携がしやすいかどうか
メール配信システムではAPIを公開していることも多く、他のシステムと連携することを考えていれば予めAPIの種類の確認が必要です。
中には有償の場合もありますが、APIを新しく開発して提供してくれることもあるので、必要なAPIがあれば聞いておきましょう。
サポートの対応具合
メール配信システムのプランや運営企業にもよりますが、サポート部門を設けてメールやチャット、電話によるフォロー体制を構築しているサービスが多いです。
メールだけ、電話も対応可能など確認をしておきましょう。
法人向けメール配信システムの比較と特徴
法人向けにメール配信システムを提供している企業はいくつかありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
代表的なメール配信システムの各サービスについての特徴と選定ポイントを踏まえてご紹介させていただきます。
おすすめNo1!WiLL Mail(ウィルメール)
WiLL Mail(ウィルメール)は株式会社サパナが提供しているメール配信システムです。
4年連続売り上げ成長率1位の実績があり、中小企業から大企業まで幅広く利用されています。
HTMLのソースコードに詳しくない方でも簡単に利用できるメールテンプレートも50種類以上プリセットとして搭載。
メール配信システムでは珍しく初期費用が無料、1ヶ月単位の契約でいつでも契約プランを変更・解約ができるため、スポット契約など使い方次第で大幅なコストダウンも実現できます。
お手軽に始めたい方から大規模配信の方まで利用が可能です。
主な機能
- HTMLメール作成
- デコメール作成
- ターゲット配信
- ドラッグ&ドロップの簡単操作
- 効果測定
- ガラケー配信
- IPアドレス制限
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数・配信数 |
無料 | 4,000円〜 | 500件〜 |
無料 | 10,000円〜 | 10,000通〜 |
- 4年連続売り上げ成長率1位
- 1時間に100万通以上の高速配信対応
- 初期費用が無料で1ヶ月単位の契約のためスポット利用も可能
- 小規模から大規模配信まで幅広くメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
契約社数No1!ブラストメール(blastmail)
ブラストメール(blastmail)は株式会社ラクスライトクラウドが提供している新規顧客数、稼働顧客数、稼働顧客数伸率を9年連続1位を獲得し続けているメール配信システムです。
約20年にわたってメール配信サービスを提供しており、全国の企業から官公庁まで、規模・業種を問わず幅広い実績があります。
HTMLのソースコードに詳しくない方でも簡単に利用できるメール作成機能も搭載。
お手軽に始めたい方からAPIの提供も無料で行っているため、システム連携を行いたい大規模配信の方まで利用が可能でしょう。
主な機能
- HTMLメール作成
- デコメール作成
- ターゲット配信
- 空メール登録
- 効果測定
- 迷惑メール対策(DKIM署名)
- API連携
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
10,000円(1年契約で半額) | 3,000円 | 3,000件 |
10,000円(1年契約で半額) | 6,000円 | 10,000件 |
無料 | 50,000円 | 100,000件 |
- 9年連続顧客導入数シェア No.1
- 1万社以上の契約と実績
- 1時間に280万通の高速配信対応
- 小規模から大規模配信まで幅広くメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
お名前.comメールマーケティング
お名前.comメールマーケティングはGMOインターネット株式会社が提供しているメール配信システムです。
ドメイン取得のお名前.comやレンタルサーバなど幅広い事業を行っていることから既に同社のサービスを利用している方も多いかもしれません。
プランによる機能の制限がなく、初期費用が無料で月額790円(36ヶ月払いの場合)から利用が可能とスモールスタートをしたい企業にもおすすめです。
主な機能
- HTMLメール作成
- デコメール作成
- ステップメール配信
- 効果測定
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
無料 | 790円〜 | 1,000件 |
無料 | 3,861円〜 | 10,000件 |
無料 | 19,990円〜 | 50,000件 |
- 初期費用無料で月額790円から利用が可能
- 月間2.5億通の配信実績があるメール配信エンジン採用
- 中小規模でシンプルなメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
アスメル
参考:アスメル
アスメルは株式会社レジェンドプロデュースが提供しているメール配信システムです。
日本初の使いたい放題、無制限の自動ステップメール配信システムで、顧客のメールフォローを自動化し、見込み客の成約率を上げたり、既存客のリピート率向上に役立ちます。
顧客リスト数、配信数、シナリオ数の数に制限なく固定料金月額3,333円となっており、多くの企業や個人事業主に愛用され続けています。
主な機能
- ステップメール配信
- HTMLメール配信
- ガラケー配信
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
16,500円 | 3,333円 | 無制限 |
- 配信件数に関わらず月額3,333円で利用が可能
- ステップメールを行いたい企業向けのサービス
メールスマート
参考:メールスマートを見る
メールスマートは株式会社リーフワークスが提供しているメール配信システムです。
複数の配信リスト管理はもちろん、ファイル添付、CC・BCC送信、HTMLメール、エラーメール処理、テンプレート作成機能等、充実の配信機能を備えております。
クラウド、サーバーインストール、パッケージ買取から選択が可能です。
主な機能
- HTMLメール作成
- IP制限
- 効果測定
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
ASP版:無料 | 10,450円 | お問い合わせ |
サーバーインストール:66,000円 | 38,500円〜 | お問い合わせ |
パッケージ買取:104,500円 | 無料 | 制限なし |
- クラウド、サーバーインストール、パッケージ買取から選択が可能
- シンプルなメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
ログインプラス
ログインプラスもメールスマートと同じく株式会社リーフワークスが提供しているメール配信システムです。
メールスマートとの違いは会員サイト構築機能とメール配信システムがセットになっている点です。
自由なデザインで簡単に会員ログイン機能を追加できるCMSのログインシステムで、「既存サイト+会員機能」や「新規で会員専用サイト」の両方に対応が可能です。
主な機能
- 会員サイト構築
- 会員管理
- IP制限
- 効果測定
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
クラウド:66,000円 | 49,500円 | お問い合わせ |
パッケージ買取:327,800円 | 無料 | 制限なし |
- クラウド、パッケージ買取から選択が可能
- 会員サイトを構築してメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
める配くん
参考:める配くん
める配くんは株式会社ディライトフルが提供しているメール配信システムです。
2002年にサービスを開始してから18年、多業種2,000社以上のお客様へご利用実績があります。
2020年6月より月額費用に500円を追加することで高機能なHTMLメールが作成できるエディタ機能も搭載。
登録件数が120件までとはなりますが、初期費用・月額費用共に無料で利用が可能なプランもあります。
主な機能
- HTMLメール作成
- HTMLエディタ
- ステップメール配信
- 効果測定
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
無料 | 無料 | 120件 |
8,000円 | 1,886円〜 | 5,000件 |
8,000円 | 19,000円〜 | 50,000件 |
- 初期費用・月額費用無料で利用も可能
- HTMLに詳しくない方でも利用が可能なHTMLエディタ機能搭載
- 中小規模でシンプルなメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
メール商人
参考:メール商人
メール商人は株式会社イー・エム・ズィーが提供しているメール配信システムです。
メールマーケティングを実践するのに必要な機能をオールインワンで備えたメール配信システムで、2004年のサービス開始依頼、3,300社を超える導入実績があります。
他社からの乗換の場合、初期設定費用5,000円(税別)、月額費用1ヶ月分が無料のキャンペーンも行っています。
主な機能
- HTMLメール作成
- 空メール
- ステップメール配信
- 効果測定
主な料金プラン
初期費用 | 月額費用 | 登録アドレス数 |
5,000円 | 3,800円 | 1,000件 |
5,000円 | 16,000円〜 | 5,000件 |
5,000円 | 26,600円〜 | 10,000件 |
- メール配信に必要な機能がオールインワン
- 他社からの乗り換えキャンペーンを開催
- 中小規模でシンプルなメールマーケティングを行いたい企業向けのサービス
メール配信を行う目的と利用用途によって費用対効果を見て選定を
企業がメール配信を行う際にはメール配信を行う目的や規模感、予算感によって最適なツールは変わってきますので、価格が高ければ高いほど効果があるとは必ずしも言えません。
どのシステムが良いのかを考える前に、まずは自分たちがメールを配信する目的と利用用途を明確にした上で、ニーズに合うものかを見極めていきましょう。
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