法人口座でメガバンクをメインで利用している方も多いと思いますが、メガバンクでネットバンキングを利用するのには費用がかかります。
しかもネット専業の銀行と比べると月額利用料がかかり、振込料金も高いことがわかります。
今回はメガバンクの法人口座のネットバンキング月額利用料、振込料金が高い理由についてご紹介いたします。
目次
メガバンクの月額利用料と振込料金について
メガバンクの月額利用料と振込料金はどのくらいかかるのか見ていきましょう。
手数料はネット銀行と比べると高く、法人口座の場合には毎月利用料もかかります。
なお、三菱UFJ銀行の場合にはネットバンキング利用でも月に30件までであればLightプラン、三井住友銀行もライトタイプでしたら月額基本料がかからないのでオススメです。
銀行名 | 三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 |
---|---|---|---|
ネット月額基本料 | 1,760円(Lightは無料) | 2,200円(ライトは無料) | 3,300円 |
振込手数料 ネットバンキング | 同行同一支店 3万円以下:110円 3万円以上:330円 同行内 3万円以下:110円 3万円以上:330円 他行宛 3万円以下:550円 3万円以上:770円 | 同行同一支店 3万円以下:110円 3万円以上:220円 同行内 3万円以下:220円 3万円以上:440円 他行宛 3万円以下:550円 3万円以上:770円 | 同行同一支店 3万円以下:無料 3万円以上:無料 同行内 3万円以下:220円 3万円以上:440円 他行宛 3万円以下:550円 3万円以上:770円 |
利用可能時間 | 平日 8:00~23:55 祝日は不可 第二土曜は21:00まで | 月曜〜土曜 8:00~24:00 日祝は不可 | 平日 8:00~23:30 土 8:00~20:00 日 9:00~17:00 祝日不可 |
店舗数 | 国内約754店舗 | 国内約440店舗 | 国内約420店舗 |
審査日数 | 2週間程度 | 2週間程度 | 2週間程度 |
銀行によって多少の違いはありますが、月額利用料だけで年間2万円以上の負担となります。
仮に3つの銀行でネットバンキングを導入すれば年間87,120円が月額利用料としてかかってきます。
振込手数料もネット銀行と比べると高いため、中小企業にとっては無視できないコストと言えるでしょう。
銀行の月額利用料が有料で振込手数料が高い理由とは
ではなぜネット銀行が無料で提供している法人向けネットバンキングの月額費用を有料にしていたり、振込手数料が高いのでしょうか。
そもそもメガバンクはネットバンキングをメインで考えている訳ではなく、あくまでも対面取引の利便性を上げるためのサブサービスとして位置付けている場合が多く、ネット銀行とは経営やサービスに関する考え方が大きく異なることを理解しておく必要もあります。
人件費が高い
メガバンクには数多くの支店や窓口があり、窓口担当や融資担当を始め様々な方が働いています。
最近では全体の行員数を減らす方向に動いてはいますが、それでも数万人単位の方がいるのがメガバンクです。
もちろんいつでも相談出来る支店や窓口があるのはメリットです。
しかし、従業員が多いということは、当然それだけ人件費がかかります。
仮にネットバンキングでの取引がさらに普及し、銀行窓口に行く人が減ったとしても店舗を維持するために一定の従業員は必要ですのでメガバンクにとって人件費はなかなか減らせません。
ネット専業銀行は人件費を極力かけないようなローコストでの経営を行っている企業が多く、ネット取引が増えてもシステム構築が問題なければサーバーの増強がメインの対応で人件費を大幅に増やす必要がありません。
店舗やATMが多く費用がかかる
メガバンクには数多くの店舗やATMがあります。
店舗を設けるということは、それだけ土地や建物の維持費がかかりますし、ATMの維持費用も高額です。
もちろん対面での取引や様々な金融取引で収益があるため利益に繋がっている店舗も多いと思いますが、インターネット取引を行う利用者の負担にもなりかねません。
ネット銀行は実店舗がない場合も多く、人件費と合わせてコストを下げた経営ができます。
セキュリティが非常に高い
メガバンクの法人向けインターネットバンキングは電子証明書をはじめ、セキュリティがかなり高く作られています。
例えばログインをするまでに何重ものパスワードが必要だったり、取引を行う際にも承認手続きが必要だったりと非常に厳格なセキュリティです。
もちろん金融機関に求められる一番の要素は信頼性であり、そのためにセキュリティは重要なポイントであることは間違いありません。
しかし、利便性が損なわれている可能性もありますし、大企業しか使わないような不要なサービスもメガバンクのネットバンキングには数多く組み込まれています。
システムが複雑で古い場合が多い
メガバンクは元々別々の大手銀行が合併を繰り返して現在の数になりました。
そのため各銀行のシステムもバラバラで作られてきた経緯があり、統合作業が非常に複雑で0から作るよりも遥かに大変だと思います。
また、そもそもシステムが古いためバージョンアップを行うにも一筋縄では行かないと予想されます。
ネット銀行は比較的新しい銀行が多く、システム設計や使い勝手などメガバンクとは比べ物にならないくらい優れている場合も多いと実際に使ってみて感じているのは私だけではないでしょう。
ネット銀行が持つ3つのメリット
ネット銀行の法人口座が、メガバンクの法人向けインターネットバンキングより優れている点について見ていきましょう。
月額利用料が無料
上記でご紹介した通り、ネット銀行は月額利用料0円でインターネットバンキングが使えます。
だからと言って使い勝手が悪かったり、セキュリティが甘いといったことはありません。
ワンタイムパスワードやスマート認証といった先進的なセキュリティを導入していますし、自動で入金の消し込みやシステム連携をしやすいようにAPIを無料で公開している銀行もあります。
最近では多くの銀行でワンタイムパスワードが導入されましたが、この仕組みを最も早く導入したのは、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)です。
ネット専業だからこそ、インターネット取引の利便性やセキュリティには最も注意を払って対応しているとも言えるでしょう。
例えば振込の限度額を低く設定しておき、取引ごとにメールでお知らせが届くようにしておけば、不正送金があってもすぐに気がつくことが出来ますので、必要最小限の被害で済みます。
中小企業にとって、メガバンクや地方銀行が提供するような大規模なネットバンキングのシステムが本当に必要なのか考えてみても良いかもしれません。
振込手数料が安い
ネット銀行は月額利用料が無料というだけでなく、振込手数料も非常に安いです。
メガバンクとネット銀行を利用する中で手数料がどれくらい違うのか比較をしてみました。
私は三菱UFJ銀行とGMOあおぞらネット銀行で口座を持っていますので2行を取り上げてみたいと思います。
銀行名 | 月額基本料 | 自行3万円未満 | 自行3万円以上 | 他行3万円未満 | 他行3万円以上 |
---|---|---|---|---|---|
GMOあおぞらネット銀行 | 無料 | 無料 | 無料 | 145円 | 145円 |
三菱UFJ銀行 | 1,760円 | 110円 | 330円 | 550円 | 770円 |
メガバンクはインターネットバンキングの利用料として月額費用がかかることに加えて意外と思う方も多いかもしれませんが、ATMで振込をするよりもネットバンキングを利用した方が高くなる場合もあるので注意しておきましょう。
三菱UFJ銀行はATMで同一支店に振込を行う場合は無料ですが、ネットバンキングでは110円かかります。
例:1年間に50回の他行あて振込(3万円以上)を行った場合
・三菱UFJ銀行
月額利用料:1,760円×12ヶ月=21,120円
振込手数料:770円×50回=38,500円
年間にかかるコストは59,620円
・GMOあおぞらネット銀行
月額利用料:0円
振込手数料:145円×50回=7,250円
年間にかかるコストは7,250円
年間の金額にして52,370円、約85%の手数料削減効果が見込めます。
ちなみに私の会社で利用している様子をGMOあおぞらネット銀行さんの導入事例として追加いただきました。
24時間いつでも利用可能
メガバンクは月額利用料がかかるだけでなく、利用時間が限られているケースも多いです。
上記でご紹介しましたが例えば三菱UFJ銀行のBizstationの利用時間は「平日 8:00~23:55、祝日は不可、第二土曜は21:00まで」となっており、深夜帯はログインできません。
土日や夜遅い時間帯にに振込や残高確認をすることがないのであれば問題ありませんが、中小企業の社長さんであれば経理処理や経営戦略策定などを日中以外に行う方も多いと思います。
過去の取引履歴が簡単に遡れる
経理や決算処理をする際に過去の取引履歴や入出金明細を確認したい場合も多いと思いますが、メガバンクの場合には直近1ヶ月分の取引履歴しか遡れないネットバンキングもあります。
実は私が決算処理を行う際にこの影響でかなり時間がかかってしまったことがありました。
ネット銀行では過去の取引が簡単に遡れるのが意外と大きなメリットだと感じています。
メガバンクだけではなくネット銀行との組み合わせも
手数料が高くても融資などにも利用できるメガバンクをメインにしたい中小企業の方がやはり多いと思いますので、振り込みについては手数料の安いネット銀行をメインで利用しつつ、必要に応じてメガバンクを利用するのもおすすめです。
また、メガバンク以外では地銀や信用銀行なども近くにある場合には検討しても良いですし、場合によっては手厚いフォローがあるケースもあるので一度相談してみても良いかもしれません。
ネットバンキングの利用頻度や目的を考えてみて、自社にとって一番メリットがある選択肢を選んでみましょう。
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