新しく会社を設立したら、銀行に法人口座を開設することができます。
個人事業主やフリーランスの場合には個人の銀行口座と事業用の口座を分ける必要はありませんが、法人の場合には個人と会社の銀行口座を分けておかないと経理の処理が面倒になってしまうだけではなく、個人のお金なのか法人のお金なのか分けるのも難しくなってくるでしょう。
今回は会社を設立してから銀行の法人口座を開設するまでのスケジュールについて解説いたします。
目次
銀行の法人口座は会社を設立してからどれくらいで出来る?
法人名義の銀行口座は個人の口座開設よりも手続きに時間がかかります。
会社設立後すぐに法人名義の口座を使い始めたい場合には、会社の設立手続きと口座開設の手続きを前もって準備しておくのが良いでしょう。
まずは法人口座を作るために必要な書類について見ていきます。
銀行の法人口座を作るための書類について
銀行によって多少内容は違うのですが、代表的な法人口座を作るための書類は以下のものになります。
- 法人口座開設の申込書
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 会社の実印
- 会社の印鑑証明
- 会社のマイナンバー (法人届出番号)
- 代表者の身分証明書
といったものです。
この中では特に法人の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)が必要になるのがポイントです。
履歴事項全部証明書は法人設立の登記が完了してから2週間程度経たないと発行ができないため、会社の設立届を出してすぐに法人口座を申し込めるわけではありません。
銀行の種類によって開設までにかかる時間が違う
銀行の法人口座を開設するまでにかかる時間は大きく分けると銀行の種類によって異なっています。
開設までの時間が短い順に並べてみました。
銀行の種類 | 開設までの時間 |
---|---|
ネット銀行 | 1〜2週間程度 |
ゆうちょ銀行 | 2週間程度 |
地銀・信用金庫 | 2〜4週間程度 |
メガバンク | 1ヵ月程度 |
会社の設立届を出してから履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の発行が2週間程度、さらに上記のように法人の銀行口座解説にも1週間から1ヶ月程度の時間がかかります。
会社設立間際では敷居が低く、利便性の高さからネット銀行で法人口座を開設しようと思う方も多いのではないでしょうか。
ネット銀行の場合メガバンクと比べて手数料が安く、基本使用料がかからない点も初期の企業にとっては大きなメリットです。
また、銀行口座開設にかかる時間は1〜2週間程度でネット銀行が一番早いと思います。
ネット銀行の法人口座について詳しくご確認したい方は、以下の記事もおすすめです。
僕も写真のように法人口座を開設しましたが、申し込みからカードが届くまで1週間程度でした。
すぐに法人口座を開設したいという方には一番おすすめと言えるでしょう。
ちなみに私の会社で利用している様子をGMOあおぞらネット銀行さんの導入事例として追加いただきました。
より詳細にGMOあおぞらネット銀行についてご確認したい方は、以下の記事もオススメです。
ホームページに取引銀行名を掲載している理由
企業のホームページの会社概要欄に、取引銀行名を掲載しているのを見たことがある方もいると思います。
企業が取引銀行名を公開するのは、「当社はこのような立派な金融機関に法人口座を持っていますので安心してください」とアピールすることも理由としてあります。
特に会社設立間際の場合にメガバンクは簡単には法人口座を作れないこと多く、法人口座を持っていることは銀行の審査に通った証になることから掲載している企業が多いです。
法人口座を持っていると実際の取引の利便性に加えて、信用になるかもしれないという効果も少し期待できます。
銀行の法人口座の審査基準と断られやすい基準とは
残念ながら法人口座は申込をしても必ず開設出来るわけではありません。
では銀行は申し込みがあった企業のどういう点を見ているのでしょうか。
基本的には銀行として口座を開設する際に、企業や代表者に信頼性があるかどうかが重要となります。
法人口座の審査が通らずに断られやすい理由についても事前に確認しておきましょう。
資本金額が低い
昔は資本金が1,000万円以上でないと株式会社を登記することはできませんでしたが、商法改正によって2006年4月から資本金の制限が撤廃となり、「1円起業」が可能となりました。
しかし、資本金があまりにも低い金額で設立した会社は社会的信用を得られにくい場合もあります。
低い目安は業種や金融機関によっても異なりますが、最低でも100万円くらいは資本金を準備しておいた方がよいでしょう。
登記住所が自宅やシェアオフィス
「オフィスの実態があるかどうか」は法人口座の審査で銀行が注視するポイントの一つです。
法人口座開設申し込み時に提出する書類の一つに「登記簿謄本」がありますが、これに記載されている住所が自宅やバーチャルオフィス、シェアオフィスの場合には信用性が高いとは言えなくなります。
オフィスを借りるというのはそれなりに費用が必要になるため、銀行としても審査においてプラスとなりやすいです。
固定電話がなく携帯電話
最近ではわざわざ固定電話を最初から契約する企業は多くはないのですが、銀行としてはいざという時に連絡が取れなくなることを恐れていたり、昔の名残もあるようで信用性について担保ができないと判断されることにも繋がりかねないようです。
ただ、店舗ビジネスなどでない限り、固定電話を持つメリットがあまりないことも多く、無理して持たなくても良いかと思います。
事業内容がわかりにくい
最近は僕の会社も含めて横文字系の会社名が多く、社名を聞いただけで何をやっているのかわからない会社も多いです。
そのため、「どのような事業内容の会社か」ということをある程度明確に説明できる必要があります。
会社の実態を示すためにも独自ドメインのホームページや、場合によってはパンフレットや会社紹介資料なども事前に用意しておいた方がよいでしょう。
法人の銀行口座開設完全ガイド
銀行の法人口座開設は年々審査が厳しくなっているのが実情です。
そのため、法人口座を開設するためには銀行口座開設の目的と事前準備をしっかりと確認しておき、戦略的に行うことがおすすめです。
実際に私が法人口座を開設した経験を踏まえて参考になりそうな記事をまとめてみましたので、ご関心ありましたら参照いただければと思います。
銀行の法人口座を開設する際には複数の種類の申し込みがオススメ
法人口座を開設する際には開設までの日数と合わせて、審査が通るかどうかという点も重要です。
例えばメガバンクだけで複数の口座開設申し込みを行うといったように同じ種類の銀行だけではなく、メガバンクとネット銀行のように複数の種類の銀行に申し込みを行った方が口座開設のリスク分散ができます。
口座開設が早く手数料の安いネット銀行に申し込みをしつつ、必要に応じてメガバンクにも口座開設申し込みをするといった組み合わせがオススメです。
ただし、資本金が低くて固定電話がないような場合にはネット銀行の方が断られやすいケースもありますので注意しましょう。
ネット銀行以外の対面のやり取りがある銀行では会社設立間際の場合、少しでも多く法人名の入った書類を用意して担当者に提出することで開設の確率が高まりますので、ぜひやってみましょう。
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