銀行の法人口座の中でネット銀行を考えている場合には、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の法人口座(ビジネスアカウント)を候補として挙げている方も多いでしょう。
私も会社設立後に当時のジャパンネット銀行で法人口座を申し込んだのですが、審査に落ちて自信をなくしたのを覚えています。
今回はPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)の法人口座で審査落ちした理由と対処法についてご紹介いたします。
目次
PayPay銀行とは
PayPay銀行の前身である旧ジャパンネット銀行は2000年に国内初のインターネット専門の銀行としてスタートしました。
元々はさくら銀行(現在の三井住友銀行)が50%、住友銀行(現在の三井住友銀行)、富士通、日本生命が10%ずつ、東京電力、三井物産、NTT東日本、NTTドコモがそれぞれ5%ずつを出資してジャパンネット銀行が設立。
その後に第三者割当増資などを経て、現在では
- Zフィナンシャル株式会社(ヤフーなどの親会社) 46.57%
- 三井住友銀行 46.57%
- 富士通 5.26%
- 三井住友海上火災保険 0.52%
- 大樹生命保険 0.52%
- 住友生命保険 0.52%
という持ち分比率の会社になっています。
個人で利用している方も多く、ネット銀行の中でも高い知名度を持っているので聞いたことがある方も多いでしょう。
2021年4月5日にPayPay銀行として社名を変更いたしました。
PayPay銀行の審査に落ちた理由について考察
私も会社設立の際に当時のジャパンネット銀行で法人口座を申し込んだのですが、以下のように審査に落ちてしまいました。
自分なりにPayPay銀行の審査に落ちた理由について考えてみたいと思います。
事業内容がわかりにくい
最近は僕の会社も含めて横文字系の会社名が多く、社名を聞いただけで何をやっているのかわからない会社も多いです。
そのため、どんな事業内容をしている会社なのかということをある程度明確にしておく必要があります。
ネット銀行は口座開設のための面談がないため、会社の実態を示すためにも独自ドメインのホームページや、場合によってはパンフレットや会社紹介資料なども事前に用意しておいた方がよいでしょう。
とある銀行員の方に、他の審査項目は問題がないにも関わらず、事業内容がわかりにくいため資料を一部変更したり加筆するだけで審査が通ることが結構あると言われましたので、口座申し込みの前に対応しておきましょう。
資本金額が少ない
昔は資本金が1,000万円以上でないと株式会社を登記することはできませんでしたが、商法改正によって2006年4月から「1円起業」も可能となりました。
しかし、資本金があまりにも低い金額で設立した会社は社会的信用を得られにくい場合もあります。
低い目安は業種や規模によっても異なりますが、最低でも100万円以上は資本金を準備しておいた方がよいでしょう。
登記住所が自宅やシェアオフィス
オフィスの実態があるかどうかは法人口座の審査で銀行が注視するポイントの一つです。
法人口座の開設申し込み時に提出する書類の一つに登記簿謄本(正確には現在事項証明書)がありますが、記載されている登記住所が自宅やバーチャルオフィス、シェアオフィスの場合には信用性が高いとは言えなくなります。
オフィスを借りるというのはそれなりに費用と信用性が必要になるため、銀行としても審査においてプラスとなりやすいでしょう。
固定電話がなく携帯電話
最近ではわざわざ固定電話を最初から契約する企業は多くはないのですが、銀行としてはいざという時に連絡が取れなくなることを恐れていたり、昔の名残もあるようで信用性について担保ができないと判断されることにも繋がりかねないようです。
ただ、店舗ビジネスなどでない限り、固定電話を持つメリットがあまりないことも多く、無理して持たなくても良いかと思います。
ネットバンキングでは残念ながら楽天銀行と住信SBIネット銀行は固定電話以外の入力ができませんので、PayPay銀行か、GMOあおぞらネット銀行でお申込みをするという選択肢となります。
銀行の法人口座の審査が落ちて開設が断られた場合の対処法
せっかく法人口座に申し込んだとしても残念ながら審査に落ちてしまう場合もあります。
落ちてしまった際には理由を考えることも必要ですが、例えば資本金が低くても手持ちのお金に余裕がない場合などすぐに解決が難しいこともあるでしょう。
法人口座の審査が落ちて開設が断られた場合の対処法について見ていきましょう。
他の銀行に申し込んでみる
一つの銀行に落ちてしまってもまだ諦めるのは早いです。
銀行の審査基準は共通点も多いですが銀行によっても異なりますし、独自の審査基準を設けている場合もあります。
まずは優先順位をつけた上で申し込みを行ってみるのが良いと思いますが、もし落ちてしまった場合でも一旦他の銀行に申し込んでみることを検討してみましょう。
PayPay銀行は残念ながら審査で落ちてしまったのですが、以下のようにGMOあおぞらネット銀行では口座を開設することができました。
ネット銀行の場合にはわざわざ面談に行かなくても良いので、あまり自信がなくてもまずは他の銀行に申し込みだけしてみて様子を見ても良いと思います。
より詳細にGMOあおぞらネット銀行についてご確認したい方は、以下の記事もオススメです。
落ちた理由を考えて対処できるところを見直す
落ちた理由で見当がつきそうなものがあれば対処することも重要です。
独自ドメインのサイトがなければ作成してみた方が良いですし、業務内容が分かりにくければパンフレットを作成して担当者に渡すのも効果的かもしれません。
少し時間をあけてみる
緊急に法人口座が必要なければ少し時間をあけてみてから申し込みを行うことも一つの手段です。
その間に売上が上がれば信用性が高まることにも繋がりますし、利益が出れば資本金が少ない場合には増資を行うことも検討してみましょう。
同じ銀行の場合には少なくとも半年くらいは開けた方が良いと思いますが、他の銀行への申し込みの場合にはもっと短くても良いと思います。
PayPay銀行の審査と口座開設申し込みに必要な書類について
既に申し込みをされた方にとっては不要になるかもしれませんが、PayPay銀行の審査と口座開設申し込みに必要な書類についても見ていきましょう。
PayPay銀行の審査と口座開設申し込みに必要な書類は以下の3点と、場合によっては追加1点となります。
法人の口座開設申込書
まずは口座開設の申し込みを行います。口座開設申込フォーム入力後、「申込書ダウンロード」ボタンから印刷用ファイルをダウンロードして印刷しましょう。
ご担当者の本人確認資料
運転免許証や住民基本台帳カード(マイナンバーカード)、パスポートなどになります。
事業内容等が確認できる書類
PayPay銀行で法人口座を開設する際に、事業内容等が確認できる書類が必要となりますが、法人によって異なるので事前に確認しておきましょう。
会社設立後6ヶ月以上経過、HPがある
HPを登録するだけで業務内容の確認が可能ですので、書類は不要です。
会社設立後6ヶ月未満、HPがある
以下に記載のある書類「A」と分類するものを提出する必要があります。
・法人設立届出書 (税務署受付印が押印されたものの「コピー」)
・青色申告承認申請書 (税務署受付印が押印されたものの「コピー」)
・確定申告書の控え (直近」の税務署受付印が押印されたものの「コピー」)
・国税や地方税の領収書または納税証明書 (「発行日または領収日より6ヶ月以内」の「原本」または「コピー」)
・現在事項証明書の原本 (発行より6ヶ月以内)
・事務所の建物賃貸借契約書 (「直近」の契約締結済みのものの「コピー」)
HPを持っていない
上記の書類「A」の他に、以下の「B」も提出する必要があります。
・行政機関が発行した許認可証 (許認可が必要な事業の場合)
・許認可証がない場合には会社案内、パンフレット、チラシ
今後も仕事上で使うことになると思いますので、独自ドメインのHPは出来るだけ準備をしておきましょう。
法人番号指定通知書
法人番号指定通知書は、特定法人に該当して税法上の居住地国が日本以外の個人の実質的支配者がおり、法人番号(13桁)を指定さている場合のみに必要です。
法人番号印刷書類は国税庁 法人番号公表サイトでダウンロードが可能です。
PayPay銀行は口座開設の申し込みから開設まで、1〜2週間程度で完了します。
会社設立後のように銀行口座を早く開設したい場合にもおすすめです。
個人事業主の口座開設に必要な書類について
個人事業主でもPayPay銀行のビジネス口座を開設可能です。
必要な書類が法人口座の開設申し込みと一部異なっているため、予め確認しておきましょう。
口座開設申込書
まずは口座開設の申し込みを行います。法人と同じく、口座開設申込フォーム入力後、「申込書ダウンロード」ボタンから印刷用ファイルをダウンロードして印刷しましょう。
ご担当者の本人確認資料
運転免許証や住民基本台帳カード(マイナンバーカード)、パスポートなどになります。
事業実態の確認書類
お申し込みの「屋号」「ご本人の氏名」が記載された、下記の書類いずれか1点の提出が必要です。
・個人事業開業届出書(控) (税務署受付印が押印されたもの」の「コピー」)
・青色申告承認申請書(控) (税務署受付印が押印されたもの」の「コピー」)
・確定申告書(控) (「直近の税務署受付印が押印されたもの」の「コピー」)
・国税または地方税の領収証または納税証明書 (発行日または領収日より6ヶ月以内」の「原本」または「コピー」)
・個人事業開始申告書(控) (都道府県税事務所や市区町村役場の受付印が押印されたもの」の「コピー」)
法人の銀行口座開設完全ガイド
銀行の法人口座開設は年々審査が厳しくなっているのが実情です。
そのため、法人口座を開設するためには銀行口座開設の目的と事前準備をしっかりと確認しておき、戦略的に行うことがおすすめです。
実際に私が法人口座を開設した経験を踏まえて参考になりそうな記事をまとめてみましたので、ご関心ありましたら参照いただければと思います。
一度落ちてしまっても落ちた理由と審査基準を抑えて対策をしてみよう
上記でご紹介したようなことが理由でPayPay銀行に落ちてしまう方もいると思いますが、落ちた理由と審査基準を抑えて対策をしてみましょう。
また、一度審査に落ちてしまってもしばらくしてから再度申し込みをすることもできますので、あまり気張らずに申し込みをしてみても良いでしょう。
法人口座開設のハードルは個人口座と比べて高めですが、設立して間もない会社でも銀行口座の開設はできますので、何回かチャレンジしてみて開設を目指してみると良いと思います。
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